入国審査のレビュー・感想・評価
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愛すら試される入国審査
アメリカに移民しようとスペインからやってきた中年カップルが、空港の入国審査で足止めされる密室サスペンスでなかなか面白かったです。主な役者は4人、舞台も簡素な取調室だけの低予算作品ですが、監督さん達の実体験に基づくお話しだけに息がつまるような圧迫感があり、役者の顔のどアップを多用する演出で緊張感がさらに高まります。入国審査官の矢継ぎ早の尋問で、審査される側の隠された過去が徐々に露になってくるのも面白いけど、むしろ審査官のプロフェッショナルな側面が際立つように感じられました。一方で、短めの上映時間とは言え、少し単調な展開なのでもう一捻りほしいかな。役者は知らない方ばかりだけど、女性審査官役のローラ・ゴメス、顔の凹凸がすごくてアップでの顔芸が迫力ありました。
緊張しました
入国希望者、入国審査官、どちらの視点で観ても興味深く面白い!
グリーンカードの抽選で移民ビザが当選し、スペイン(カタルーニャ州)から米国に移住するためNY空港に到着したディエゴとエレナ。早速、入国審査でパスポートを提出するが、なにかしらの問題が発覚してか、別室へと連行されて……。
入国審査官の執拗な尋問と、それに対峙する事実婚カップル(ディエゴとエレナ)。2者のやり取りは演技力もさることながら、尋問そのものが本物さながらの内容で、アレハンドロ・ロハス監督の体験談が元だけに、なかなかの緊迫感。なるほど、別室に連行されるとこういうことをさせるのかーと疑似体験できます。英語ができないとマジ怖いね。
全編通して思うのは、入国したい側の切実な事情も汲み取れるが、不審人物を入国させない側の職務も真っ当であること。どちらの肩も持ってあげたいところだが、世界情勢を鑑みるに、多文化共生は絵空事だったので入国審査側に共感を抱かざる得ない。
ロハス監督は、ベネズエラからスペインに移住した人だけに、入国審査の実態をエンターテイメント化しつつ、事前講習的な教材に仕立て上げたのかしら。その真意も興味深いね。
何かやましいことが?
予告編を見た印象では何もやましいことをしていないのに別室へ
連れて行かれて、何をされるんだろう?というスリラーのような
空気感があった。審査官の方に悪意があるような。あるいは
人違いで何か誤解されているとか。
でも主人公の二人には結局不審な点がいくつもあって、不法移民を
水際で食い止める必要がある職員はそれを問い詰めていく、という
内容だった。
立場が違えば物事の見え方も変わる。審査官には普通の職務遂行
かも知れないが審査される側の視点ではそうではない。
審査官や職員の言動が嫌がらせに感じられることもあるし、何で
そんなプライベートな事まで立ち入って聞くの?何でそんなに
高圧的なの?というのは確かにある。そういう状況下の不安な
心理が良く伝わってきた。
長時間拘束されて根掘り葉掘り質問され、秘密を暴かれ、全く良い
気がしないものだが相手はそれが仕事なんだから逆恨みしては
いけない。
結局法に触れることはしていなかったから審査は通過できて、まあ
良かったね。だけど精神的にぼろぼろにされたね、という話。
77分の上映時間が丁度良い。ほぼ入国審査の場面だけでこれだけ
緊張感を保てる脚本・演出が良かった。
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余談
引退してから海外旅行する機会が増えた。なので入国審査を受ける
機会もたくさんある。
自分はやましいことがないから審査を通過できて当然だけど、
それでもやっぱりあの瞬間は緊張する。
国によっていろいろ質問されたり指紋を採られたり。観光地を訪れる
ワクワク感を味わうと同時に「何事もないといいな」という不安も
少し感じる、ちょっとドキドキする特別な時間だ。
ちぐはぐ感がある
オープニングからラジオ音声でトランプが移民を厳しく取り締まるってのが流れるのね。物語の背景をさりげなく入れてくるのはうまいなと思ったの。
それで空港に向かうんだけど、旦那さんが、なんか迂闊な感じなんだよね。「パスポートどこやったっけ?」とか。飛行機の中で薬を飲もうとすると服の上にこぼしちゃったり、税関に必要な書類をなくしちゃったりね。
対照的に奥さんはしっかりしてるね。
この辺のキャラ描写もうまいなと思ったの。
でもさ、まずこの物語、トランプの背景あんまり関係ないよね。
徐々に明らかになる事情を聞いてるとね、これ、別室で尋問するのも当然だろっていう気がするの。
登場人物の性格描写も、ほぼ効いてない。
旦那さんの迂闊さや、奥さんの強気な性格が尋問を悪化させることはないの。
最初の部分で「うまい」と思ったところが後のストーリーに効いてこないから、なんだったんだろうなって思ったよ。
まあそれで、背景もキャラクターも関係なく、尋問が進むにつれて「実は……」「実は……」って、主に旦那さん側の事情が明らかになってくんだよね。
そこは「なるほどね」とは思うんだけど、「普通の人はやらないけど、この旦那さんならやっちゃうな」感がないから、そんなに感情移入もないの。
制作側が準備した事情を順番に教えてもらってるだけなんだよね。
明らかになった事情によって、旦那さんと奥さんの関係が怪しくなっていくんだけど、ここも「この二人なら、そうなるよね」ってのはないの。
「こういう風に事情を明らかにするから、こういう風に感じ悪くなってね」っていう感じなんだよ。
それでもラストは「どうなるんだろう……」と思って観るから、少しは良かったね。
“Welcome to U.S.A. !”で終わるけど、「なら最初から審査通してくれよ!」って感じはあった。
尋問を通じて、何かが明らかになったってことないもんね。はじめから通すか、通さないかのどっちかだったんじゃない。
そしてこの話、戯曲の作りだね。
尋問の別室でのワンシチュエーションでやれる。
その方がソリッドで良かったんじゃないかな。
面白いは面白いけど、なんかちぐはぐなところある作品だったよ。
やってくれたな、入国審査官!!
個人的にはラストの衝撃的な結果は
小躍りするくらい(実際帰る時小躍りしたw)
テンションがあがりました!
あの片方には絶望的な、
片方には「神よ感謝します」的なアレは
前者の立場からすれば胸糞悪いったらありゃしません。
77分と最近の映画の中ではとても短く
ワンシチュエーション作品として
とてもよく出来ていると思います。
それにしても
そもそもなぜ二次審査まで行ったのか🤔
パスポートの件?
ベネズエラ出身だから?んー。そこが分からないから
ふたりと同じように緊張し、ハラハラした。
あれは不安になるし挙動不審にもなるって💦
さあ、これからふたりはどうなるのか。
異風ミステリ
米国の入国審査の厳しさを感じる映画
監督自身がスペインに移住した際の体験にインスピレーションを受けて作ったというこの映画は、17日間という短期間の撮影、65万ドルという低予算で制作されたという。
ストーリーは、スペインからアメリカに移民するビザを手に入国するカップル。比較的スムーズに進んでいる窓口に当たりひと安心するも、別室に連れていかれる羽目に。
その後、長い待ち時間を経て個室に移動。審査官から執拗な取り調べを受ける。そのさまを淡々と描き続ける作品。役者たちの演技にメリハリがあり、最後まで引き込まれる。
3年前自分がニューヨークに行った際の入国審査、ESTA保持者の列で、自分の前に並んでいた日本人渡航者が、かなりの確率で別室に連れていかれたのを目の当たりにしていただけに、昨今のアメリカの入国審査の厳しさが、緊迫感とリアリティをもって迫ってくる。
入国審査に対する恐怖、その深層心理に訴えるサスペンスを77分にうまくまとめてあり楽しめたが、もう少し長めの尺で、もうひと捻りあると更に面白い気がした。
短期間で低予算でも引き込まれる作品を作れるという証。
ニヤリ…
渡航経験の少ない私の様な人間には、海外の空港の入国審査の列は閻魔様の前にしょっぴかれる道だ。
実際、私もスペインの空港で(旅行会社のツアーだったのに)突然現れた(アラジンの)ジャファーそっくりの係員に私だけ呼び出されて「金は持ってるのか。財布開けて見せろ。」とすごまれた経験があり、この冒頭のシーンは他人事ではなかった。
手荷物検査でも一発でクリアできなかった私は、通路の隅に引っ張られて女性版ランボーみたいな係員に金属探知機を当てられながら「ほら、両手上げてそこでグルグル回ってみろよ」とやられた。
プライバシーも人間の尊厳もここでは無いに等しい。
名古屋空港の税関で勤めていた知人に話を聞くと「税関を通る外国人を一人残らず犯罪者だと思ってた」っていうくらいだから、まあそういう方々の仕事で私達の安全も守られているわけだし、一概に非難できるものではない。
(その知人は人の心を失うのが怖いから、と税関を退職された)
この映画がどの程度リアルなものかは分からないけど、あまりにも理不尽な扱いや、侮辱に等しい質問や命令はあるんだろうな。
誰にだって隠し事はある。
今回主人公の男性はそれをパートナーの女性の前でバラされた。もちろん入国に関わる重要な経歴ではあっても、必ずしもここでパートナーが知らなければならないことではなかった。
でもここは他国。まだ入国もしていないし、気分を害すれば担当者の気持ち一つで刑務所行きだ。
そんな、人間が全てをもぎ取られてヒリつく時間を上手に描写していた。
このお話は基本的に女性主人公は特に被害者の立場なので、もちろん救いはあって、停電になった暗がりで、それまでグイグイ詰めて来た女性審査官が少し気遣いの言葉をかける。
この女性審査官は同席する男性審査官の酷い対応に所々で表情を強ばらせていたり。
質問の中でも、女性が社会的にまだまだ低いことが示されていて、あの女性審査官はそこで踏ん張ってるんだろけど、それがちゃんと伝わらないのも上手い演出だね。
そして、あの皮肉なラスト。
主人公も観客も同じ想いで幕を閉じる。
苦笑いを込めて「ニヤリ」とするしかないよね。
話すべきだった
こないだ鑑賞してきました🎬
入国審査で引っかかる事実婚のディエゴとエレナがメインのストーリー。
ディエゴにはアルベルト・アンマン🙂
最初は忘れっぽいだけなのかと思いましたが、段々と裏事情が見えてきます。
終わってみると、典型的な駄目男という印象。
いや、私が言えた義理ではありませんね😔
審査官からの尋問で追い詰められていくさまはリアルでした。
エレナにはブルーナ・クッシ🙂
ディエゴを信頼していましたが、徐々に疑念を抱くように。
立場的に彼女はほぼ被害者ですな。
クッシが創り出す疲弊した表情、ラスト近くの2人の微妙な距離感は心情をよく表していました。
80分もないですが、審査官とのやり取りは緊迫感にあふれており、場の空気がこちらまで伝わってくるようです。
ラストシーンのあと2人はどうなるのか、想像をふくらませるような終わり方😀
監督は知性あふれる人なのでしょう。
サクッと観れて、独特な切れ味を持つ一本でした👍
現トランプ政権で起こりうる監督が現実に直面したという経験を元に製作
最初にアメリカ出張した時のイミグレを思い出した
スペインのバルセロナからアメリカのニューヨークに降り立ったディエゴとエレナ。エレナがグリーンカードの抽選で移民ビザに当選し、事実婚のパートナーであるディエゴとともに、新天地での幸せな生活を夢見てやって来た。しかし入国審査でパスポートを確認した職員は2人を別室へ連れて行き、密室で拒否権を使えば即強制送還となる中で尋問が始まった。予想外の質問を次々と浴びせられて戸惑う彼らだったが、エレナはディエゴが以前別の女性と婚約していた過去を知り、次第に彼に対して疑念を抱くようになり・・・無事入校審査をパス出来るか、という話。
仕事で初めてアメリカに行った時のイミグレを思い出した。
バブルの頃、ジャパンアズナンバーワンとか、土地の高騰で総資産でアメリカを抜いた、とか言ってた時なので、アメリカの失業率も高く、なかなか入るのが大変だった。
そんな時に、アメリカに行き、仕事だと言うな、と言われ、手紙を持ってイミグレに行ったのだが、なんと、その手紙に誤記があった。そして別室に連れて行かれ、日本語の通訳まで来て、嘘を言ったら即日本へ帰らされる、なんて脅され、1時間くらい尋問を受け、やっとOKになった事が経験としてあります。
なので、凄く良くわかった。
仕事をしに行ってるのに、ちゃんとビザ取らずに入ろうとするのが悪かったんだけど、当時なかなかビジネスのビザがおりず苦肉の策だったんだけどね。
当時は英語もほとんど聞き取れず心象を悪くしたのもあるとは思うが。
ディエゴとエレナ役の2人の演技がとても良かった。
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