フィリップのレビュー・感想・評価
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肉食系ベジタリアン(ウソ)
フランス人と偽って1943年のフランクフルトでドイツ人女性と関係を持ちながら暮らしていたユダヤ系ポーランド人の話。
1941年まだ自由があったワルシャワのゲットーがナチス兵に襲撃されたところから生き延び、そして2年後…。
ホテルで働きながら夫が出兵中のドイツ人女性を転がす男というのはわかったけれどこれがショッキング???
発禁になった部分は描かれていないんですかね?
口止めを脅迫じみたものもあったけれど、結構自分でペラペラと正体について話してしまっていたりするし、そういえばユダヤ人だから割礼しているんですよね…。
ヤッて捨てるのがドイツ人への復讐と宣うチャラ〜い男の心変わりや、彼を取り巻くホテル従業員と、彼らと絡んだ女たちや軍人たちの機微に境遇にとなかなか面白かったけれど、ユダヤ人としてヒリヒリする場面は最初だけだし、結局のところ一般人だし何かを成し遂げる訳でもなくて盛り上がったり響いたりするほどのものはなかった。
なんか悲しい
人に説明できる程のこれと言った話しではないんだけど面白かった。そして終わってみるとなんか悲しい話しだった。
主人公は最後まともだった。
ちゃんと愛情と友情をもちあわせた。
キーワードはポーランド、ドイツ、ナチス、娼婦
フィリップの顔の変遷
ワルシャワのゲットーで恋人サラや家族と楽しい時を過ごしていたフィリップ。その時のフィリップは若く幼さもまだある、青春真っ只中の青年の顔をしていた。陽気で明るく爽やかな顔。舞台に出る間際にサラに指輪と共にプロポーズする彼に不吉な思いを抱いたが的中してしまった。
ホテルが舞台の映画は好きだけれど、この映画のホテルでは聞きたくない歌、見たくないこと・ものが多くて辛かった。ドイツでは男性同性愛を禁じる刑法175条(1872-1994!)がナチ時代にはより厳罰化され強制収容所送りの対象でもあった。でもナチスの将校は好き勝手やっていたんだ。
フィリップはリザを本当に愛していた。リザもフィリップを心から愛していた。恋人と家族を一度に失った彼にとって、リザはホテルで共に働く同郷の親友と同じ程に大切だった。でも親友の最期を見て、フィリップは変わらざるを得なかった。戦争の時ほど自分の故郷、根っこ、自分の言葉を人間は懐かしく大切に思うんだろう。昨日見た、サイードの映画を思い出しながらいろんなことを考えた。
泥水をすするような味
重苦しいとか、悲しいとか、怒りとか、言葉では簡単に表せないなんとも言えない嫌な気持ち悪い映画。
ラストのダンスシーン、お前たちがやってきた事はそうゆう事なんだよ!
ホームへ消えていく主人公、その後は?
復讐のジゴロ
ナチスに家族と恋人を殺されたポーランド系ユダヤ人青年フィリップの復讐劇。といってもターゲットは将校ではなくその妻達。夫と離れ離れになって生じた心の隙間に入ってNTRしていき、事後に素性を明かす。金品は貢がせない代わりにその心とプライドをズタズタにしていく、正に“復讐のジゴロ”。
本作の肝はナチス政権下におけるドイツ人女性の立場にある。政権を嫌って自由奔放にドイツ人以外の男と交わる者や、フィリップの素性を知ってでも恋人であろうとする者など、彼女達なりの自国への反発が描かれる。
原作が60年も発禁処分になっていたというのを宣伝文句にしているが、女を手籠めにしてきた男がおぼこい女性と出会って…というお話は手を変え品を変えていろいろあるので、正直インパクトは感じず。ただ、憂を含んだフィリップ役の俳優は、容姿は似てないけど若きハンニバル・レクターを演じた故ギャスパー・ウリエルを思わせた。
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