化け猫あんずちゃんのレビュー・感想・評価
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ちょっとダークさもある。そこがまたいい。
お寺で暮らすことになった捨て猫ちゃんがいつの間にやら人間サイズの化け猫に成長?!その名もあんずちゃん、37才。趣味はパチンコ。移動はバイク(ただし無免許)。いや、もうこれだけで面白いやん。
これ実際に役者が演じたものをアニメーションに落とし込んでゆくって手法が話題になってるけど、そこ抜きにしても普通に内容もかわいくて、ほっこりして、楽しかった。化け猫が当然のように受け入れられてる世界最高やん。ただ欲を言えば役者が演じたバージョンもフルで観てみたい気持ちはある。
人物はシンプルに描かれている反面、背景はとても緻密で風景も美しい。そして何より猫耳カチューシャであんずちゃんを演じた森山未來の振り幅の広さには毎度驚かされる。まじで何でもできるな。
わがままな”かりんちゃん”に振り回される
あんずちゃんのキャラが良い
同名コミック(未読)の原作があるが、本作の主人公かりんは映画独自のキャラクターということだ。
まずはこのオリジナルキャラがよく出来ていると感心させられた。多感な少女の苛立ちや親に対する反抗は、よくある話といえばそれまでだが、その葛藤を実に丁寧に描いてる。
かりんは小学5年生の割に現実思考な少女で、少し大人びたようなところがある。いつまで経っても自堕落な父親の影響でこういう性格になったのかもしれない。町の少年たちと比べてみてもそれは歴然で、全然子供らしさがない。それが後半にかけて、母を恋しがる年相応の少女になっていくのだ。
無理に突っ張っていた女の子が自分の弱さを認め成長していくという、その変遷が丁寧に描かれているおかげで、終盤は自然と感情移入でき思わずホロリとさせられてしまった。
監督は久野遥子。彼女は岩井俊二監督の「花とアリス殺人事件」でロトスコープアニメーションディレクターを担当したことで世に出てきた人である。本作も、画面の元となる映像を一旦実写撮影し、それをアニメーションで描き起こすロトスコープの手法がとられている。
そして、その実写映像は山下敦弘監督が撮影したということである。したがって、本作は両名の共同監督作となっている。
とはいえ、普通ロトスコープのアニメはリアルさを前面に出すものだが、本作はキャラや世界観が非常にマンガ的で、あまりロトスコープっぽさを感じさせない。アニメーションを制作したのは老舗のシンエイ動画でクオリティという点では問題ないのだが、ロトスコープならではのヌルリとした動きが見られなかったのは少し意外であった。かりんの父親と後半の東京のシーンのモブに如何にもロトスコープっぽい動きが確認できるものの、それ以外は普通のアニメという感じがした。敢えて手描きアニメらしい温もりのある映像に仕上げたかったのかもしれない。
物語は前半は淡々としているが、中盤以降は跳ねた展開で楽しく観ることが出来た。アニメーションならではのデフォルメされた表現も快調で、シュールなシチュエーションも大変魅力的である。ラストにも溜飲が下がった。
全編緩いテイストが横溢するが、時折シビアな場面もあり、幾ばくかの歯ごたえも感じられた。
特に印象に残ったのは、かりんが同級生の少年と再会するシーンである。かりんにとっては極めて大切なことも、相手の少年にとっては退屈なことでしかなかったという非情な現実。かりんの落胆が手に取るように分かり、何とも切なくさせられた。
そして、本作最大の魅力は、何と言ってもあんずのキャラクター。これに尽きる。
化け猫という、この世の者ならざる存在ながら、バイクの無免許運転でお巡りさんのお世話になったり、パチンコしたり、立ち小便したり、所構わず屁をこいたり、中身は完全にだらしのないオッサンである。見た目も中年太りのオッサンのようでパッと見は全然可愛らしくない。しかし、そんな見た目とは裏腹に、時にかりんを気遣う優しさを見せ、どこか憎めないキャラクターとなっている。
貧乏神も良いキャラをしていた。ふんどし姿の禿げたオッサンという冴えない見た目で、性格もとことん気が弱く、あんずとの掛け合いでは常に貧乏くじを引かされる。何気に物語のキーパーソンになっている。
他にも、あんずと親しいよっちゃんというオッサンも良い味を出していた。
こうしてみると、本作は冴えないオッサンてんこ盛りなオッサン映画と言えるかもしれない。
ようこそ、池照へ。
隠れた秀作、もっとたくさんの人に見てほしい
化け猫との不思議な体験
都会の小学校に通っていたあんずは借金取りに追われる父親に連れられ、祖父が住職の田舎のお寺で暮らすことに。
そこにはまるで人間のように二足歩行で歩き、スマホで電話する化け猫のあんずちゃんがいて――
バイクに乗るし、バイトもするし、酒も飲むおっさんみたいな化け猫のあんずちゃん。
人間社会に溶け込むようにごく普通に暮らしています。
かりんの周りでは他にも不思議なことが続き、
だらしない父への反抗と大好きな亡き母の面影を追い続けるあまり
とある大騒動になってしまい……
昭和に時が戻ったような何もない田舎町の日常のなかに
化け猫のあんずちゃんを初めとしてどこか人間臭い不思議な存在が多数登場して
昔のテレビなどで見たなつかしい日本の原風景を感じます。
そんなちょっと懐かしい不思議な世界を楽しみたい人に見ていただきたい映画です。
キャラクターが最高に可愛い
あんずちゃん猫又ではないのね
ややモヤっともするけど、あんずちゃんのキャラが魅力的!!
あんずちゃんは可愛いし面白くてずっと見てられるなーって感じでとても魅力的。
一方で女の子かりんちゃんの方はどうも好きになれず、寂しさ紛らわせからの行動や性格なのはわかるけど、でもなんだかなぁって感じで…
「あんずちゃん」
基本的には人型で呑気なキャラで、でもどことなく動きが猫なのがとても魅力的。
場面によっては猫の姿になるけど、それはそれでとても可愛い!
なんとも言えない表情するところとかが良かった!
「日常パートが最高」
前半はあんずちゃんの日常がメインで描かれる。一応働いてるんだ…って場面から、無免許で普通に警察のお世話なってる…!とか、ゆるい日常が最高でした!
あんずちゃんちゃんと料理とかもしてとても偉い(食材めっちゃこぼすし、イカは地面落とすけど…笑)
山の妖怪?たちとの宴会後、残りもん食べつつの後片付けの様子もなんか良かった。
あんずちゃんの日常ずっと見てたい!
「いざ!地獄へ!」
後半はかりんちゃんの母に会うために地獄へ!って話だけど、え?かりんちゃんのお母さんいるの地獄なの…?って疑問。
まぁ生きてるだけで何かしらの罪を犯しているから人はみんな地獄行きなんて事も言うから、そういうものかのかも知れないけど、良い人そうなのに地獄なのかぁ…ってのはなんだか腑に落ちなかった。
そしてその後のてんやわんやに関しては、まぁ完全にルールを破ってる現世側が悪いわけで、そりゃ死人を勝手に連れてかれちゃあね…
「原付3人乗りの高速逆走はやべぇ!」
流石に危険すぎる!!って気持ちでいっぱいで、なんかすごいヒヤヒヤした!!
「あの後どうなった」
なんやかんやあって母はまた地獄へ戻るわけだけど、閻魔様から「わかってるんだろうなぁ?」的な脅しをされるけど、どんな地獄が待ってるのかは明確にならない。
ルールを破ったとは言え戻った地獄でどんな事が待ち受けているんだろうか…
あれでいいのか…?
「貧乏神に憑かれていた人」
名前忘れちゃったけど、あのおっちゃんはあの後どうなったんだろ?また就職とかできたのかな?っていうか貧乏神ついた状態でも一応仕事決まったりしてたのなかなかすごい事なのでは??
「父の借金」
結局返済はどうやってしたんだろ?半殺し状態になってたけど、それで勘弁してもらったって事なのかな?
酷い目にはあったのかも知れないけど、なんかそれだとまた借金とかしそうだなぁ…
とにかくあんずちゃんが魅力的すぎる作品。
日常パートだけ延々と見ていたい気もする。
そして本作ロトスコープという手法で作られたということで、テイラー映像でもあったけど森山未來さん(猫耳付き)が実際に演じた動きをトレースする感じでアニメーションになっている。
森山未來さんが演じている映像自体もなかなか面白いので、なんかの機会にその映像もう少し公開されないかなー
まったり見るのにちょうど良い作品で、前半は特になんかクスッとくる面白い場面も多かった気がする。
了解まんにゃ〜くらいのゆるい感じで生きていきたいものですね。
パチンコで負けてしょげる猫がメチャ笑えます(笑)
とても不思議な映画だった。
見た人はわかると思うんだけど、ストーリーとかわかる前から、なんか雰囲気がもう不思議で。
あんずちゃんが猫のくせにしゃべって原付乗って、マッサージのバイトとかまでしてるのを、みんな違和感なく受け入れてるんだけど、それが全然気にならない。
そういうもんかなあ、と思えてきてしまうのです笑。
そんな不思議なノリで、言いたいことがあるんだかないんだかよくわからないまま話が進んで、あれよあれよという間に地獄にまで乗り込んで、現世に戻って派手にカーチェイスしたりして、結構急展開があるんですけど、終始あんずちゃんはマイペースというか、、いや結構頑張るところは頑張るんですけどね、所詮猫だからなあ、という感じなので・・・そこまで温度も上がらない。
そう、良くも悪くも猫なんです。
化け猫といっても、完全に人間みたいな責任感があるわけでもないので。
これで伝わるかどうかわかりませんが笑。
そんなほんわかした不思議な映画なんですが、では見ていて感情が動かないかというと、そんなことはなくて、なんというのでしょう、ラストには、うまく理由は説明できないんですけど、本当に胸がいっぱいになっていました。
ただただ、かりんちゃん(主人公の女の子)の幸せを願って応援したい気持ちになっていました。
そしてそれに続くエンドロール、流れてくる曲が、また素晴らしくて。
信じられないくらいこの映画にぴったりの歌なんですよね。
曲が終わって客電がつくまで、幸せな時間が続きました。
大笑いした!
おっもしろかった〜〜〜!
内容全然知らずに見に行ったけど、あんずちゃんの登場シーンからもう爆笑!隣の人も声出して笑ってたのでこちらも気にせず大笑い。終始劇場がくすくす笑って楽しい映画でした。
周りにはいい子ちゃんにしてるけど見えないところでは舌打ちしたりするかりんちゃん。うんうん、いるよね〜、こういう子。父親を名前で呼び捨てかい!と思ったけど、「自分がしっかりきなきゃ」という意識もこういうところからかな。
あんずちゃんによってちょっとずつ「大人のふり」から「年相応の子供」に戻されていく様子とかほっこりした。
後半の地獄からのストーリーはちょっと「??」なところもあったけど、キャラもの映画だからそこまで気にすることはないかな〜ということで特に評点には影響なし。
楽しい映画でした!
ほっこりしながら色々怖い夏休み猫映画
予告編でおもろそうだなって思ってほぼ前情報なしで行きました。
最初はほのぼの系なんだろうなーぐらいなテンションで観てたけど割ととんでもない映画だった。
音にちゃんと空間を感じるし、キャラの演技がいちいち細かい。シーンの描写が緻密で惹き込まれるのに、キャラデザが素っ頓狂すぎてギャップに笑っていました。(ロトスコープだって後で気づきました)
話はシンプルだし、冗長な場面もあるけど、ただのほっこり映画じゃないです。
あんずちゃんがイチイチふざけた存在すぎて面白いです。
個人的にはあんずちゃんがブチギレてたときの猫っぽさがたまらなくツボでした。
あれは猫飼いならきっと分かる。
猫アニメとしてもとても良いものです。
話が進むにつれ、しれっと怖いシーンや生々しさが見えたりして、いい夏休み映画だと思います。
また観たいなぁ。また観よう。
あんずちゃんと行く地獄巡りの夏休み
何とも脱力感たっぷりのファンタジーアニメで、最初に観た時はどうって事ない内容と思ってたら、後からジンワリくる不思議な作品でした。伊豆半島の田舎のお寺に一人預けられた女の子と、お寺に住んでいる化け猫のあんずちゃんとの一夏の物語です。まず、化け猫なのに人間社会で堂々と生きているあんずちゃんと、周囲の人間達がそれを当然のように受け止めている世界観が面白いです。スーパーカブに乗って登場するあんずちゃんの姿や無免許運転で警官に捕まった時のやり取りは爆笑でした。主人公のかりんちゃんは、性格がきつそうであんまりいい子ではないけど、あんずちゃんは、どんなに意地悪されても馬鹿にされても動じないでかりんちゃんを守るマイペースで優しいところがいいですね。あんずちゃんのキャラは、藤子不二雄と赤塚不二夫を混ぜて宮﨑駿風味を足したゆるキャラっぽく、森山未來のおっさん声の吹替は、人によって好き嫌いが分かれるかも。映像はフランス人スタッフが大勢参加しているためか、パステル調のきれいな色使いでした。役者では、森山未來の声が正直微妙だけど、最後の方では慣れてきます。
あんずちゃん可愛い。
人間臭い化け猫と貧乏神のキャラが良い
原作も何も知らない状態でしたが、たまたま時間が空いたので鑑賞しました。
思いがけず面白かったです。
昭和のグータラおっさんのような化け猫や貧乏神が愛らしく見えてきます。
複雑な環境のせいか子供ながらに人の顔色を読んで同情をひく術を身に付けている猫っかぶりの女の子にも甘やかさずあんずちゃんなりに正直に接するのですが、お互い煩わしそうな関係性がどう変わっていくかも個人的には見どころでした。
可愛いらしい絵柄のアニメですが小さい子には世界観や内容が意味不明かもしれません。
割と大人向けなのかも。
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