「事前情報なしの鑑賞をオススメします。」ぼくのお日さま ゆきさんの映画レビュー(感想・評価)
事前情報なしの鑑賞をオススメします。
"奥山大史"監督作品は見た事がないはずなのに、何か知ってる名前。。
と、ずっと考えていたら思い出しました!
去年(もう去年だ!)公開した、
宮崎駿監督"君たちはどう生きるか"の主題歌。
米津玄師さんの"地球儀"のMV撮った人だった!!
本作もそうだが(本作は脚本も手がけている)このMVも、監督・撮影・編集まで1人でこなしている!
自然光の入れ方が特徴的だと思う。
きっと、光りと影の表現にこだわって作ったんだな〜と想像出来る。
幻想的で、あの場の空気感、匂い、温度まで感じられるような映像で、それは本作にも通じる所があり、更にグレードアップしていました。
(見始めは、白っちゃけてるな四角いなって思ったけれど、この表現で良かったのかも)
若い才能!!が眩し過ぎる!!
本作の奥山監督はじめ、ちょっと前だと、個人的に注目している加藤拓也監督(ほつれる)
最近だと、山中瑶子監督(ナミビア)
二十代の若い才能ある監督が、商業作品映画を発表してくれる事が、映画ファンとしてはとても嬉しいです。
今後の日本の映画界をリードしていくであろう監督達の作品を、この若さで撮った作品を、リアタイで観られる事が嬉しいです。
将来、子が映画に興味を持った時、
「◯◯監督の初期作はリアタイで劇場で観たよぉ〜」って自慢になるかな?なんて、思っちゃいました。
さてさて、
予告で何度か目にしていた本作。
ベール(ヴェール?w)がかかった様な、
絵画の様な美しい景色。
どのシーンも額に入れて飾れそう。
幻想的な光が差し込むスケートリンクで滑る少年少女。
タイトルからして優しそうな作品だと思っていました。
池松君の芝居は好き。スケートは詳しくない。子役も知らない。
フライヤーももらっていたけれど、いつも通り読んでいませんでした。
だけどそれが良かった。事前情報なしでの鑑賞がベストですね。
ほほう。。そう来たか。
まさかのソレはう〜んとなったが、ガラケーだったり、カセットテープだったり、時代設定が現在より少し前なのかな。
そうすると、"多様性"について今ほど語られる事がなかった時代、周囲の理解も今より進んでいなかったからな。
さくら(中西希亜良ちゃん)の動揺も本来なら大人(母親)がしっかりと説明し、何も問題ないと教えるべきだが、まだ、時代(日本)と人間が追いついていなかったからな。。
母親も嫌悪感丸出しで悲しくなりました
( ; ; )
(山田真歩ちゃんが中学生のお母さん役をやるようになったかぁ〜と思った)
彼女の刺した棘が悲しい変化をもたらしてしまうのだけれど、、
何故だろう。
彼女を責める気持ちにもならなかった。
タクヤ(越山敬達君:すごい名前ですね)も
荒川(池松君)も彼女を責めない。
哀しいし残酷だし残念なんだけど、、
車内の荒川と五十嵐(若葉君)の様子を目撃し、ある種の嫌悪感を抱くさくら。
自分の指導中にも関わらず、荒川がタクヤに向ける視線にも疑問を抱いていたのだろう。
ボタンの掛け違い、哀しい誤解。
さくらの、あの年代が持っている、
"特有の潔癖さ"が姿を現す。
あの言葉は残酷なのだけど、少女の動揺や嫌悪感、まだ分からない世界に触れた時の気持ちは理解してあげたかった。
3人で練習したかけがえのない時間、上達していく喜び。
それは紛れもない事実でそこに存在していた。
それだけで、尊く美しかった。
凍った湖で戯れる3人を観ているだけで泣けてきた。
どんな言葉を並べても表現出来ないような作品だし、自分の、どの感情が刺激されているのかもわからない。
この歳になっても、まだ言葉では例えられない感情があるものかと驚いた。
「PERFECT DAYS」鑑賞後に感じたような余韻が残る。
語れば語るほど遠くなりそうな作品なのだけど、誰かと感想を語り合いたくなる作品。
3人の宝物の様な時間を分けてもらった気分。
冒頭の初雪が降り始めたグラウンドに映し出されるタイトルから、もう決まっていた。
役者の演技も主題歌も全て完璧。
大きな事件も起きないしセリフも少ない。
終始静かに流れる時間。
それなのに、こんなにも心を揺さぶられるとは!
ラストの解釈も人それぞれだろう。
だけど、それで良いのだと言い切れる。
こんな表現の仕方で
"小さな恋の物語"を見せられるとは!
とても良い映画でした。
読み応えのあるレビューで堪能しました。
>米津玄師さんの"地球儀"のMV撮った人だった!!
本作もそうだが(本作は脚本も手がけている)このMVも、監督・撮影・編集まで1人でこなしている!
これは知らなかったです。もう一度MV観てみます。
ありがとうございます
さくらちゃんの言動は初めての意思表示だと思い良かったかな⁈もう少し大人になったら理解が深まることを祈りつつ🙏ワンさんは雪国でも外飼いする人もと聞いて驚いておりますw
コメントありがとうございました。
ドタキャンの負い目でさくらが将来自責の念に駆られないよう、賢くて優しいタクヤなら先手を打って「大丈夫」と言ってくれるだろうと思った次第です。
「元気?」というのも思いやりが込められていて捨てがたいですね。
こんばんは。
さくらの動揺が少なく見えるのは単に人生の経験値が低いからなのでしょう。20歳になったらこのことを痛みとともに思い出してより優しい人になってほしいと思いました。ラストは恥ずかしながら泣いてしまったのだけど,彼は何を言おうとしていたのか?「僕なら大丈夫だよ」だったら男前ですが。
共感ありがとうございます。
一人は仲々気持ちを表現出来ないし、もう一人は別を向いている、そうかなぁ? 位のお察し具合が淡いですね~男の子の方が蚊帳の外ぽいですがやはり女の子の方が大人っちゅう事で、コーチも大人の対応ですかね。
へえ、監督、MVも撮る人だったんですね。教えてくれてありがとうございます!!
言われてみれば、「映像の人」という感じは、よくわかります。「映像で語る人」と言った方がいいのかな。ともすればMVを手がけて、映画に来た人には、絵はきれいなんだけど、お話がなあ、と感じる人も少なくないと、俺は勝手に思っているのですが、この監督は前作「僕はイエス様が嫌い」に続いて、俺の心を捉えてくれました!