「あたたかな時間」ぼくのお日さま Eijiさんの映画レビュー(感想・評価)
あたたかな時間
タクヤと先生とのやり取りが常に微笑ましく、それを見守るようなサクラが凛々しく、全ての場面の情景があたたかく美しく、登場人物に羨ましさを感じながら鑑賞しました。
そして、人を成長させるのは、「誰かのために」という動機なんだなと3人の姿が実感させてくれました。3人がお日さまのもとで過ごす景色では、気付くと涙ぐんでいる自分がいました。
そんな終盤までのあたたかさは、ある一瞬の、ごく一部の景色が引き起こした、思い過ごしとも取れるサクラの感情をきっかけに一変します。そこには誰の心にも悪意のようなものは存在しなかったはずですが。
人と人とのつながりは、池にはられた氷のように実に脆いものなのだと、季節のように淡々と移ろっていくものなのだと、だから一瞬一瞬を大切にしないといけないのだと優しく教えられた気がしました。あの雪が溶けるまでの数か月を3人も大切に思い返すんでしょう。
切ない展開ではありましたが、終始あったかい気持で鑑賞しました。締めくくりでは、いつかきっとサクラも、先生の指導やあの数か月が自分にとって糧になっているのだと、先生は自分にとっても「お日さま」のような存在だったのだと気付いてくれると期待させてもらいました。
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