「ある夏のこと。 11歳の少女かりん(声・元動作:五藤希愛)は、父・...」化け猫あんずちゃん りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
ある夏のこと。 11歳の少女かりん(声・元動作:五藤希愛)は、父・...
ある夏のこと。
11歳の少女かりん(声・元動作:五藤希愛)は、父・哲也(声・元動作:青木崇高)に連れられ、哲也の実家の寺にやって来る。
哲也は借金で首が回らなくなり、実父の和尚に借金を申し込みに来たのだ。
だが、和尚は断り、哲也はかりんを置いて出て行ってしまう。
さて、その寺には、齢37歳になる老猫がいるのだが、なぜか死なずに人間大になり、言葉も話すようになっていた。
のみならず、原付二輪に乗り、按摩までする。
名は、あんず(声・元動作:森山未來)。
町の皆はあんずの存在を疑うことなく受け入れており、かりんもあんずと仲良くなっていく・・・
というところからはじまる物語。
あらすじ中に(声・元動作)と書いたが、台詞担当の俳優などが実際に動作をし、それをトレースしてアニメ化するロトスコープの手法が用いられている。
ロトスコープ=リアルな動きをリアルに表現するアニメ手法、と思っていたけれど、本作では、柔らかいタッチで、ほのぼのとしたアニメに仕上がっている。
監督は久野遥子と山下敦弘のふたりだが、ロトスコープの元の動作の演出とアフレコが山下敦弘担当で、アニメ化の担当が久野遥子と思われるが、いかがか。
さて、町の少年ふたりも巻き込み、ほのぼのとした騒動が持ち上がるのだが、後半は、死んでしまったかりんの母親・柚季(声・元動作:市川実和子)を探して地獄へ行くあたりから、やや既視感が。
既視感があってもいいんだけど、それを超えるものがなくて、ちょっと後半は残念。
ずんだらな「地獄八景亡者戯」みたいな・・・
ということでハナシ的には、大満足というとこまではいかなかったですが、ロトスコープによるアニメ表現が面白いので満足。
(同じロト手法なのに、人間と化け物では動きが違うんです)
また、精密な背景も魅力。