先生の白い嘘のレビュー・感想・評価
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何を伝えたかったのでしょう?
自分が、この映画で言う、存在自体が悪の「男」だからわからないのかも知れないですが、何を伝えたかったのか? よくわからないまま、観終わってしましました。
知人に暴力を振るわれて泣き寝入りすることはあるでしょう。自分が弱い立場だったからと思うことも、恐怖もあると思いますが、暴力を振るった相手が、友達の彼氏って・・・ それ、友達に言うこともなく、ズルズルと関係を続けてしまったら、ダメですよ。まして、そのまま友達が婚約しちゃって、子供まで出来て・・・
悪いのはもちろん、DV男だけど、言えなかったために、友達も、生まれてきた子供も不幸にしてしまったことについては、どうなの? さらっと流しちゃっていいの?
ついでに言うと、その友達も、友達のご両親も、DV男のどこが良くて結婚することになったのか、認めたのか、全然わからない。職場ではすごく優秀だったのでしょうか? 社名入りの車で、堂々と、さぼってるのに?
もう一つ、事情はどうであれ、生徒を巻き込んではいけません。さらに、その生徒と話して、勇気をもらって、一人で、DV男に対決を挑むって・・・ 無茶です。話が通じない相手でも、自分が言いたいことを一方的に言えば、勇気を出しきった自分に満足っていうこと?
繰り返しますが、悪いのはすべてDV男ですが、主人公の、その強引な行動の結果として、友達はさらに不幸になりました。それについては、どうなの? モヤモヤだけが残りました。その友達の態度にもモヤモヤですし・・・
最後に、風間俊介さんのDV男は、どこまでクズっぷりが出ていて良かったです。
幼稚な傲慢男の哀れな行く末
奈緒ちゃんも三吉彩花ちゃんも好みの俳優なので観る事にした作品。風間くんがゲス過ぎて笑うしかないというのが率直な感想。良い人キャラの豹変ぶりがぶっ飛んでいて逆に新鮮でした。
先生と生徒の関係についてはもう少し掘り下げて欲しかった。エンディングにもあったとおり唯一の救いだったはず。惜しい😅
まあ仕方ないですがR指定の割には平凡な描写だったような?
77
「男なんて」「女なんて」という前に
局地・戦術的に勝った気にさせて貰えても戦略的に男は女に敵わんなあ…という見方もあるだろう。しかし、相手の事を知ろうとしない早藤や、こいつのせいで知る機会を奪われた美鈴に比べて相手を知り尽くした美奈子の強さを見ると、性別ではなく「敵」を知ったもの勝ちという情報戦みたいにも見える。新妻くんは物凄く苦い経験を通じて若くして相手を知る機会を得たのだから、この情報戦の勝者として相手と自分が並んで歩ける道を見つけるだろう。
愛を暴力にしない方法
得体のしれないモノに向き合う話
原作未読で、復讐系サスペンスかなと思いながら比較的軽い気持ちで鑑賞したのだが…
久しぶりに風間君の悪役が見れるぞー、なんてウキウキしていた自分を殴りたい。
重いよ、めちゃくちゃ重いテーマと内容だよ(泣)
風間君や奈緒さん他、俳優陣の演技凄かった、表現力や言葉にできない感情の表し方、目をそむけたくなるほどのシーンも目が離せない怪演でしたね。
登場人物の感情や考え方、生き方が自分にはあまり無くて、いかに平和で安全に生きてこれたのか痛感した。
性被害の事件は記事やニュースで目にすることはあったけれど、自分は事件の内容しか捉えずにいたんだな。被害者が告発する勇気や加害者の卑劣さはある程度想像できるけれど、「暴力の裏側にある愛」「愛の裏側にある暴力」まではなかなか考えが至らなかった。考えを改めねば。
しっかしまぁ「愛は素晴らしい愛は最強!」なんて映画や物語で語りつくされたと思っていたけれどこんな形で愛の力を表現するとは…。
作者さんの発想力と熱量に感服です。
報復の手段としての「許し」に関しても、自分は今までピンときてなかったんだけれど、本作で「許し」がいかに相手にダメージを与えるかやっと理解できた。
「許し」が通じない無敵の人もいるかもだけれど…
感情揺さぶられぱっなしの2時間でした。
この作品は批判や賛同、それこそ立場によって色んな見方や意見が有ると思う。
怒りや憎しみ、希望や絶望、その先にある愛について「自分」が感じ考える事、愛に向き合う映画なのではないだろうか。
許すのか許さないのか、争うのか手を取り合うのか、答えを探しながら得体のしれないモノと生きるしかない。
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劇中セリフより
「先生、これは暴力ですか?」
傷つける事も癒す事もできる「愛」とは生命が獲得した最強の感情なのかも知れない。
「愛」って渡すのも受け取るのも怖いね。
「取扱注意」「天地無用」「割れ物注意」「水濡注意」ステッカーが貼れればいいのに。
役割の自認は性的な魅力の終着駅にもなり得るが、その駅の先にはまだ線路が続いている
2024.7.6 イオンシネマ京都桂川
2024年の日本映画(116分、R15+)
原作は鳥飼茜の同名漫画(講談社)
性的不平等に悩まされる女性教師を描いたヒューマンドラマ
監督は三木康一郎
脚本は安達奈緒子
物語の舞台は、日本のどこかの地方都市(ロケ地は富山県富山市及び黒部市)
桜丘高校の教師として働いている原美鈴(奈緒)は、ある悩みを抱えていた
それは、男女には性的な不平等があり、女性はいつもそれに犯され続けているというもので、その発端になったのはある男からの性暴力だった
ある日、いつもの居酒屋で親友の美奈子(三吉彩花)と待ち合わせをした美鈴は、そこで彼女が恋人の早藤(風間俊介)と婚約したと聞かされる
この早藤こそが美鈴の発端になった男で、その後も彼は幾度となく、体の関係を求めてきた
婚約が決まってからもそれは続き、美鈴の背徳的な観念を彼は理解しているようだった
そんな折、美鈴はクラス内で立ち上がったある噂によって、教え子の新妻(猪狩蒼弥)が孤立していることを知ってしまう
美鈴は新妻から事情を聞くことになるものの、彼は「噂である人妻との関係」を正直に認めてしまう
学校サイドとしては、彼が否定し、それを学校は信じるというスタンスで押し通すつもりだったが、その目論見は見事に瓦解してしまう
美鈴は動揺して洗いざらいをぶちまけることになり、新妻はそんな美鈴と距離を縮めていくことになるのである
映画は、映画内以外の事で盛り上がっていて、内容に関する評価というものが歪んでいるように思える
事の発端は監督の発言によるものだそうで、その影響かはわからないものの、映画のパンフレットは発売中止になっていた
気になるキャストがいても調べようがなく、一刻も早い出版をお願いしたい
物語は、性的な不平等を抱える美鈴と、それを利用している美奈子が対比になっていて、役割というものの言葉がそれを生み出していると感じた
美鈴は未婚で子どももおらず、経済的にも自立しているのだが、美奈子は結婚、出産を経て、女性だけが持つ役割というものを認識している
早藤が行っていたことを彼女が知ることになるのだが、その際に夫に浴びせる言葉は結構エグい
そこで彼が取る行動がまた衝撃的で、ここまでクズだとなかなか潔いなあと感じた
いずれにせよ、セックスが主題の映画なのに着衣で誤魔化したりするのも微妙で、そのあたりの表現をどうするかのために必要な人材がいたりもする
そう言ったケアを表現のために排除することになった経緯や心中というものはわからないのだが、それが原因でこの表現になっているのだとしたら、覚悟を決めて出演している女優に失礼なように思う
昨今ではコンプライアンスなどで色々と制約が厳しいこともあると思うが、それでも必要だから描写するということと戦えないのであれば、別の人材に話を振った方が良かったように思う
映画は、性的な描写は控えめ、暴力描写は過激、言葉の暴力に至っては強調という具合になっているので、そのバランスを考えると微妙な感じになっているように思えた
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