「それに気づかせてくれた」ハロルド・フライのまさかの旅立ち MARさんの映画レビュー(感想・評価)
それに気づかせてくれた
嘗ての同僚が癌で余命僅かという手紙が届き、悩んだ末に800キロ離れた彼女の元に歩いていく決心をした男の物語。
コンビニの青髪姉さんから信じる心の大切さを伝えられ、希望の眼差しで無謀にも思える旅に出るハロルドだったが…
差し込まれる過去の後悔や行く先々で出会う人々の死生観も良きアクセントに、人の親切さややり遂げることの難しさも伝えてくれる内容。
歩き続けるハロルドもそうだが、待ち続ける奥さんの姿も…。長く仮面夫婦状態だったとはいえ、他人に会うために急に置き去りにされちゃあ面白くないですよね。
明かされていく過去に加え、厳しくなる旅路…この緩急も良い感じ。挫けそうなハロルドに、漸く告げられた真実にはウルウル。そして…お前は急に白状だなw
そんなこんなありながら、着地点はシンプルと言えばそうだが、最高でしたね。光の演出もグッド。ワン公はまぁ良いとして、ケイトやウィルフ、お隣さん、最初の牧場のおっかさんとかにも届いて欲しかったな〜。
この旅で得たものは…
800キロ歩いて埋めたのは遠い距離ではなく、25年の時間だったのかな。
中々にキツい状況ではありますが、ワタクシも何かを信じて歩いてみよう、そんなことを思わせてくれた作品だった。
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