先生の白い嘘のレビュー・感想・評価
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奈緒の幸薄そうな役柄が印象的
いやー、この映画は評価がすごく難しいです。
内容的にはドロドロ文学的官能映画?なんでしょうが、とにかく早藤がクズすぎますね。
男は強くて女は弱いという考え方も今となってはちょっと古いかな。
自分は男なんで女性の考え方は良く分からないのですが、いやだったら自分から誰かに助けを求めたり、逃げることもできるはず。でも結局は早藤を受け入れてしまうのは正直良く分からないです。
もしかしたら生徒との肉体関係もあるのかな?と結構期待していたのですが、さすがにそれはなかったみたいです。
本作品の俳優さんは演じるのが相当キツかっただろうな。
自分からお茶を入れておいて、「本当に飲むんですか?」のセリフのところは思わず吹いてしまいました。
怖かった、軽い気持ちで見に行かない方がいい
原作ファンですが、短い時間の中でうまくまとまっていたと思います。
俳優の方々の演技が原作のイメージそのままで違和感がなかったです。特に風間俊介さん演じる早藤は目がほら穴のように暗くて自身の持った闇でみすず先生を飲み込もうとしている感じが本当に怖かったです。
演技がリアルなぶん、トラウマがある方はフラッシュバックしやすそうで気を付けた方がいいと思います。特にトラウマがない私でも見終わった後ときどき思い出して気分が悪くなっています。軽々しく見に行っていい映画ではないです。
残念だったのはみすず先生と新妻くんの恋愛模様をもう少し丁寧に描いてほしかったことと三郷佳奈があまり出てこなかったことですが、2時間しかないのですから仕方ないのかなと思います。
そしてネットで炎上していたインティマシー・コーディネーターの件ですが、やっぱり必要だったんじゃないかと実際に見て思いました。この作品に出てくる性行為は暴力としてのもので通常とは異なりますし、丁寧に撮影を進めないと奈緒さんも風間俊介さんもトラウマになりかねないと感じました。
何を伝えたかったのでしょう?
自分が、この映画で言う、存在自体が悪の「男」だからわからないのかも知れないですが、何を伝えたかったのか? よくわからないまま、観終わってしましました。
知人に暴力を振るわれて泣き寝入りすることはあるでしょう。自分が弱い立場だったからと思うことも、恐怖もあると思いますが、暴力を振るった相手が、友達の彼氏って・・・ それ、友達に言うこともなく、ズルズルと関係を続けてしまったら、ダメですよ。まして、そのまま友達が婚約しちゃって、子供まで出来て・・・
悪いのはもちろん、DV男だけど、言えなかったために、友達も、生まれてきた子供も不幸にしてしまったことについては、どうなの? さらっと流しちゃっていいの?
ついでに言うと、その友達も、友達のご両親も、DV男のどこが良くて結婚することになったのか、認めたのか、全然わからない。職場ではすごく優秀だったのでしょうか? 社名入りの車で、堂々と、さぼってるのに?
もう一つ、事情はどうであれ、生徒を巻き込んではいけません。さらに、その生徒と話して、勇気をもらって、一人で、DV男に対決を挑むって・・・ 無茶です。話が通じない相手でも、自分が言いたいことを一方的に言えば、勇気を出しきった自分に満足っていうこと?
繰り返しますが、悪いのはすべてDV男ですが、主人公の、その強引な行動の結果として、友達はさらに不幸になりました。それについては、どうなの? モヤモヤだけが残りました。その友達の態度にもモヤモヤですし・・・
最後に、風間俊介さんのDV男は、どこまでクズっぷりが出ていて良かったです。
幼稚な傲慢男の哀れな行く末
「男なんて」「女なんて」という前に
愛を暴力にしない方法
得体のしれないモノに向き合う話
原作未読で、復讐系サスペンスかなと思いながら比較的軽い気持ちで鑑賞したのだが…
久しぶりに風間君の悪役が見れるぞー、なんてウキウキしていた自分を殴りたい。
重いよ、めちゃくちゃ重いテーマと内容だよ(泣)
風間君や奈緒さん他、俳優陣の演技凄かった、表現力や言葉にできない感情の表し方、目をそむけたくなるほどのシーンも目が離せない怪演でしたね。
登場人物の感情や考え方、生き方が自分にはあまり無くて、いかに平和で安全に生きてこれたのか痛感した。
性被害の事件は記事やニュースで目にすることはあったけれど、自分は事件の内容しか捉えずにいたんだな。被害者が告発する勇気や加害者の卑劣さはある程度想像できるけれど、「暴力の裏側にある愛」「愛の裏側にある暴力」まではなかなか考えが至らなかった。考えを改めねば。
しっかしまぁ「愛は素晴らしい愛は最強!」なんて映画や物語で語りつくされたと思っていたけれどこんな形で愛の力を表現するとは…。
作者さんの発想力と熱量に感服です。
報復の手段としての「許し」に関しても、自分は今までピンときてなかったんだけれど、本作で「許し」がいかに相手にダメージを与えるかやっと理解できた。
「許し」が通じない無敵の人もいるかもだけれど…
感情揺さぶられぱっなしの2時間でした。
この作品は批判や賛同、それこそ立場によって色んな見方や意見が有ると思う。
怒りや憎しみ、希望や絶望、その先にある愛について「自分」が感じ考える事、愛に向き合う映画なのではないだろうか。
許すのか許さないのか、争うのか手を取り合うのか、答えを探しながら得体のしれないモノと生きるしかない。
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劇中セリフより
「先生、これは暴力ですか?」
傷つける事も癒す事もできる「愛」とは生命が獲得した最強の感情なのかも知れない。
「愛」って渡すのも受け取るのも怖いね。
「取扱注意」「天地無用」「割れ物注意」「水濡注意」ステッカーが貼れればいいのに。
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