「個人的には今ひとつハマらなかった」愛に乱暴 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
個人的には今ひとつハマらなかった
江口のりこ主演ということと、吉田修一原作という理由で鑑賞することに決めた本作(原作は未読)。予告編は観ていたがどんな話なのか予備情報を入れないまま観ることになった。
中盤くらいまでは主人公・桃子の日常を淡々と描かれる。幸せそうに見えながら、何か不穏な空気を醸し出す毎日。小泉孝太郎の演じる夫が、物わかりよさそうでいながら、桃子の話を全く聞いていない。穏やかな雰囲気なのに心が通っていない夫婦の関係がよく出ていた。妻・桃子の一方通行のコミュニケーション。隣の母屋に暮らす桃子の義母との関係も微妙なものを感じる演出だった。
それがあることをきっかけに、徐々に真実が明らかになっていく流れはなかなか面白かった。なるほど、ここがミスリードになるのかなんて軽い驚きもあったりして。ここらへんはたぶん原作がそうなんだろう。吉田修一さすがだな(あくまで想像だけど)。
ただ、全体としてはよくわからない映画だった。ものすごく悪いやつがいるわけでもなく、皆が善良なわけでもなくそれぞれちょっとずつ悪いことしてる。最後も小説であればもう少し心情が描かれて理解できたかもしれないが、映像だけで見たときには観る側に委ねられすぎていて釈然としなかった。
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