先生の白い嘘のレビュー・感想・評価
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黒と白はオセロのように表裏一体
主人公が冒頭、二つに割った割り箸を喩えに
人間の不平等について語るシーンがある。
必ずどちらかの取り分が多いと
(彼女は)感じており、
その最たるものが男女の差だと言う。
勿論、男性が多く女性は少ないとの
「性の不平等」や「性の格差」の問題に繋げるのだが、
こと本作に於いては
限りなく個人の問題に収斂するように感じられて仕方がない。
そういう彼女は教職に就き、
日々教壇から年下の生徒たちに教える立場にある。
観方を変えれば不平等。
が、果たして映画版の『美鈴(奈緒)』は
そのことに気づいているだろうか
(おっと、自分が小~中~高と、
教師に対してほぼほぼ良い記憶がないものだから、
つい辛辣な書きようになってしまった・・・・)。
とりわけ『美鈴』が男女の差を意識するのは、
親友の婚約者から暴行を受け、
脅されることで今でもその関係が続いているから。
そのくせ、教え子の『新妻(猪狩蒼弥)』が
人妻に無理やり童貞を奪われた告白をした時には、
下心の有無や体力差を例に挙げ糾弾する。
彼の体験は自身の体験と鏡像なのを
思い至りもせず。
『美鈴』を暴行した『早藤(風間俊介)』は
殺人こそ犯さぬものの、
シリアルキラーに近い性格付け。
怯える女性でなければ
行為ができぬとの犯罪者もどきの性癖。
これが最後まで首尾一貫していれば納得感があるものの、
突然の弱々しい変容には納得が行かぬ。
彼の婚約者『美奈子(三吉彩花)』にしても
『早藤』の性癖や親友との関係に薄々勘付いていながら、
婚約を解消しようとはしない。
まるでDVに遭う人がこぞって言いつのる
「彼(彼女)は自分が居ないと駄目だから」と今にも口にしそう。
ことほど左様に、主だった登場人物のほぼほぼに
共感できる要素が皆無との造形。
とりわけ『美鈴』は、時として『早藤』との関係を
カラダが受け入れてしまったり、
精神科にかかりながらも自分が精神分析まがいを施したり、
あまつさえ聖母もどきのシーンでは
観ていてかなりひいてしまった。
作中唯一ブレが無いのは
主人公が最初に厳しく当たった『新妻』だけなのは
なんとも皮肉。
黒い嘘は誰かを傷つける、偽りと知りながらつく嘘。
白い嘘はその逆で、誰かを傷つけないようにつく嘘。
これが世間の理らしい。
では『美鈴』が『美奈子』や『新妻』についたのは、
果たして「白い嘘」なのか?
これな🤣
メチャクチャ良作やんけ🥳
監督のあの発言があるかないかで、女性の目線に寄り添った発言ができるかできないかで、レビューが2点台にもなれば4点近くにも化けた作品だと思うのでメチャクチャもったいないです😓
奈緒さん、風間俊介さん、三吉彩花さんの熱演に長友佑都のブラボー(人によっては引いちゃうブラボーって意味)です😅
肉体と精神、限界突破
美鈴(奈緒)は高校の教師。生徒の新妻が問題をおこし美鈴に精神と肉体の矛盾の話をするとおとなしめな美鈴が男を敵対視する態度で強い言葉を新妻に放つ。冒頭のシーンにおいて美鈴がなにか問題をはらんでいると見る者に感じさせる。
六年前にさかのぼる。美鈴は親友の美奈子の引越しの手伝いをしていたとき美奈子の彼氏、早藤に犯されてしまう。美鈴は男の力に屈してしまった。早藤への嫌悪感が男を敵対視する美鈴の心の底にあることが明らかにされる。しかし美鈴が最も許せないのは自分自身だ。
美鈴は新妻を精神では嫌悪しているが肉体、情欲は求めてしまう。人間の理性だけでは対処できない矛盾性が浮かびあがる。美鈴は嫌悪する早藤と六年にわたり関係を続ける。そして自分自身がコントロールできないことから自分が嫌いということを隠すために男を敵対視する。かなりきわどい性描写があるが、矛盾の狭間に揺れる奈緒の演技は素晴らしい。
美鈴の精神を平穏にしてくれたのは新妻だった。新妻の精神は先生を守りたいの一心だ。この新妻の真心が美鈴の精神に平衡を取り戻していく。この先生と生徒という関係、年の差があるのに二人のふわっと優しい空気感が心地よく演出されている。
新妻との関係から美鈴は変わる。今まで言いなりであった早藤に反抗するのだ。この反抗は自分との闘いであり早藤との闘いでもあった。それは美鈴が自分が決めていた限界を突破することだった。新妻も先生を苦しめている早藤に会いに行く。彼なりに自分がまだ子供という限界を突破した行動だ。
限界突破した美鈴、奈緒の演技は壮絶だった。何も恐れない、怖がらない、自分の主張をはっきりと早藤に言い放つ。精神が穏やかになる愛こそが自分が決めた限界を解き放つのだ。この美鈴の限界突破を発端に美奈子も早藤も激変する。身籠の美奈子の激烈な早藤への態度と言葉、それを聞き茫然とする早藤の姿、そして彼が弱々しく発する言葉が二人の限界突破であった。現状から跳躍する安達奈緒子の緻密さと力のこもった脚本、役者の本質をさらけだし限界を突き抜けさせた三木康一朗の演出は秀逸であった。
演者に脱帽
映画は観たいものを選んで観たら良いし
感想は老若男女と違うのも当たり前だから
その中で、難題を映画化されそれを懸命に
演じた奈緒さんを筆頭に演者に脱帽だった
観て良かった。
人の痛みを考えて行動をする、そんな人でありたいと私も思いました。
作品以外の不協和音が低評価の原因か?
題材としては人間ドラマとしては面白いと思う
当然人として肯定はできないが、映画だからこそこういうドロドロは許される
ただ、性被害で苦しんでいる人は見ない方がいい
風間俊介さんは朝の顔でもあり爽やかなイメージを持たれがちだが、今回の役こそが彼の地だと思うくらい適役
超満員の座席で注目は高かったのに、公開前の悪いイメージやそれに輪をかける舞台挨拶
明らかに監督と主演女優とのコミュニケーションエラーを感じる
それを裏付けるような遠慮がちな作品での描写
本当に勿体ない気がした
単純に映画として面白い、奈緒さん最高
いろいろニュースになっていますが、単純に映画として面白いです。
胸糞悪いキャラも多く、特に前半は、もしかして全員嫌いかも。とも思いました。
白、、、黒、、、赤、、、ちょっと直視が厳しい表現もありますね。
コトリンゴの優しい音楽が、絶妙。優しい音楽と病みストーリーのギャップが怖い。スイカに塩みたいな。
奈緒さんもとても良かった。弱さと強さと気持ち悪さ(俳優として褒めています)。
女性の弱さと強さのストーリーなので、ニュースで問題になっているような、インティマシーコーデネーター?を入れなかったことは問題視されるのも分かりますしら奈緒さんが問題だと思えば公開を中止しても良いレベルかも知れません。原作者もその権利があるような気もします。
ただ、奈緒さんが(本当に)そう思っていないのであれば、それを理由に映画作品が低評価になるのは、やっぱり違うと思います。
映画のメインテーマが、女性の権利?差別?なので、より一層気を使う必要があったはずですが。
ちなみに、性表現の部分では、私の価値観ではまったく問題ないと思いますね。監督から見れば、これなら問題なし!と思ったのかもしれませんが、そういう事でもないですよね。
それでも、差別!問題!も声を上げることも、逆に問題になることもあるのだと思います。
女優、奈緒さんが望んでいるのは、恐らくできるだけ多くの人に見て欲しいってことじゃないですかね?
同時に、そもそもプロモーションのために、ニュースになっているのかな?とも勘ぐってしまった。
公開映画館が少ないので、観るか迷っていましたが、ニュースがあったので観たのも事実。
映画としてはとても良かったです。
良かった
原作のストーリーを尊重しつつ、よりリアリティのある言葉運び、会話の順番と場面転換になっていた。映画サイズによくまとまってる。
脚本がとても秀逸なのだと思う。
監督が大ヤラカシしたけど、脚本、音楽、役者、映像など全体的にクオリティが高いと思ったので、監督が"わかってない"だけなのかな、と。
放映前に悪評大拡散で、見ないで批判されるのも仕方ないところはあるけど、役者と監督以外の制作陣が不憫だなと思う。多くの人が誠意と熱意を持って向き合ったのだろうなと思える出来だから。
色んな意味で話題作ですが
良かったですよ。
女なら感じた事あるんじゃないかな。
女に生まれた辛さ。生きにくさ。どうしようもなさ。
力でねじ伏せられて、抗うことも諦めてしまう。
何で?逃げればいい。って思う人もいるんだろうけど、できない人もいる。
奈緒の演技は本当に素晴らしかったですよ。
早藤くんもクソでしたね。傷を抱えていようがクソはクソです。
こんな形で話題になってしまって、勿体無い。
ちゃんと俳優やスタッフを大事にすることも監督の仕事ですよね。
最後の方の学校の先生たちとのシーン。今回の騒動の奈緒と重なってしまったな。
おそらく濡れ場を期待して見に来たような、派手な若者男性たちが終わるとすぐに出て行ったのが印象的。
女が男のせいで苦しめられてるの見て、耳が痛くなってしまったんだろうな。
原先生には幸せになって欲しい。
認識…
インティマシーコーディネーターの件で観ないつもりだったが、主演の奈緒の前向きとも取れるコメントを受けて観ることに。
結果…
1. この内容で(激しく陵辱される奈緒だけでなく三吉彩花や生徒役の田辺桃子にもインティマシーシーンあり)出演者にコーディネーターを付けることを要求されてそれを断るというのは大変な認識不足であり、それだけでもこの作品を手掛けるに相応しくないスタッフだったのでは?というのが第一印象。監督の過去作もこうした作品に相応しいフィルモグラフィとは思えない。
2. そういう認識のスタッフが手掛けたせいか、シーンのショッキングさの割にどういう視点で描いているのか意図が伝わってこない。ただスキャンダラスな描き方をしたいようにしか見えなかった。奈緒の取り組みには本気を感じたが、それがドラマのドライブ感にどのように活きているかはちょっと疑問…
3. そもそも原作者も女性であり、これほど女性の女性たる屈託を描いている作品を男性監督がディレクションしていること自体が疑問。それが上記のような違和感の源ではないかと思った。
4. いっぽうで、役者陣とくに奈緒の取り組みには驚くべきものがあった。が、三吉彩花と風間俊介の組み合わせは身長差もあり、劇中のような関係性を見せる構図としては少し違和感を感じた。(原作でも美奈子の方が高身長なのかもしれないが…)
観て良かった
俳優さんたちの心のきびが、響いて来て
最後泣いてしまいました
人には、途中で引き返せない事があり、それでも立ち向かう人々の姿に勇気をもらいました
世の中には、色々な思いで生きている方がいる事、改めて感じました、制作に関わった全ての皆さんに、感謝致します
平均⭐︎よりはいい
自分の生きてる世界では非現実なストーリーだが、実際にはある悲惨な現実なんだろうと思うと恐ろしい
風間俊介はこういう裏のある顔の役ではかなり地位を固めてきたと思う
全然予備情報入れずに奈緒だからって観たのでビックリ映画でした
こんなやつおらへんやろう…みたいな…
原作漫画を見てないのでその比較はできません
役者は頑張っていたと思いますがキャストはこれで良かったのか?
原作者が女性ということもあり女性目線のようです。
私は共感することは無かったかな…
仕方がないね…とも思わなかった…
何を伝えたいのか色々考えながら観てました…
カメラワークが最高で見飽きない感じです
気になる方は観てください
共感できない人たち
高校教師の美鈴は、男女の不平等さを感じ、男性不信の生活を送っていた。そんなある日、親友の美奈子から、早藤雅巳と婚約したと言われた。早藤は美奈子の引越しを手伝っていた美鈴を美奈子を不在にしてレ○プし、男より力のない女は不平等だと美鈴が思うようになった張本人だった。美鈴は早藤を嫌いながらも、彼から呼び出されると応じてしまい、性への欲望や快楽を感じてしまうのだった。そんなある日、担当クラスの男子生徒・新妻祐希が人妻とホテルから出てくるところを目撃され、美鈴は担任として彼の事情聴取を他の先生から押し付けられた。すると、彼から人妻とホテルに行ったのは事実だと言われ、性の悩みを打ち明けられ、建前で話していた美鈴だが、思わず本音を漏らしてしまった。新妻は自分に対して本音をさらけ出してくれた美鈴にひかれていき、美鈴が困っている男に憎しみを抱き・・・さてどうなる、という話。
鑑賞前からインティマシー・コーディネーターを拒否した監督作品、という話が流れていて、奈緒が不満に感じたのは何だったんだろうという興味を持っての鑑賞となった。
早藤も美奈子も美鈴も行動に全く共感できず、強いてあげれば新妻くんは純粋で良かったと思ったくらい。
これは何を観客に観せようとしたのかよくわからなかった。
美鈴のセッ○スシーンもブラ付けて胸も揉まれずの中途半端でイマイチだった。この程度でインティマシー・コーディネーターうんぬんとは・・・どんなセッ○スシーンなら奈緒は満足だったのだろう?もっと違う観点を問題視したのかもしれないが、性描写としては中途半端としか思えなかった。
美鈴役を奈緒が頑張ってたのはわかるが、胸揉まれてた美奈子役の三吉彩花の方が性描写においては上だったと思う。
何といっても早藤役の風間俊介は暴力的で、気持ち悪いくらいの好演だった。
男子生徒の新妻役の猪狩蒼弥は真剣な高校生という感じで良かった。
この監督の作品は二度と見ない
原作をバカにしてる。理解できてないわけないでしょ。それをこんな作品に仕上げて多くの人を巻き込んで自己満足に浸る作品。作ることを止めることはできないけど、もう見ることはない。全ての関係者に謝りなよ。
奈緒さんの覚悟を受け取りました。
風間くんの事が本当に嫌いになりそうだった。
眉間のしわが寄るのを戻しながら鑑賞。
自分の過去を振り返り、だれかを傷つけたのかも自分を傷つけたのかもと心がぎーっとなる。
美奈子ほど美しく実家も裕福であればなにも早藤にこだわる事無かろうと頭の中が??に。
男女のシーンでまずブラを外すのでは?ととても気になった。正面から見せなくていいので外しているていが欲しいと思ってしまった。どうなんでしょう?
とはいえ俳優の皆さんがすばらしかった。
結論は本当に観て良かった。
何やってるんですか、三吉さん!最優先は救急車でしょ!
この作品をぶち壊してしまった最大の要因は風間俊介さん演じるゲス野郎。
原作が元々そうなのか、脚本がいただけないのか。もちろん今のご時世であってもこのタイプの男は絶滅してないし、どこかにはいると思います。
でも、この映画のテーマである男女間の性の格差(体力差による暴力的支配、男性側の抜き難い優生意識などあらゆる差別を含む)という重く普遍的な問題を語る際の対象サンプルとしてはあまりにもお粗末なステレオタイプなため、不運な個別事例としてはありうるけれど、普遍性を語る素材としては相応しくない。
だから鑑賞してる間、我が身にも起こり得ることかもしれない、という切迫した共感性が(たぶん男女を問わず)生まれない。
(不幸にも似たようなタイプの男と出会い、性的な快楽が理性を上回ってしまった経験のある方がいらしたらごめんなさい。それでも一般的によくある事例だとは思えないのです)
我々の生きるこの世界が、それほど立派に成熟しているとは思っていないけれども、この手のクソな男を勝手気ままにのさばらせておくほどダメな社会でもないと思ってます。
このクソ男が、仮に仕事上の営業成績が良かったのだとしても、すべての人間関係において信頼される筈がないから(婚約者だってそうと見抜いていたわけだし)親友と呼ぶほどの女友達をひとりで引越しの手伝いに来させるようなシチュエーションにはならない。
これほどゲスな男でなくても、体力差から女性が恐怖を覚えるような機会や経験は少なからずあると思いますが、〝快楽と引き換えに関係性が継続して繰り返す〟こととはまったく別の次元の話。
起きてしまったら、それは許し難い犯罪だし、それによって受ける女性の心身ともの深い傷をどうやって癒すのか。いや、そもそもその前にどうやって未然に防ぐのか。
そのような普遍的なテーマを期待していた私にとっては、不快感ばかり残る映画でした。
歪な関係性の中の〝快楽〟について描かれていましたが、映画的な快楽は無かった…です。
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