劇場公開日 2024年6月14日

「主演の淡々とした演技を目に焼き受け、フランス語を存分に浴びる」蛇の道 entranslopeさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5主演の淡々とした演技を目に焼き受け、フランス語を存分に浴びる

2024年6月15日
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鑑賞方法:映画館

怖い

知的

セルフリメイクということで、前作があるわけだが、それに全く触れずに映画館に足を運んだ。
柴咲コウが主演、全編フランスロケ&フランス語のセリフ、黒沢清監督、という点の要素に惹かれて。

始まりから、淡々としながら常に次の行動をリードをする歩き方からも強い意志を感じさせる日本女性俳優と、それに促されるように・挑発されるように・操られるように行動する複数のフランス男性俳優、というのが主たる構図。

手掛かりが小出しにされ、なかなか先が読めない展開。寝袋を介した拉致、尊厳を失わせるような仕打ち、不要になれば始末される、が繰り返され、見ていられないようなシーンも多いが、会話の中に次の行動につながる手がかりが出てくるので、日本語字幕と音から目と耳が離せない。

真実に行き着く終わりまでにこれだけのことをしているのに、主役が捕まることなく死ぬことのないダークヒロインの物語というべきなのか。

なお、日本男性俳優2名は豪華、短時間ながらも存在感は発揮していた。

全般的な雰囲気は退廃的ながら、受け付けないものではなかったのが、個人的には収穫。今後も近いテイストの作品にも触れていきたいと思った。

entranslope