劇場公開日 2024年8月30日

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「微妙...だな」愛に乱暴 TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0微妙...だな

2024年9月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

諸々の理由で鑑賞を迷っていた本作ですが、公開後の評価は高めのよう。吉田修一原作ですし、久しぶりに新宿遠征しようと決意してサービスデイの8時20分の回へ参戦です。夏休みも終わり、新宿ピカデリーの客入りは少し寂しめ。
と言うことで、出足から煮え切らない書き出しですが、観終わった正直な感想は「微妙...だな」。。
キャラクター演出とそれに応えて素晴らしい演技の俳優たちは申し分ない。話も大筋として響いてくるものがあり、未読ながら原作の力強さは感じる。上映時間も105分とコンパクトにまとまっていて、ちゃんとキラーフレーズなども散りばめられているのに、残念ながら全体的に切れが感じられない。桃子(江口)の謎めいた言動、或いは事が進むにつれて奇怪とも思えるアレコレを小出しに伏線回収を繰り返した構成は、前半こそ面白みを感じるもののあとは「インフレ」なだけ。中盤以降は直球勝負でもっと「救いのない感じ」なら飽きずに観られたかな、と思うのですが、そうなると原作と乖離するのかしら?終わり方もフンワリで、観終わった後の「その後」への想像欲が削がれます。
江口のりこさん。最近はすっかり売れっ子で主演作も続いていますが、元々はバイプレーヤーとして多くの作品に出演し、癖のある演技でしっかり印象に残る役者。本作の桃子役は特にヤバさが際立っています。そして彼女が演じることで「自分の近くにもいそう」と感じさせるリアル味で怖さを感じて最高です。
そしてその桃子に対し、誠実さを1㎜も感じない男性二人が個人的にお気に入り。
まずは夫・真守役の小泉孝太郎さん。歳をとって汚れ役も違和感なくお上手。妻・桃子との噛み合わなくなった者同士による居た堪れなさと遣り過ごし方が細かい演技で面白いのですが、終盤にいよいよ逃げ場のなくなった真守が言い放つ言葉「桃子と一緒にいても・・・」に思わず「解るわぁ」と共感してしまいますw
そしてもう一人、桃子の元上司・鰐淵役の斉藤陽一郎さんについては、もはや出てくるだけで笑えます。わざわざ自分に会いに来くる必死な桃子に対し、あからさまに適当な「応答」で遣り過ごそうとする鰐淵。「俺が人事に言えば・・・」っていい加減すぎて苦笑。何なら、ちょっとやり過ぎに見えるからこその伝わってくる「露骨さ」が感じられます。ちゃんとお土産は忘れないところも素敵ですw

TWDera
TWDeraさんのコメント
2024年9月4日

トミーさん、ありがとうございます。
なるほど。でも実は私、予告も観ないでの鑑賞でした。
元々、この監督をまだ信頼できていないのが劇場鑑賞を迷った理由でして。
と言うことで、次回は要注意のつもりです。

TWDera
トミーさんのコメント
2024年9月4日

予告篇とかでチェーンソーに注目が集まり過ぎたのも失敗だったような気がします。

トミー