「この世は偏見だらけで気持ち悪い」若武者 masamiさんの映画レビュー(感想・評価)
この世は偏見だらけで気持ち悪い
露悪的である。人物も物語もショットも、全てが不安定で居心地が悪い。それでいて映画全体にどこか高潔さや覚悟を感じさせるのはおそらく、二ノ宮隆太郎の根底にある人間や世の中への眼差しの公平性、そして自身の持つ偏見や悪意についての批評性によるところが大きいだろう。ポリティカルコレクトネスやToxic masculinityについて扱う作品の中では、明らかにラディカルでオリジナリティに溢れているが、それ故に時代に逆行していると取られる危険性も孕んでいる。
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