「原作映画よりもピュアで爽やか、気軽に楽しめる」知らないカノジョ るか吉さんの映画レビュー(感想・評価)
原作映画よりもピュアで爽やか、気軽に楽しめる
原作のフランス・ベルギー映画『ラブ・セカンド・サイト』を以前鑑賞していたので、日本で三木孝浩監督がどのようにリメイクするのか気になり鑑賞。
三木監督のフィルターを通すとこんなピュアで優しい映画になるんだなと感じた。
画家のルノワールが「人生は嫌なことで溢れているから、楽しくて美しいものだけを描きたい」みたいなことを言っていたが、三木監督にもこれと通ずるものを感じた。
原作が好きな人からすると、綺麗事すぎるとか、余白がない、蛇足だと感じる部分はあるかもしれないが、私は原作の2人が恋に落ちる納得感が感じられずモヤモヤしていたので、
本作では三木監督がリク(中島健人)とミナミ(milet)を愛おしく感じるような人物として丁寧に描いており、素直に幸せな気持ちで見られたのは良かった。
好みにもよるかと思うが、より幅広い層に気軽に楽しんでもらえる作品になっていると思う。
ストーリーの大枠は原作と同じだが、キャラクター設定やラストの展開が一部変更されており、味わいも異なるので、別物として楽しんだ方が良い。
ツッコミどころはあるものの、そこは原作に準拠している部分もあるので、その枠組みの中で綺麗にまとめられていると思う。
また、ミナミの職業を原作のピアニストからシンガーソングライターに変更したのは正解だったと思う。
日本人は音楽を聴くときに歌詞に込められた意味も含めて楽しむ人が多い気がするので、歌詞があることで二人の感情や物語がより伝わりやすく共感しやすくなっていたように思う。miletの歌が作品の盛り上がりとなっていた。
リクとミナミの大学時代や2人のシーンは、キュートで愛らしくもっと見ていたかった。
監督が80,90年代のハリウッドラブストーリーがお好きとのことで、洋画のテイストを感じられるような学校のロケ地を選んだそう。
また、リクを演じる中島健人に、大人になったのび太のように失敗はするけど愛おしいと感じるようなキャラクターでいてほしいと監督から伝えていたとのことで、原作よりも応援したいと思えるような主人公になっていた。
ただ失敗の内容が引っかかってしまう人はいるとは思う。
桐谷健太演じる友人の梶さんはみんな好きだと思う。
お茶目で懐が深くて居てくれるだけで安心するしどうか幸せになってくれ…となる。
原作映画でもこのキャラクターが一番好きだった。
ロケ地の中に私の母校も出てきたので、青春時代を思い出して甘酸っぱい気持ちになった。
フォローありがとうございます
私の方からもフォロさせて頂きました。
私、2015年くらいから、キネマ旬報、地元紙、kinenote、Yahoo検索などに映画レビューを投稿しています。現在の目標は2回目のキネマ旬報採用です。こちらのサイトには2022年2月に登録しました。
宜しくお願いします。
みかずきさん
共感、コメントありがとうございます。
三木監督が撮るヒロインは可愛いと評判は聞いていましたが、miletさんの新たな魅力も引き出されていましたね。
miletさんは元々映画もお好きだったようですが、一年前から演技の勉強をしてこの作品に挑んだそうです。
私ももっとmiletさんの俳優業も観てみたくなりました。
共感ありがとうございます
恋愛映画の名手・三木監督作品なので外れはないだろうとは思いましたが、その通りでした。
シンガーソングライターmiletさんをミナミ役に起用したのが奏功していました。美人で、眼鏡をかけると愛らしくなり、当然、本業の歌唱は流石の出来。映画初出演ということでしたが、演者としてもなかなかでした。
演者もシンガーソングライターも表現者なので、演者としてのベースはできてるなと感じる演技でした。シンガーソングライターに拘らず、演者としても活躍して欲しいです。
では、また共感作で。
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