「内容が優等生過ぎて極度に詰まらない、映画としての面白みは及第点。」雪の花 ともに在りて The silk skyさんの映画レビュー(感想・評価)
内容が優等生過ぎて極度に詰まらない、映画としての面白みは及第点。
最近注目している木下Gさん+松竹さんですね。
早くからトレ-ラ見てましたのでかなりこの作品は期待はしておりました。
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江戸時代末期、全国各地で大流行した疱瘡(天然痘)に対して正面から挑んだ福井の町医者・笠原良策の信念を描いた実話。
京都⇒福井への猛吹雪の中 峠越え強行を図り、海外から輸入した 疱瘡に二度とかからなくする種痘(ワクチン)を運び人々の命を救う死闘展開なのだが。
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お涙頂戴の超感動作になると思っていましたが、
フタを開けたら 場内はガラガラ。宣伝が伝わってない?
若い人は興味無しなのか、老人ばかりなのか。
どうも感触悪し・・・。
映画見終えて 確かにこれでは人は来なさそうですな。
そう感じましたよ。
話展開、脚本が 功績流れそのまんまの描写で。
もっと 脚色入れて変化をですね。直球過ぎる展開ですな。
どこかに伏線を、そして感動域を作らなきゃ。
なんと言うか例えると、旬の脂のったサンマを両側しちりんで焼いたのに
焼き跡も焦げ目も脂も取って皿にのせて殿様に出したような、
そんな感触になってますね。しかも醤油なしで。
つまりはネタは良いのに不味いって事ですよ。そう素直に感じます。
出だしの村人の疱瘡発症症状、隔離、そして死別。
ココだけでも時間を割いて見せるべきで さらりと流してしまってるのが
惜しい点。掴みが弱く感じました。
あと、引き画が多いです。全体的な自然調和は上手く映ってるんですが
寄りが少な目で誰が何を、この点が見えづらく感じました。
この作品の撮影を担当された方が最近お亡くなりになられたそうで、
そう言う話を聞くと 撮った当時何か感じることが有ったのかなとは思います。
兎に角流れが全体的に速くって
感動が追いつかない作りに感じましたね。
アクが感じられ無くて、そこなんですよ。
都合良く話が進んでしまっていて、本人は長崎には行かないわ、望みの種痘はかさぶただけど既に手配されて手に入るわ、必死に書いた嘆願書。これだけは殿様に届く様に~なんですが、最終中根雪江(役:益岡徹さん)の根回しで上手く取り計らいが出来ているわで。笠原良策の苦労が どうもなぁって伝わり方に感じますね。
(感じたところ)
・笠原良策(役:松坂桃李さん)と奥方 千穂(役:芳根京子さん)の夫婦関係は良い感じに思えました。
夫の留守中に家を守ったり、ワクチン接種の場所や子供集めに奔走している姿(内助の功)は良かったと思います。
・猛吹雪の中の峠越え大作戦ですね。辛うじて一番良かったのは。
先に数人男手を先に行かせて、母子が後から行って万が一遭難しかかったら戻ってきて手助けしてくれ~ ここの思考作戦が功を奏して上手くいった事が良かった場面ですね。
中々あの猛吹雪の雪山の中 撮影は困難極まり無いなと感じましたわ。
よく頑張ったなと思います。
・当時、ワクチンは鮮度が重要で、次々に子供達に摂取して行かねば成らないと言う事。それをしながら種痘(ワクチン)を運ぶっていう思考と、藩主、殿に如何にしてこの病とワクチン接種と そして人々の命を救う重要さを説いたって事が偉業なんだと思います。
・最初 初めて輸入された種痘を子供6人に入れてみるがどれも失敗。最後の欠片七つ目を我が子の腕へ入れる・・・。
翌日 白い腕に一つの赤い斑点が、それはまるで雪の中に咲く赤い花のよう。
上手くいった瞬間であった。ここの想いは上手く伝わったと思います。
中々難しい内容かもですが
興味ある方は 劇場へ!