「父よりは話をきちんとまとめているが、突っ込みどころ満載は伝統芸のような気がする」ザ・ウォッチャーズ Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
父よりは話をきちんとまとめているが、突っ込みどころ満載は伝統芸のような気がする
2024.6.22 字幕 イオンシネマ久御山
2024年のアメリカ映画(102分、G)
原作はA・M・シャインの『The Watchers』
森の中の奇妙な小屋に迷い込んだ女性を描いたスリラー映画
監督&脚本はイシャナ・ナイト・シャマラン
原題の「The Watchers」は「観察者たち」という意味
物語の舞台は、アイルランド西方に位置するとある田舎町
そこでペットショップの店員として働いているミナ(ダコタ・ファニング、幼少期:Hannah Dargan)は、店主バーク(アンソニー・モリス)に頼まれて、インコをベルファストの顧客のところに届けるように言われた
彼女は幼少期に母親(Siobhan Hewlett)を事故で亡くしていて、双子の姉のルーシー(ダコタ・ファニング、幼少期:Emily Dargan)とは疎遠になっていた
翌日、ベルファストに向けて出発したミナは、奥深い森を突っ切ることになったが、その途中で車の故障に見舞われてしまう
助けを探しに付近を捜索すると、今度は車が消えてしまった
森には「回帰不能点」と書かれた奇妙な看板があるものの、それ以外には何もない
しばらくして、人影をみつけたミナはその人物を追う
その人物は、ある小屋に彼女を誘導し、中へと招き入れた
その人物はマデリン(オルウェン・フエレ)という老女で、小屋にはキアラ(ジョージナ・キャンベル)という若い女と、ダニエル(オリバー・フィネガン)という若い男がいた
そしてその小屋は、一面が鏡のようになっていたが、外からは中が見えるようになっていて、夜になると「ウォッチャーズ」という謎の存在が、自分たちを観察しているというのである
映画は、この小屋の存在やウォッチャーズと呼ばれる謎の存在を紐解く流れになっている
あっさりと、ウォッチャーズは人外の何かであることがわかり、小屋に関しても設立した教授(ジョン・リンチ)の存在が暴露される
そして、教授はウォッチャーズ(=妖精)の存在を研究していて、多大な犠牲のもとに、この小屋を作ったということがわかる
これ以上は完全ネタバレになるので避けるが、この「妖精」と人間の関係と歴史、そして「もうひとつの存在の意味」について暴露されるのが後半になっている
数々の疑問が浮かぶが、一応はまとまっているようには思える
とは言え、それじゃあマデリン自由やんという突っ込みが入ってしまうので、その事実自体もマデリンは知らされていなかったと解釈するしかないのかは微妙なところになっている
マデリンは自分を外に出してくれる存在を探していたことになるのだが、ぶっちゃけると自分で勝手に出られたのではないか、と思ってしまうので、このあたりを突っ込んではいけないのかな、と感じた
いずれにせよ、プロデューサーに父親が入っているためか、作風も似ている感じがした
謎の物体の正体もそっち系ですかという感じになっていて、おそらくはアイルランドの伝承などががベースになっているようも思えた
このあたりは調べこんでいけばわかると思うが、ざっくりとそんな話がありそうだよね、で終わらせても問題ないのだろう