「淡く輝く「ぼくのお日さま」」ぼくのお日さま たくさんの映画レビュー(感想・評価)
淡く輝く「ぼくのお日さま」
言葉で多くは語られないものの、目線の揺れ動きや画面のトーン、映像の前後関係などによって登場人物の心情がしっかりと伝わってくる作品。
タクヤが初めてサクラに目を奪われるシーンや、荒川が初めてタクヤを見つけるシーンは、彼らの「お日さま」がここにあるのだと如実に表されている。そしてそれは、サクラがじっと荒川を見つめる時も同様の意味を持っている。
加えて、サクラにとっての「お日さま」である荒川が、しかし彼女の理想通りの存在ではないと気づき、失望を顕にした時、作品のトーンがぐんと下がる展開も面白い。
そして彼らの美しいバランスは崩壊し、スケートを通じた繋がりも失われる。
だが、だからこそ何度失敗し転んでも立ち上がるタクヤというキャラクターが重要になるのである。
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