「やっぱりゾワゾワが残るわぁ~」若武者 La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)
やっぱりゾワゾワが残るわぁ~
『枝葉のこと』『お嬢ちゃん』『逃げきれた夢』と、心の中に名状し難いゾワゾワ感と言い難いヒリヒリを残して立ち去る二ノ宮隆太郎監督の新作が登場です。何だか鬱々とした日々を送りながらもそれを打ち破れる訳でなく、その力を尽くそうとする訳でもない3人の若者のグズグズの会話劇です。
「みんな口先ばっかり」となじる男の下衆っぷりに苛立ち、「そう言うお前こそが口先ばっかりじゃないか」と思わず突っ込みを入れたくなります。でも、こいつの「クズ男にも三分の理」を覆そうとスクリーンに相対しながら考えてしまったと言う事は、物語世界の中に結局引きずり込まれていたという事なのでしょう。
そして、二ノ宮監督らしく明確な結論を示さずに、ラストシーンを観る者に委ねます。う~ん、と僕は腕組み。
右上或いは左上を大きく開けた構図の長回しがザワザワと心の中に長く残ります。
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