「爽やかな言葉が終わらせた物語」雪の花 ともに在りて Uさんさんの映画レビュー(感想・評価)
爽やかな言葉が終わらせた物語
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◉骨格は悪くなかったけれど
作品は慎ましやかで強く、清らかで大らかだったと思います。こちらまで背筋が伸びて、主人公の視線を追ってしまう。
しかし、市井の医者が担った江戸の医療革命をテーマにした作品に対して、生の気持ちとしては、遂に入っていけなかった。芳根京子の別嬪ぶりと男前ぶりが際立ったのみ。
◉ドキドキはなかった
旅路の途上で子供から子供に牛痘をうつし、100%拒絶以外有り得なかった牛痘を人々に受容させると言う、極めてドラマチックな展開であったと思います。
私利私欲には目もくれず、人々のために奔走し、しかも一つも奢らない姿を見せてくれた笠原良策と妻千穂。でも遥かなるハードルを越えられずに、途中幾度も赤裸々な姿も晒したはず…と思ってしまった。
◉結果を振りかざして
理不尽に打ちひしがれて泣き喚いたら、それが真実などと言うつもりはない。ところが夫も妻も故事成句を、幾度も爽やかに呟いた。
そのような言葉は的確であるし、心中の支えにもなると思いますが、二人は腹が座り過ぎていて冷たい。
史実としての成果有りきで筋書きが回り過ぎている感が強くて、ドキドキが生まれなかったのだと思います。
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