化け猫あんずちゃんのレビュー・感想・評価
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モヤモヤとしつつも悪くはない。続編あれば見に行くかも
ゆるい雰囲気の中にダークな一面が満載でモヤモヤしながら鑑賞を終えました。
最後にかりんちゃんはあんずちゃんに会えたんでしょうか?その前のあんずちゃんの描写が何か不意にいなくなってしまう雰囲気を感じてその次のカットが見たい!って思った所で終わってしまいました。
かりんちゃんの心の成長はなかなかイイ感じで描いていると思いますし、あんずちゃんのキャラも憎めない感じがとても良かったと思います。
暴力的な描写も多いのと何でお母さんは地獄に行ってしまったのか、お父さんはどうやってお金返済したのか、いっぱい省略しまくっててモヤモヤがいっぱい残りました。考えさせるって意味ではとても良いんですが、モヤモヤします(笑)
見て後悔はしなかったです。夏の日の思い出としては一緒に見に行った子供にも残ったんじゃないかなと思います。
続編あるかなあ??
チッと舌打ち
いましろたかし大好きな山下敦弘監督。山と海が接近した西伊豆〜南伊豆あたりのひなびた景色をバックに、千と千尋のジブリ風味やクレしんっぽさを思わせつつ、あんずちゃんや妖怪たちが大活躍というわけでもないゆるい展開と微妙な間やタメのある会話などのオフビートに、アニメと言えど山下監督らしさが全開。日仏合作だからってこともあるけど、死んだ親への未練とかカーチェイスの展開とかが共通する、この春に公開されていた仏製アニメ、リンダはチキンがたべたい!も想起した。
いましろ世界とは絵柄のまるで異なるかりんちゃんは映画オリジナルキャラだそうだが(そりゃそうだ)、バイクでの交通違反や自転車を盗まれたときのやり場のないムカつきなど、おっさんくさいあんずちゃんの無駄にリアルな日常描写に同じおっさんとして共感(笑)。
また新しいゆるさ
化け物たちと過ごした、ある夏休み、の話
実は森山未來があんずちゃんのアフレコをしたと聞いて、興味を惹かれて鑑賞。アニメーションの動きの参考に、実写の動きを最初に撮ったとのことで、何となく動きは生かされているのかも、と思った。ファンタジーと明るいトーンでお話は進むが、ひと夏を通して女の子が成長する様子はしっかりと描かれている。免許取りなさいよ、と警察官に、言われるって化け猫って何、と笑ってしまった。ちょと絵を見たときの第一印象より、もう少しお話しには深みがあり、面白かった。
まんにゃー
了解まんにゃーと言いながらバイクや自転車に
乗る化け猫のあんずちゃん。
中身はおっさん。
20年経ち、生きて、30年経って化け猫に。37歳。
仕事の取り組み方は男前。人情も仁義があるが
イカサマもするし、おならも平気で行う。
主人公のかりんの口調の悪さ。父親があれで
納得。また、周りのキャラクターとの対比が上手。
出てくる人物は個性派のキャラクター揃い。
面白く描かれている。
大人の映画でしたが、心もほっこり温まりました。
ゆる〜くてよい
「脱力系」の面白みは味わえるが、アニメーションとしての見せ場もほしかった
あんずちゃんが原付バイクに乗って登場する場面をはじめとして、妖怪達が、なんの違和感もなく日常生活の中に溶け込んでいる絵柄が、何ともシュールで味わい深い。
特に、警察が、あんずちゃんを無免許運転で取り締まる場面では、観ているこちらとの感覚のズレが絶妙で、思わず吹き出してしまった。
そんな、人を食ったような脱力系の物語も、かりんとあんずちゃんが、かりんの母親に会うために地獄へと向かうあたりから、一気にファンタジー色が強くなってくる。
ただ、地獄がまるでホテルのようで、死んだ母親が、そこで客室係として働いているという設定は面白いのだが、あまりにも地味な印象が強いので、もう少し、アニメーションならではのイマジネーションの飛躍やスペクタクルがあっても良かったのではないかと思ってしまう。
それに続く、現実世界でのカーチェイスや、仲間の妖怪達が助けに駆け付ける場面なども、まさか、こうしたアクション・シーンまで、ロトスコープの手法を用いている訳ではないだろうが、その割には、今一つ躍動感や迫力が感じられないのは、物足りないとしか言いようがない。
家庭環境に恵まれない少女が、寄り添ってくれる存在に出会って、自分の居場所を見つけるというストーリーそのものは心に沁みるだけに、ラストは、もう少しアニメーションとしての見せ場がほしかったと思う。
ところで、地獄から帰ってきたらかりんに取り憑くと言っていた貧乏神は、どうなってしまったのだろうか?
地獄の掟を破ったにもかかわらず、かりんやあんずちゃんには、何のお咎めも無かったので、貧乏神が、かりん達の分まで罪を背負って罰せられたということなのだろうか?
だとしたら、貧乏神は、実は、凄く「いい奴」だったということになるのではないだろうか?
かりんの母親が、地獄でどんなに酷い罰を受けるのかということと共に、とても気になってしまった。
夏休みの非日常風景
平成のつげ義春と云われる漫画家いましろたかし原作の『化け猫あんずちゃん』
観る前から、山下敦弘さんと久野遥子さんコンビなら作品のクオリティーは高いはずなので、ちょっと泣けるかな…なんて期待してましたが、やっぱり原作漫画通りで、泣けるというより、ホッコリとしたユルさがずっと続いているほのぼのな映画でした。
まず、音効の演出が細かくて、聴こえてくる周りの音のリアルさに驚きました。
そして私は、あんずちゃんが境内で毛づくろいをしているシーンが大好きだったのですが、森山未來さんがあんずちゃんと同じ動きで演技をして重ねてピクチャー撮影をしたそうで(ロトスコープという手法らしい)、やっぱり映像がなめらかで、アニメの動きもリアルでキレイだなぁと感動しました。
あんずちゃんも友達になる妖怪たちも、池照町の人々に周知されていて、なんとなく共存しているのが不思議だけど、とにかく羨ましいです。
どんなエピソードも、ずっと夏休みのままならいいのになぁという、ボケっ〜と出来る感覚みたいなゆるさ。
ホッコリして、とても心地良かったでした。
また映画館で観れたらいいなぁと思いました。
いただきまんにゃ!って言いたいです。
ちょっとダークさもある。そこがまたいい。
お寺で暮らすことになった捨て猫ちゃんがいつの間にやら人間サイズの化け猫に成長?!その名もあんずちゃん、37才。趣味はパチンコ。移動はバイク(ただし無免許)。いや、もうこれだけで面白いやん。
これ実際に役者が演じたものをアニメーションに落とし込んでゆくって手法が話題になってるけど、そこ抜きにしても普通に内容もかわいくて、ほっこりして、楽しかった。化け猫が当然のように受け入れられてる世界最高やん。ただ欲を言えば役者が演じたバージョンもフルで観てみたい気持ちはある。
人物はシンプルに描かれている反面、背景はとても緻密で風景も美しい。そして何より猫耳カチューシャであんずちゃんを演じた森山未來の振り幅の広さには毎度驚かされる。まじで何でもできるな。
モーションキャプチャー恐るべし!
わがままな”かりんちゃん”に振り回される
ジブリが世俗から目を逸らさなければ、こういう作品になるんだろうな、という傑作
猫耳をつけてあんずちゃんを演じた森山未來さん、最高です!
ロトスコープという手法で本作を映像化してくれたスタッフ陣最高です。
そして、『カラオケ行こ!』に続いて青春のある一瞬を見事に切り取った山下敦弘監督には脱帽です。
あらすじだけを語るならよくある作品ですが、その雰囲気や緩さ、それでいてキャラクター各人の抱えるシビアさを見事に再現した味わい深い一作。
上半期ベストの『ホールドオーバーズ』と匹敵するであろう作品として、遅まきながら劇場で拝見できたことを心から感謝します。
あんずちゃんのキャラが良い
同名コミック(未読)の原作があるが、本作の主人公かりんは映画独自のキャラクターということだ。
まずはこのオリジナルキャラがよく出来ていると感心させられた。多感な少女の苛立ちや親に対する反抗は、よくある話といえばそれまでだが、その葛藤を実に丁寧に描いてる。
かりんは小学5年生の割に現実思考な少女で、少し大人びたようなところがある。いつまで経っても自堕落な父親の影響でこういう性格になったのかもしれない。町の少年たちと比べてみてもそれは歴然で、全然子供らしさがない。それが後半にかけて、母を恋しがる年相応の少女になっていくのだ。
無理に突っ張っていた女の子が自分の弱さを認め成長していくという、その変遷が丁寧に描かれているおかげで、終盤は自然と感情移入でき思わずホロリとさせられてしまった。
監督は久野遥子。彼女は岩井俊二監督の「花とアリス殺人事件」でロトスコープアニメーションディレクターを担当したことで世に出てきた人である。本作も、画面の元となる映像を一旦実写撮影し、それをアニメーションで描き起こすロトスコープの手法がとられている。
そして、その実写映像は山下敦弘監督が撮影したということである。したがって、本作は両名の共同監督作となっている。
とはいえ、普通ロトスコープのアニメはリアルさを前面に出すものだが、本作はキャラや世界観が非常にマンガ的で、あまりロトスコープっぽさを感じさせない。アニメーションを制作したのは老舗のシンエイ動画でクオリティという点では問題ないのだが、ロトスコープならではのヌルリとした動きが見られなかったのは少し意外であった。かりんの父親と後半の東京のシーンのモブに如何にもロトスコープっぽい動きが確認できるものの、それ以外は普通のアニメという感じがした。敢えて手描きアニメらしい温もりのある映像に仕上げたかったのかもしれない。
物語は前半は淡々としているが、中盤以降は跳ねた展開で楽しく観ることが出来た。アニメーションならではのデフォルメされた表現も快調で、シュールなシチュエーションも大変魅力的である。ラストにも溜飲が下がった。
全編緩いテイストが横溢するが、時折シビアな場面もあり、幾ばくかの歯ごたえも感じられた。
特に印象に残ったのは、かりんが同級生の少年と再会するシーンである。かりんにとっては極めて大切なことも、相手の少年にとっては退屈なことでしかなかったという非情な現実。かりんの落胆が手に取るように分かり、何とも切なくさせられた。
そして、本作最大の魅力は、何と言ってもあんずのキャラクター。これに尽きる。
化け猫という、この世の者ならざる存在ながら、バイクの無免許運転でお巡りさんのお世話になったり、パチンコしたり、立ち小便したり、所構わず屁をこいたり、中身は完全にだらしのないオッサンである。見た目も中年太りのオッサンのようでパッと見は全然可愛らしくない。しかし、そんな見た目とは裏腹に、時にかりんを気遣う優しさを見せ、どこか憎めないキャラクターとなっている。
貧乏神も良いキャラをしていた。ふんどし姿の禿げたオッサンという冴えない見た目で、性格もとことん気が弱く、あんずとの掛け合いでは常に貧乏くじを引かされる。何気に物語のキーパーソンになっている。
他にも、あんずと親しいよっちゃんというオッサンも良い味を出していた。
こうしてみると、本作は冴えないオッサンてんこ盛りなオッサン映画と言えるかもしれない。
ようこそ、池照へ。
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