カミノフデ 怪獣たちのいる島のレビュー・感想・評価
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日本の伝統芸能たる「特撮」の技術を絶やしてはならない
3DCGを使わずに、着ぐるみと操演によって作り出された「怪獣映画」が、存分に楽しめる。
ただ、序盤の「島」のパートでは、ヤマタノオロチ以外のクリーチャーの造形や、山賊のキャラクターがお粗末だし、ヤマタノオロチに酒を飲ませて眠らせたり、薬草を探し出したりする展開があまりにも雑過ぎて、「大丈夫か?」と不安になってしまう。
予算の都合もあるのだろうが、もう少し、異世界ファンタジーとしてのワクワク感が欲しかったと思う。
その一方で、現実世界に戻ってきてからの、ヤマタノオロチと自衛隊との市街地での戦いは、ミニチュアワークと爆発を駆使した「特撮」が堪能できて、見応えがある。
欲を言えば、M4シャーマン戦車だけでなく、F−86セイバー戦闘機も出てきたならば、より一層ワクワクできたのだが・・・
ラストは、地下空間での、大魔神風の巨大ヒーローとヤマタノオロチの決戦となるのだが、肝心の戦いが、火を吐こうとしていたオロチの口を塞ぐだけで、後は剣の一太刀で決着がついてしまうのは、物足りないとしか言いようがない。
ここは、もう少し「怪獣プロレス」としての見せ場があってもよかったのではないだろうか?
いずれにしても、「特撮」は、もはや、日本の伝統芸能とも言えるので、こうした形で その技術を継承していくことは、とても大切なことであるに違いない。
できることならば、次のゴジラは、樋口真嗣氏に、是非とも「着ぐるみ」で作ってもらいたいと思えるのである。
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