「気恥ずかしいほどの熱い特撮愛」カミノフデ 怪獣たちのいる島 高森 郁哉さんの映画レビュー(感想・評価)
気恥ずかしいほどの熱い特撮愛
これは往年の特撮を愛してやまない作り手たちによる、自らの存在証明のような熱い一本。着ぐるみ怪獣、ミニチュアの街並みの破壊と爆発炎上、丸わかりな背景合成など、昭和の頃の映画やドラマを再現したかのような映像ルックにノスタルジーを覚える人も多かろう。“怪獣造形界のレジェンド”、88歳の村瀬継蔵による初総監督作品だそうで、少々野暮ったい演出、役者たちのわざとらしい演技さえ、特撮ファンならレトロな味わいとして愛でるのかもしれない。
キングギドラ風のヤマタノオロチ、大魔神っぽい怪魔神を登場させたのだから、せっかくなら“ゴジラ風”や“ガメラ風”のモンスターも出して対決させてほしかった。CGベースのリアルな視覚効果に見慣れた観客には、作り物っぽさが逆に新鮮に映るかもしれないし、熱すぎる特撮愛に気恥ずかしくなるかも。
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