ぼくのお日さまのレビュー・感想・評価
全234件中、101~120件目を表示
三分の二くらいで終わった印象
2024年劇場鑑賞237本目。
ジャンプでフィギュアのペアの漫画ツーオンアイスをちょうど読み終わったところだったので(だいぶため込んでる)タイムリーといえばタイムリー。この映画はそういうフィギュアを描きたかった訳ではないんですけどね。池松壮亮が好きなのでその点では良かったのですが、なかなか話が動き出さないので尺足りる?と不安になっていたら終わっちゃいました。話的にはあそこで終わっても切れてる訳じゃないんだけど、あそこで終わるとなんかなぁ。なんかみんな傷ついて終わっちゃったなという印象でした。それがいいという意見もわかるんですけどね。
切ない恋の物語
映像がとにかく美しく、個人的には岩井俊二の作品を連想した。
本作はスケートリンクの場面が多いのだが、窓から射しこむ温かみを感じる”光”の演出は印象深い。岩井俊二もこうしたリリシズム溢れる映像を得意としているが、それを思わせる透明感溢れる映像は素晴らしいの一言だ。
中盤で荒川、タクヤ、さくらが凍った湖で一緒にはしゃぐシーンも、やはり明るい陽光が3人を包み多幸感溢れる名シーンとなっている。まるでMVでも観ているかのようなスタイリッシュさに魅了された。
更に、終盤でさくらがアイスダンスをするシーンには、岩井監督の「花とアリス」の蒼井優のバレエシーンを連想した。可憐な美少女の輝きが、これでもかと言わんばかりに主張されていて印象的である。
このように、美しい映像の数々は本作最大の美点ではないだろうか。作品世界を一層魅力的な物にしている。
一方、物語は基本的にタクヤとさくらの純愛ドラマで展開されていく。タクヤは吃音症で上手く思いを口にすることが出来ず、さくらを遠くから見つめることしかできなかった。そんな彼が一緒にフィギュアスケートをすることで彼女との距離を近づけていく。何とも可愛らしい初恋のドラマである。
ただ、終盤にかけて荒川のプライベートが絡んできて物語は徐々にシビアな展開へと突入していく。
彼が持っていた携帯電話がガラケーだったことから、時代設定は現代よりも20年くらい前と想像する。本ドラマのミソは正にこの時代設定ではないかと思う。
今でこそ彼が抱える問題は、社会的に見れば広く一般に認知される所となったが、当時はまだ彼のような人間は偏見の対象に晒されていた。そのせいで荒川は悲しい結末を迎えることになるが、これはそういう時代だった…としか言いようがない。正に絶妙な時代設定のように思う。
一方、タクヤとさくらの初恋については、かすかな希望を予感させるような終わり方になっていて救われた。
本作はエンドロールも秀逸である。主題歌は本作のタイトルと同名の曲で、物語と歌詞の内容が完全にフィットしているのが好印象である。歌詞を聴きながら静かな余韻に浸ることが出来た。
監督、脚本は自主製作した「僕はイエス様が嫌い」でデビューした奥山大史。前作同様、今回も撮影と編集を自ら兼務しており、透明感溢れる映像には独特の感性が感じられる。また、スケートシーンにおける流麗なカメラワークも中々のものである。
説明的なセリフを排した繊細な演出も、更に磨きがかかっているように感じられた。特に、荒川が秘めたる心情を吐露する終盤のシーンが味わい深い。タクヤにスケートを教えた理由がここではっきりと判明するのだが、きっとそこには過去の自分自身の叶わぬ思いが投影されていたのだろう。
また、グローブやカレンダーといった小道具の使い方も中々に上手いと思った。
逆に、本作で唯一心残りだったのは、さくらの心情が今一つ掴みきれなかったことである。
彼女はシングルプレイヤーを目指していたのだが、荒川の勧めで強引にタクヤとペアを組まされてしまう。タクヤはスケートを始めたばかりの初心者で、自分とは明らかにレベルが違う。当然最初は乗り気でなかったのだが、その不満や葛藤については本作では拍子抜けするほどスルーされてしまっている。いつの間にか練習中に笑みを見せるようになっており、これには違和感を覚えた。
物語は基本的にタクヤの視座で進行し、途中から荒川のドラマが入ってくるという構成になっている。したがって、敢えてさくらを第三者的位置にとどめたのかもしれない。しかし、ここでの彼女の迷いや葛藤が描かれていれば、ドラマは一層濃密なものにすることが出来ただろうと惜しまれる。
キャスト陣では、さくらを演じた中西希亜良の佇まいが印象に残った。幼い頃からフィギュアスケートを習っているということなのでスケートシーンは堂に入っている。ビジュアル的にもいわゆる正統派な美少女タイプで今後の活躍が楽しみである。
こうゆう映画を年に3回は見たい
終盤以降は苦々しい気持ちになるものの、
ほっこり笑顔で見れた。
丁寧な作品。
池松壮亮さんの物静かな話し方が、この映画の暖かい優しい雰囲気を下支えしている。
少し紗が掛かったような映像の荒い感じはワザとなのかな?
4K時代のきめ細かくてドギツイ映像では無いです。
エンドロール最高!
今時こんな美しい、きれいな、穢れのない映画が
あるんだろうかと思いながら観ていました
野球やホッケーが上手くない少年がスケートなのか
さくらになのか恋をしてしまい…
ところが中盤のあるシーンをキッカケに…
予想もしなかった展開に…
これは賛否両論というところでしょうか
自分としては減点かな
ただ映像はとてもキレイで、外でのシーンとか
光と影の映像とかとても良かった
エンドロールは過去一かも
さくらの今後にも期待!
映像表現が心地よい
今回はストーリーはもちろんのこと
映像表現が秀逸だったと思います。
光の使い方に目が行きがちだと思うが
自分が感じたのは、ロングの使い方が
目を引いた
本当に、ロング→ロング→ロングでも
違和感ないのはシチュエーションが
しっかり描かれているからだと思いました
その結果寄りがいつもより、効果的に感じた
また、台詞らしい台詞を作ってない所も
すごい。激しいやり取りやシーンはないのに
引き込まれるのは、役者さんの演技はもちろんのこと、映像表現が素晴らしいからかと思いました
あと、洋楽のところの絵の繋ぎも好き
これはゆっくり振り返りたい作品だった
清々しいほどシンプルでピュア
こんなのあと2時間あったとしても飽きずに観れる。
それぐらい心地いい映画でした。
普段口にしないような長ったらしいセリフもなく、その場のリアルなトーンでの会話とかも良かったです。
そして、思春期の少年少女、あの頃あの時期の青くさく少し甘酸っぱい感じもうまく描けてるなって感じました。
吃音でつまっちゃうけど、素直にやりたいことやれてて、コーチと3人で生き生きとアイススケートを滑ってるシーン。これがなんて気持ちのいい! わけのわからん涙もでちゃいました。 作品全般通して光のいっぱいさしてる映像の綺麗さも心を暖かくしてくれたのかなと思います。
記憶に残る良作
奥山大史が監督・脚本・撮影・編集を手がけ、池松壮亮を主演に迎えて撮りあげた商業映画デビュー作との事です。
監督の優しさが作品全体ににじみ出ていて、雪国の自然な風景も登場人物も魅力があり貴重な時間を経験できた作品でした。
記憶に残る作品とはこういう事なのだろうと感じます。
2人のアイススケートのシーンが美しく、心地よいカメラワークも魅力的でしたが、
淡い雰囲気だけの作品ではなく,脆く壊れやすい人の感情もきちんと描いていて好感を持ちました。
何気ない余韻が残るラストも素直に感動しました。おススメ度は満点です。上映中にぜひ映画館でご覧ください。
ほのぼの
ほのぼのとした作品。主人公のタクヤとサクラは、スケートがそれなりに上手いと思った。映画の最後、タクヤはサクラにどんな声かけをしたかったのかしら? それが気になりました。余談ですが、スケートの邦画でいえば、1986年倉本聰監督、中嶋朋子、いしだあゆみ出演「時計」があります。スケート選手役の中嶋朋子の成長を実際に5年間かけて撮った作品。「ぼくのお日さま」を観て、「時計」が観たくなり探しましたが、ビデオは廃盤、DVD は未発売。残念です😭
どれがお日さま?
こーいう感覚的な作品が外国受けするのでした。
言葉が無いほうが傷つかないのかも。
映画館が空調壊れてるだかで、どでかい扇風機回してくれてあったけど、暑くてね。
でもこの冬のお話に引き込まれて我慢できたのでした。
吃音は必要条件だったのか?
先ずは映像の縦横比
アスペクト比も画質もアナログ放送時のブラウン管TV
これで何十年かは時代を遡る
池松のスケート本物っぽい 経験者なのだろうか
タクヤが一心に見惚れていたのはさくらだったのか、フィギュアだったのか、双方だったのか判然とはしない
思春期とはそんなものかも
ドビュッシー「月の光」...偶然、昨年から aoが日本語歌詞を当てている「月のひかり」にずっと浸かっていたのでシミジミし続けていた
Days of Heaven…特に凍った湖でのシーン 他人の幸福そうな様子を眺めていて それだけでじわじわ涙が滲み続けていた これだけで鑑賞料金以上に値いする不思議な体験だった
逆にモヤモヤするのは
さくらにはコーチ荒川を慕う気持ちがある だけど荒川と親しさを増すタクヤに嫉妬する様子はない なのに
偶然見かけた荒川の男色を確信的に疑い一方的に断罪して背を向けた(確認不十分)
仄かな恋心を踏み躙られ?怒りに任せ、スノッブな母親にぶちまけて
そして3人の良好に思われた関係をさくらの一存で壊してしまった
そのことを彼女自身が生涯後悔しそうもないという終わり方
荒川もご当地からもパートナーからもあっさりフェードアウトしてゆくのみ
フィギュアを離れていたタクヤはコーチから貰ったフィギュア靴を傍らに、さくらと出くわす
二人はペアを再開するかも、って?
当時だったらあり得る成り行きなのか?
とてもモヤモヤする
エンディングクレジットにテーマ曲の歌詞もアイスダンス軌道で文字化されており タクヤが吃っていたことを改めて!思い返した
タクヤの吃音に対する劣等感?はさほど深刻には見えなかった
果たしてこのエピソード(吃音)はこの物語の必要条件だったのだろうか? 取って付けた感が否めない
『竜とそばかすの姫』に於ける美女と野獣リスペクトのように、あらかじめテーマ曲ありきで、こじつけられてしまったのでは
まいりました
小6〜中1の頃、同級生女子達がどんどん先に大人になっていって置いてきぼりを食ったようなあの感じがよみがえって、甘酸っぱいを通り越してヒリヒリする。
ラストシーンで不覚にも…
10/6 付記
劇中誰も泣かないのだな。
ラストのあの表情でまたしても心の汗が…
美しく、温かく、ほろ苦く
吃音をもつ、野球もアイスホッケーも苦手な少年タクヤ、フィギュアスケートに打ち込むサクラ、夢を諦めたコーチの荒川、北海道の大自然に囲まれた静かな田舎町を舞台に、3人が心をひとつにアイスダンスに打ち込む。
そして、季節が冬から春へと移り変わるの中、それぞれの視点で物語は進む。温かさを感じつつもほろ苦い展開。
人の感情の美しさや儚さを、それぞれの演技、自然、光の美しさを巧みに映像で表現、やさしくも厳しさのあるストーリー。
観る者の心をピュアにする映画。ドビュッシーの「月の光」が流れるたび、自然と涙がこみ上げた。
せっかく
タクヤ君が、自分で上手くやれると思えるアイスダンスだったのに、大人の事情?で続けられないなんて、可哀想でした。でも、最後のシーンでさくらちゃんと出会った感じが、これからの二人の発展を期待します。
あたたかな時間
タクヤと先生とのやり取りが常に微笑ましく、それを見守るようなサクラが凛々しく、全ての場面の情景があたたかく美しく、登場人物に羨ましさを感じながら鑑賞しました。
そして、人を成長させるのは、「誰かのために」という動機なんだなと3人の姿が実感させてくれました。3人がお日さまのもとで過ごす景色では、気付くと涙ぐんでいる自分がいました。
そんな終盤までのあたたかさは、ある一瞬の、ごく一部の景色が引き起こした、思い過ごしとも取れるサクラの感情をきっかけに一変します。そこには誰の心にも悪意のようなものは存在しなかったはずですが。
人と人とのつながりは、池にはられた氷のように実に脆いものなのだと、季節のように淡々と移ろっていくものなのだと、だから一瞬一瞬を大切にしないといけないのだと優しく教えられた気がしました。あの雪が溶けるまでの数か月を3人も大切に思い返すんでしょう。
切ない展開ではありましたが、終始あったかい気持で鑑賞しました。締めくくりでは、いつかきっとサクラも、先生の指導やあの数か月が自分にとって糧になっているのだと、先生は自分にとっても「お日さま」のような存在だったのだと気付いてくれると期待させてもらいました。
美しくはあるが...
切り詰めた表現ぶりと昭和のような風景に癒やされました。劇中の音楽が少ないことと自然さを大切にした演技には子役の男の子と女の子の魅力がいっぱい詰まっていました。北海道の一都市の何気ない日常風景にもほっこりさせられました。
ただ、話の展開的にネタバレになるのであまり書きませんがみんなそれぞれ傷ついて終わっていくという展開に優しくないなと感じ、釈然としないものを感じました。
吃音であること、同性愛者であること、先生と生徒の恋愛感情などいろいろな問題を提起しながらもそれぞれが解決しないまま、ただ存在することの美しさとともに過ごした時間のきらめきだけが残りました。
それぞれの登場人物のかかえる問題を少しすっきりさせて終わらせてやって、きれい事かも知れませんが胸がキュンとする感じを味わいたかったかな。そんなわけで美しい映画だっただけに少し残念な気持ちが残りました。
今年のベストかもしれない傑作!
役者の方、みなさんが自然で本当に引き込まれる。
映像がまた最高に美しい
アイスダンスというのでしょうか、
初々しく、かつ美しく物語を描いてくれる素晴らしいシーンの連続でした。
男の子も女の子も最高!
お日さまってなんだろうと最初は思いながらみていましたが
スケートリンクや学校など太陽の日差しがとても美しい
言葉にすればするほど野暮になる。
ずっと余韻に浸っていたい。
また見たい。
エンディングがまた余韻を引き取って最高なんですよ!
ぜひ劇場で観てほしい。
そんな作品です。
全234件中、101~120件目を表示