「全体的にチラシ寿司みたいな作品」知らないカノジョ リバーさんの映画レビュー(感想・評価)
全体的にチラシ寿司みたいな作品
下の感想を色々書いて下書きのまま1日経ったら、もう1回観たい気もするなと思いはじめた、なんだか後を引くチラシ寿司でした。(まあ実際★は3.2くらい)
色々と細かな仕掛けもあるようで(1回で回収できないような本編にそこまで重要じゃない伏線を映画で入れられるのはあまり好きじゃないけど)それも気になります。
特別良くも悪くもない作品なので、なんか観たいけど重いのは嫌だしコメディという気分でもないし、ボーっと観られる映画が観たいなという人には軽く見られるし後味もすっきりって感じなので結構おススメ映画です。
***以下、 鑑賞直後の感想 ***
色々つめこんでるせいでどう見せたい作品なのか分からなかった。
パラレルワールドという設定を使っているため2つの世界の辻褄が気になりすぎてストーリーに集中できなかった。おばあちゃんの設定もよく分からないせいで夢オチか?と何度か考えた。
最初の方なんだかオシャレなフランス風の映像が出てくるけどリアリティーがなくなるので原作に寄せず横浜中華街が何度か出るならそっちの日本設定をもっと活かした方が良かったと思う。
結婚して8年のはずなのに出会った当初の大学生活がなんか古臭い・・・
80~90年代設定なのかと思ったら8年後の現在はめちゃくちゃ現代設定でした。
全体的にいらない要素が多くてもう少し引き算したほうがこの映画の本質的な良さが伝わっただろうなと思うだけにもったいない。
ミナミがリクのために夢を諦めたという設定の描き方は弱いし、新人小説家の女性に逆恨みされる設定(よくある設定だけど)が特段本筋にあまり活きてこないのでなくてもいい。
ミナミが最初リクを不審者扱いして冷たいところから距離縮まるまでが急すぎてそんな簡単にパラレルワールドの話受け入れるわけないだろう!と思ってしまったり。
ミレイさんは歌手なので演技面はどうなのかと思っていたら、そこまで難しい演技が必要ない役だったのもあるけれど初演技とは思えないくらいナチュラルだった。
(個人的にはこの役を高畑充希さんで見てみたかったという思いはある)
中島健人さんは決して演技の素地がないわけではないと思うけど、画面の端で自分がメインでない場面や1秒程度のさらっと流れる瞬間の演技は上手なのにメインのお芝居になると少し空回っていてその演技力が見られないのが残念だと思う。
前作の方が感情を爆発させる演技や鬱屈とした感情、目線の動きなどの細かなお芝居が上手かったので恐らくラブストーリーのような日常的な演技よりもミステリーやサスペンスなど非日常的でシリアスなお芝居の方が(映画では)合うのかもしれないと思う。