「蛇のような目つき」蛇の道 山の手ロックさんの映画レビュー(感想・評価)
蛇のような目つき
黒沢清監督が、舞台をフランスに、主人公を女性に変えて、自作をリメイクしたもの。元作品を観ていないので比較できないが、心のうちが窺い知れない柴咲コウの姿と、パリの街並みが合わさって、硬質な感じでオリジナリティはある。
最初の男を倉庫でいたぶるあたりまでは、訳のわからなさもあって、面白い。しかし、追求が進むに従って、だんだんとパターンが読めて、トーンダウンしてくる。クライマックスとなるべきシーンでの緊張感のなさは、一体どうしたものか。
最後に柴咲コウが復讐を手助けした理由が明かされるが、取ってつけたような感じ。実は彼女自身がシリアルキラーだった、とかの方が面白かったような…
タイトルは、ポスターにも使われている寝袋を引きずるビジュアルから付けたわけではないだろうが、柴咲コウの蛇のような目つきは強く印象に残った。
コメントする