「小学生以来ぶり」劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師 パジャマさんの映画レビュー(感想・評価)
小学生以来ぶり
小学生の頃に見ていた以来で、本当に主要なキャラしか覚えておらず、上級生は1人も名前すら言えないほど作品には詳しくないのですが、最後まで楽しく観ました。(Xで事前にこれだけ知っておけば大丈夫!のようなポストを拝見して理解が早かったのもあります)
冒頭の、彼岸花を使った血の演出が、直接的な表現を避けた子供向けアニメの演出であると同時にどこかおどろおどろしく、不穏な幕開けになっていてドキッとしました。派手に血飛沫が上がるよりもむしろ不気味。
6年生はほぼ一人前の忍者の扱いなのでしょうか?任務に臨む姿勢が、どの学年よりもしっかりと、気の緩みなく、見応えのあるアクションで描かれておりとても良かったです。変装を解いて忍び姿になるシーンが好きです。
そしてそれを遥かに凌ぐ実力を持つであろう教員を始めとした大人の忍者たち!土井先生にはのほほんとした優しいイメージを持っていたのですが、6年生との戦いで迷わず急所を狙ってくるあたり非常にゾクゾクしました。また、忍術学園の関係者が裏切りを疑うことなく記憶喪失と催眠であると推察しているのが、土井先生に対する信頼を感じて良かったです。
記憶を取り戻すシーンも、先生と生徒、特に生い立ちの似たきり丸とはより深い絆を感じました。冒頭のやりとりはここにかかってくるんですね。
コミカルなギャグシーンも随所に散りばめられており、授業で質問攻めにされるタソガレドキの人達や、急に歌い出すドクタケのシーンは笑ってしまいました。緩急の付け方がうまかったと思います。その代わりに、最後の結末が序盤の雰囲気に比べてマイルドだったかなと思います。本来このくらいの温度感が普段の作品の雰囲気なのかな?
総じて、大人から子どもたちへ、上級生から下級生たちへの思いやりや優しさを感じて、作品への信頼と興味がぐんと湧きました。6年生の出ている話だけでも観てみようかな、と思います。一際顔の怪我が酷かったのに「かすり傷です!」と漢気を見せていた保健委員の6年生が良かったです。