「自分にはどうも合わなかった…」35年目のラブレター なしさんの映画レビュー(感想・評価)
自分にはどうも合わなかった…
※批判的な表現を含むレビューです。
・本題のラブレターはとてもよかったと思う。
映画館でも結構泣いている方が目立ちました。
ただ、それ一本で丸々2時間はきつかったかも。
序盤やラスト付近は良かったけども、中〜終盤はかなり飽きてしまった。
若い頃の話があるとはいえ、ほぼ夫婦二人の物語でそれ以外はモブ…。
肝心の夫婦の話も実話を元にしているからか、どうにも物語として薄味で意外性に欠ける。
これが完全なフィクションだったらもっと色々付け足せたんだろうけど…。
・二人の関係や、若い頃の苦労の掘り下げの分領に対して、勉強や学校の掘り下げがなさすぎる。
ダイジェストの勉強シーンはあったが、勉強に対する辛さ、しんどさ、楽しさのような主人公の感情があんまり伝わってこなくて残念。
LDなどの発達障害がもしあるならその辺りも描写してほしかった。(これはなければないでいいが)
また、授業中にカーテンで自分を全て覆うほど人に注目されたくない少年や不登校の少女が出てきたが、次の瞬間には主人公と仲良くなって解決していてあまりにもエピソードとして薄い。
この辺りをもっと深掘りしてほしかった。
・原田さんが若すぎて鶴瓶さんと夫婦である設定少し違和感を覚えてしまった。
元々実話のこのお話がテレビで取り上げられた時に仰天ニュースでも放送されたようで、その縁もあって鶴瓶さんが主演となったようだ。
鶴瓶さんのキャラクターが強すぎて、映画や、主人公という人間に没入しにくかった。
もちろんこう思うのは私だけかもしれないが…。
こきおろしてしまったが、総じてこの映画は悪い作品ではないと思う。
だけど自分には合わなかったな…。
ファストフードを食べに来たら、減塩オーガニックな手料理だったような感じ…。
本筋であるラブレターの描き方はよかっただけに、私としては架空でもいいから深掘りしたエピソードを入れてくれたらよかったと思う。
元になった実話があるとはいえども、映画にしている時点で創作なのだから。
主題歌も映画に沿ったものでなかなかよかった。