「何となく生きてきた人生に天使と転機が訪れ、生き方を変えることに繋がった少女。彼女にとってその日は、祝日と呼んでも良いのかも知れません。を」祝日 もりのいぶきさんの映画レビュー(感想・評価)
何となく生きてきた人生に天使と転機が訪れ、生き方を変えることに繋がった少女。彼女にとってその日は、祝日と呼んでも良いのかも知れません。を
何気なく作品紹介を読んでいて気になった作品です。
富山ロケとの事で、良い景色が観れるかも とも期待。
ただ、いつも観に行く映画館では上映無し…。がーん。
という訳で、4年ぶりの映画館で鑑賞してきました。
ストーリーはというと
主人公は14才の女子中学生。奈良希穂(キホちゃん)。
父親が首吊りした場面から始まりました。キャー。
職場の不正の責任をとったらしい。 尻尾切りかも…。
それを苦にしてか母親が宗教にはまる。(「波紋」みたい)
ある日、宗教関係者と共に車で出かけ、それっきり。
一人残されたキホちゃん、お金の入った封筒が郵便受けに
入っていて、そこから生活費を得て暮らしているようだ。
とは言っても口にするのはプリンと野菜ジュースだけ。
それだけを食べて、何となく生きている。 …う~ん。
中学校には通っていたようだ。
その日もプリンを食べて学校へと出かけたのだが、正門に
「本日、祝日のため休校」 との掲示。おぅ
” はぁ… ”
仕方が無い と帰りかけるが、ふと踵を返すと校舎の中へ。
向かった先は屋上。しばしフチにもたれかかった後、立ち
上がったキホ。
” もう いいや ”
足を踏み出そうとしたその時、どこからか声が聞こえた。
(明日にしようよ)
驚いて後ろに引っくり返るキホ。目の前にいたのは
白いゆったりとした服をまとった自称” 天使 ” 。
(キホの事を、ずっと見守ってきた)
この天使はそう言うのだ。鼻血を出しながら…。
すっかり” その気 ” を削がれてしまったキホ。
その日は帰ることにしたのだが、天使が後をついて来る。
帰る道々、自称天使とともに色々な人と出会う。
# お腹が空いた天使のために喫茶店に立ち寄ったり
# 自称マジシャンが紛失したトランプの札を拾ったり
# 昔踏んでしまったアリに謝り続ける女の子に出会ったり
(人間の姿になった天使は、一日しか生きられないの)
そんなことを言う自称天使に、キホは問いかける。
人間になって、やりたかった事はないのか? と。
自称天使の口から出たのは
(馬場チョップ) だった。
互いにチョップを交わして痛い仲になった二人(?)
キホは、自称天使に” 馬場さん ” と名前をつける。
馬場さんとキホの、一日は続く。
…とまあ
こんな感じに話は進みます。
大きなイベントは起きません。派手な展開もありません。
けれど鑑賞後、心に残るモノがありました。
キホの、最後の一日に起きた出来事を鑑賞後に振り返ると
登場人物ごとのイベントもキチンと収束している事に気付
きました。感心。
大作と呼ばれる作品では無いかと思いますが、佳作です。
観て良かった。 ・_・
◇あれこれ
■天使の馬場さん(考察その1)
その正体は、” 自分 ” なのでしょうか。 …はて。
飛び降りを考えた自分の元にやってきて
飛び降りを止めた次の日の自分。 …なのかなぁ。 ・_・;
次の日までの間に色々な出会いがあり、その人達からも
生きる意欲を分けてもらった。その結果、
" やはり生きたい "
という 気持ちを生み出したということかも。
だから、屋上で飛び下りを止めた時の「鼻血を出した姿」で現れた。
だから、次の日までの一日しか生きられない。
う~ん…
■天使の馬場さん(考察その2)
(馬場さんの正体がまだ気になってまして… ・_・;; )
↑で ” 馬場さんは自分?” と考えてはみたのですが…
馬場さんはジャイアント馬場の必殺技を知っている訳です。
現代の女子中学生が当然のように知っているとは思えません…。
そう考えると、やはり
” 天使 ” というのは” 守護霊 ” や ” 守護天使 ” のような存在で
護る対象が誕生したときから見守り続けていて
生きたいと思ったキホを屋上の内側に引き戻し、一緒にコケた。
だから、屋上で飛び下りを止めた時に「鼻血を出していた」。
う~ん
馬場さんの正体、奥が深いです。
■ジャイアントな馬場さん
身長30メートルは無さそうで、プロフィールには208㎝と (:
天使の馬場さんが人間になって「やりたい」と言った技は
「脳天唐竹割り」 です。 別名「馬場チョップ」。
頭のてっぺんをボコっと叩かれます。…痛そうです。
腕を水平にして、相手の胸や喉元に一撃を加える「水平打ち」
なんてのもありました。…痛そうです。
■馬場さんの白っぽい衣装
馬場さんの着ている白い服の生地がとても薄く、逆光の場面では
体のラインが分かってドキドキしながら観てしまいました。
鑑賞中、それがとても気になっていたのですが、最後まで観てその
理由が分かった気がします。
祝日なのを忘れて登校しようとした通学路にも白い袋が出てきて
飛び降りを止めた際にも白いコンビニ袋が顔に貼りついていました。
天使の馬場さんは、人間に姿を変える際にこれを衣装とした
のではないかなぁ。だからシンプルに白で半透明。 ・-・
まあ 単純に天使のイメージなのかもしれませんが:)
露出好きな天使のお姉さんでは無さそうで、ひと安心(?)。
◇最後に
富山ロケの作品との事だったので、富山らしい風景が観られるかな
と、そこにも期待をしていたのですが、残念ながら富山らしさを感じ
る場面は無かったような気がします。 ・_・;
学校の屋上から見える景色が立山連峰とかだったら、観光した気分
になれたかなぁと思うと、その点は少し残念でした。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。