劇場公開日 2024年12月6日

「とある児童養護施設の子供達の話」大きな家 はりー・ばーんずさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0とある児童養護施設の子供達の話

2024年12月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

最初と最後に、お願いとしてSNS等の映画に出ていた方々の発信は控えるようにとの告知が画面に出ていた。
映画を見ると分かるけど、ある児童養護施設の子供達、スタッフの方々の素顔が映し出されている。
名前(下の名前だけ)もセリフを追いかければ、容易に彼らに辿り着けるだろう。
だから映画館でだけの上映で、DVDの発売やサブスク等での配信は予定されていないらしい。

最初の方の演出は、POPな音楽、ローアングル、普通のドキュメンタリーではないと感じた。
その辺は映画として拘って作ったんでしょうね。
(テレビと違って、お金を払って見てもらうインターテイメントとして)
これは、児童養護施設で暮らす小学1年生から、19歳の大学生までの5~6人を追いかけたドキュメンタリー映画です。

映画館の上映スケジュールの中の映画紹介のページで知った映画でした。
それ以外で見聞きした事前情報はなかった。
音楽はハンバートハンバート。
先日見た映画『ぼくのお日さま』で彼らの事は知った。
そういった事もあって見てみる事に。。

良い映画でした。
カメラを気にしない子供達を見て、かなり長い間密着していたんだろうと思う。
児童養護施設で暮らす彼らは、お金に困ってるとか、生活に困っている感じは一切しない。
国からお金が出ているというような話が劇中であったが、いまの養護施設はこんな感じなんですかね。
キレイな個室があてがわれていて、質素な感じとかは無い。
子供達も基本みんな明るい。。

ただ、もちろん、複雑な家庭環境で育ってきているのでところどころ心の闇は感じられる。
そういった告白シーンだけが、普通の子たちと違うところ。
それに寄り添うスタッフの人達が凄いと思った。
おそらく、散々ぶつかり合いながら育ててきたんだと思う。
そういうシーンは無かった。
過去の話としてはあったが、そこに焦点は当てず、さりげなく彼らの思いを聞き出していた感じ。
ドキュメンタリーのディレクターは凄いですね。

家族のようで家族では無いという一緒に暮らす子供達。
社会に出ても頑張って欲しいですね。
影を映し出す演出、構成、良い映画でした。

はりー・ばーんず