「説得力がある実話」35年目のラブレター いいね〜さんの映画レビュー(感想・評価)
説得力がある実話
信じられないかもしれませんが、私はこの映画を6回観させていただきましたが、6回目が一番面白かったです。本当です。
同僚から馬鹿にされる。出来ない事を詰め寄られる。負けじと主人公、保も対抗する。「俺は文字が読めないだけです。文字が読めないだけで俺はアホやない、アホやない!」と言い放つ姿は正直で潔く強い人だと思ったけど頼りなかった。同僚たちが思う『文字が読めない=アホ』の考え方は間違ってないと思う。いじめられるのは確かに心が痛んだがそう思っても仕方のないことだと思った。でも、アホはほんとうに私の方でした。そのシーンは冒頭の方で、まだ始まったばかりで、保さんがどんな人かまだまだ何も知らなかったから。文字が読めないと、どんなふうに生きるのか考えた。間違ってるかもしれないが、文字が読める人より、感情と表情に敏感なのか?と思った。体力や笑顔、本心で乗り切ってきたのかなと思った。保と生きると決めた妻、皎子は書けない、読めない保ではなく、書けない読めないをカバーするほどの、それらを忘れてしまう程のひたむきさを持つ保を見ていたのかもしれないと思った。
大好きなシーンが沢山あります。ご覧になる方にお勧めしたい場面が一つあります。それは、はじめて自分の握ったお寿司を食べてもらう場面。保さんと寿司屋の大将の緊張と焦りの表情、皎子さんの美しい素直さから出る言葉がほんとうに「その頃」を見ているような気持ちでした。皎子さんは一口食べて、なんと言ったか‥特にその言葉がこの映画の中で一番大好きかも知れません。この映画を表す言葉かもしれません。本当にありがとうございます。この話を知れて本当に幸せです。
この夫婦は この家族は、おはよう おかえり ありがとうを相手の目を見て必ず言っていた。そしてこの家族間の挨拶シーンが多かったように思う。私にとっては家族間の挨拶は、おはよー ただいまーと流して言う言葉、大事な時は丁寧に言うかもしれないが、普通の日はそんなに相手の目を見ていたかな?と思い返した。見過ごしてしまいそうになった。
