若武者

劇場公開日:

若武者

解説

「逃げきれた夢」「枝葉のこと」の二ノ宮隆太郎が監督・脚本を手がけ、寄る辺ない日常の中で人生に疑問を抱きながら未来に抵抗する若者たちの物語を、独特の言語表現の応酬と予測不能な展開で描いたドラマ。

義父に対して深い憎しみを抱える工場勤務の寡黙な渉、他人の負の感情に愉悦を覚える傾向のある居酒屋店員・英治、介護士として働きながら周囲を鋭い視線で見つめる光則。幼なじみである3人は、ある晩秋の昼下がり、数年前に事故で亡くなったもう1人の幼なじみが眠る墓地を目指して歩きながら会話を交わす。やがて彼らは世直しと称して、街の人々の些細な違反や差別に対して無軌道に牙を剥き始める。

「春に散る」の坂東龍汰が渉、「ファミリア」の髙橋里恩が英治、「死んだ目をした少年」の清水尚弥が光則を演じ、豊原功補、岩松了、木野花が脇を固める。

2024年製作/103分/G/日本
配給:コギトワークス
劇場公開日:2024年5月25日

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映画レビュー

やっぱりゾワゾワが残るわぁ~

2024年8月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 『枝葉のこと』『お嬢ちゃん』『逃げきれた夢』と、心の中に名状し難いゾワゾワ感と言い難いヒリヒリを残して立ち去る二ノ宮隆太郎監督の新作が登場です。何だか鬱々とした日々を送りながらもそれを打ち破れる訳でなく、その力を尽くそうとする訳でもない3人の若者のグズグズの会話劇です。

 「みんな口先ばっかり」となじる男の下衆っぷりに苛立ち、「そう言うお前こそが口先ばっかりじゃないか」と思わず突っ込みを入れたくなります。でも、こいつの「クズ男にも三分の理」を覆そうとスクリーンに相対しながら考えてしまったと言う事は、物語世界の中に結局引きずり込まれていたという事なのでしょう。

 そして、二ノ宮監督らしく明確な結論を示さずに、ラストシーンを観る者に委ねます。う~ん、と僕は腕組み。

 右上或いは左上を大きく開けた構図の長回しがザワザワと心の中に長く残ります。

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La Strada

4.0眼で感じ、心で咀嚼し、脳でその心を顧みるような∙∙∙

2024年6月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

生と死
明と暗
正義と悪
触発と影響

思想や言葉は
ブーメランのように自分に戻って来て自分を傷つける

俯瞰で見ているようで
自分が見られている錯覚に陥るようなカメラワークは
自分自身の思考回路や行動原理に訴えかけてくるようで
どこか居心地の悪さや迷いが炙り出されるようだった

誰しもがもっている心や精神の”黒いしこり”みたいなものが
グチュグチュした膿を持ち
皮膚が今にも裂けて破裂するような
自戒による自己治癒のような感覚を観た。

渉(坂東龍汰 )、英治(髙橋里恩 )、光則(清水尚弥 )
3人それぞれの顕示欲や利己性のコントラストも
「多様性」を讃える今という時代を反映している気がした

散りばめられたヒリヒリする言葉は刃の如く。
果たして自分なら首を差し出すだろうか∙∙∙

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甘酒

3.0好き嫌い分かれます

2024年6月19日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

英治のセリフ回しと、声がめちゃくちゃいいなーと感心して観た。あんな風に愛想の良い店員さんに出会うと気分よくなるが、人間だから二面性あるよねと、これから気をつけようと思ったり。
光則の垣間見える狂気に引いたりしたが、カキフライのくだりで、これも二面性やなと。
最初の笑顔は一瞬で渉はずっと沈んだままなん?といつか爆発しそうで不安になる。
マスターに言われた気持ち悪いは、ちょっと違う様な気がしたがピッタリした言葉が思いつかなくて、それでもいいかと思う。
坂東さんは物憂げな役が上手い役者でいくのかと思ったが、366日ではムードメーカー的な役も自然でホッとした笑
豊原功補さんが怖すぎてビビった。

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りゅう

3.0絶対に遭遇したくない現代の世直し隊

2024年6月18日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

英治役の髙橋里恩と言う俳優は初めて見ましたが
憎たらしい役を好演で好印象でした。

何か面白い事無いかな?暇でしょうがない、世界を変えたい、世直したい。どの時代の若者でも一度は経験する感情。英治は平和な日常が物足りず鬱憤晴らしに歩き煙草を注意する、後ろに仲間がいるから喧嘩したら勝てると言う状態で相手を完膚なきまでにバカにする。ナンパ目的にゲイを装って男同士のキスをして、それを笑った女性に詰め寄り謝罪させて泣かせてとこちらも完膚なきまでに・・・。
しかも中途半端に体も大きいから厄介。
以前はこう言う奴はぶん殴られ終わりでしたが、今のご時世は手を出したら負けですし、ネット社会で情報が多い分、頭使って攻撃してくるので本当に憎たらしいし、実際に会って絡まれたらと想像するとぞっとします。友達にも似た絡みもして、いつその友達がキレるかなと見てたら案の定、英治を後ろから瓶で殴りつけます(笑)

病院送りにされた英治は仕返しに刀で斬りつけると言うのですが、何処で手に入れたのかラスト本当に日本刀が振りかざされるシーンで終了と面白かったです。タイトルの若武者もエネルギーがあり余った若者のイメージと刀も出ますし、しっくり来て良いタイトルだなと思いました。

ネットやSNSでも英治の様な正義のヒーロー気取りで他人の不正やお店の闇を暴いたり、警察官に無駄に絡んだりと鬱憤晴らしの世直し隊みたいのが多いし厄介な時代が来たなと思えました。

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GodField