劇場公開日 2024年9月13日

「たくやの物語として観たらこれで十分」ぼくのお日さま kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0たくやの物語として観たらこれで十分

2024年9月18日
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鑑賞方法:映画館

「映像がキレイ」と言われる映画は個人的にあまり好きではない。脚本よりもそれが印象に残る映画だったということになるから。でも、本作を観て私が抱いたのはやはり「映像がキレイ」という感想だった。特に光が印象に残る。スケートリンク、凍った池、ベッドの上。とてもキレイで見入ってしまった。
話としては若干微妙なところ。やはり終わり方がややいたたまれないから。運動が苦手なたくやが、さくらのスケートに魅せられ一人でスピンの練習を始め、コーチの荒川が個人的に指導するという流れ。少年少女の淡い恋心とアイスダンスがきれいにマッチした話だった。たくやが吃音というところもポイントだ。彼らが中学生になる前後という設定も絶妙だ。荒川のことを思う気持ちが変化するのもあの年代なら責められない。
エンドロールが始まったとき、あぁここで終わってしまったかと若干残念な気持ちになった。完全なハッピーエンドとは言えない終わり方。でも、流れてくるハンバートハンバートの「ぼくのお日さま」を聴いているうちに印象が変わっていった。そうか、あくまでこの映画はたくやのものなんだと。だから、あの終わり方でいい。いろんな意味で自分に自信がないたくやが成長していく物語ととらえればこれで十分だ。
apple musicでもう一回聴こうと思ったら、2014年リリースであることがわかった。この映画のために作られた曲ではなかったし、むしろこの曲にインスパイアされて作られた映画なのかもしれない。曲にインスパイアされた映画はあまり好きではなかったのに。自説が2つも覆される映画になってしまった。

kenshuchu
トミーさんのコメント
2024年9月19日

共感&コメントありがとうございます。
自分はフーのファンなので直ぐに連想しました、吃音ぽい曲聴いた事無かったし。

トミー
トミーさんのコメント
2024年9月18日

口に出して言えなくても恋、挑戦、挫折と色んな経験を積んだ冬、春になって彼から出てくる言葉を改めて聴きたくなりました。ハンバートハンバートの曲が既に在ったのは奇跡的と思いました。

トミー