先生の白い嘘のレビュー・感想・評価
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ありなしだけではさらいきれないものと たぐりよせられる誰かの存在を感じる
心にハテナ?を浮かばせながら
黒を白で包みグレーに
人も
組織も
誰かのためのような顔を盾にして
自分を曖昧にしなくていいなら
どんなにいいか
憧れないなら
涙も落ちないのだろう
漂い続ける不快だらけが
その奥をのぞかせて問うとき
もしかしたら
渦中のひとかけらの救いになることに
繋がるのかもしれない
そう思ったら
レビューを書くのは
とても難しくて
1日中
ことばのなかを行ったり来たりだった
修正済み
あと10円あれば、
何か問題になっているらしいが、できるだけ先入観を持たずに観ようと思って、予告篇以外の情報を入れずに観た。出演者の顔ぶれから、まさかこんなだとは思っていなかった。
奈緒さんと三吉彩花さんと風間俊介さん、熱演だけど、レ○プシーンは見たくない。(ラブシーンやポロリは好きなんですよ)
せっかく映像と音楽が美しかったから、生々しいシーンと「女の人のあそこがこわい」なんて台詞はなくして、先生と生徒の純愛物語にしたらよかったのに。それだとありきたりか。いっそのことR18にしてもっと過激にするか、、。
奈緒さんはあのタイミングで涙が出せるってすごい、もう大竹しのぶの域に達してるな。
風間俊介はいい俳優さんだから、もっと仕事選べばいいのに。テレビでディズニー・ランド愛語っててもこの映画の顔が浮かんでしまうだろうな。
面白かったけど、エピローグの、エピローグの、みたいな終わり方いいかげんにやめてほしい。
和田誠さんの句集に「白い嘘」ってのがありましたね。
真っ赤な嘘でなくて白い嘘。
ココロを殺す
インティマシー・コーディネーターの件は一旦置いといて、映画本編について率直にレビューしていきます。
見ていてとても気持ちのいい映画ではなかったが、切り込み方は非常に面白く、原作も相当な力作だと伺える。男女の性の不条理を問う物語として、かなり考えさせられる。男は強く、女は弱い。100パーセントそうとは言いきれないし、そのような凝り固まった考えは危険だが、男女間で格差が生まれてしまうのは生物学的に致し方ない。
しかも、性に関することとなるとより一層、その差は広がっていく。男は女を酷く苦しめる力を持っていることを、女は男が力を持つ種であることを知っておく必要がある。
女性はもっと立ち向かうべきだ、という男性サイドに変わることを求めない姿勢は気になったが、1人の男として、色々と思うところがあった。
何より役者陣の本気の演技に食らってしまった。風間俊介はこれまでのイメージからは想像できないほど、救いようのないクズ男を好演。終始怒りが込み上げてきて、あまりの演技の上手さから早藤だけでなく、風間俊介すらも嫌いになりそうだった。壊れていく三吉彩花もかなり良かった。あのぐちゃぐちゃな様、なかなか出せたもんじゃないよ。これまであまり役に恵まれてこなかったが、本作をきっかけに、演技派女優として評価されて欲しいものです。
そして、奈緒。近年映画もドラマも引っ張りだこの彼女だが、主演作は少なく、いつも主人公の友人や恋人役ばかり。それでもかなりの演技力の持ち主であり、いつか爆発するタイミングがあるだろうと思っていた。それが、本作だった。あまりに体当たりな演技に息をするのが苦しくなる。辛い、辛い。どうか、どうか彼女に幸せを与えてくれ。役という壁を超えた表現力。凄まじい。
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何故、せっかく手にした主演をお粗末に扱ってしまったのか。何故、彼女を大切にしようと思えなかったのか。大好きな監督だったがために失望した。この作品から何を学んだのか。少なくとも自分は、この映画を見てから女性をもっと大切にしたいと思えた。インティマシー・コーディネーター。働きやすい環境を整えて欲しいという意見を聞き入れるのは、上に立つ人間、責任者の最低限の使命だと思う。それは女性に限らず、男性に対しても。性が絡んでいなくとも。
監督は不愉快な言動を取ってしまったことを反省していたが、行動そのものが間違っていたと、しっかり受け止めて頂きたい。しかも、いい作品だったのだから。奈緒だけでなく、共演者、スタッフが気持ちよく世に送れる作品であって欲しかった。見た人がこの映画は見るべきだと高らかに言える作品であって欲しかった。悔しい。
(別の意味で)考えさせられる
観終わったとき、一緒に観た人と感想を語り合うのが難しい映画ってある。本作もそうなんじゃないか。一緒に観た人が異性だとなおさらだ。
男性に性的な存在として見られることに対する女性の嫌悪感を、男は本当の意味で理解できないと私は思っている。だから本作に登場する早藤の酷さやクズさを話し合っても深いところまで共感することはできないんじゃないかと恐れてしまう。美鈴が本当に嫌ならもっと拒む方法はあるだろうと思う部分もあるから。
たしかに早藤はクズだし抱える闇も相当に深い。でも、美鈴や美奈子がそこまで執着したり、拒めないでいる魅力を早藤に感じることはできなかった。実はここがこの映画で一番の問題なのかもしれない。もちろん美鈴と美奈子も相当に歪んでいる。だから所々で3人の行動が理解できない。なんでそんなことするんだろう?と思いながら観るのだから共感できるわけがないし、感情を揺さぶられるわけでもない。人間の行動ってそんなに理路整然としていなくて、自分でも理解できない行動をとってしまうことがあるってことなんだろうけど。彼らの抱える闇を描くには尺が足りなすぎたんじゃないか。
この映画が面白かったのかと聞かれると微妙な答えをすることになる。女性たちが傷つくのを見て暗い気持ちになる前に、メンドクセーこと言ってんな!とか、それじゃないだろ!とか、まず救急車だろ!とか、別の感情を持つことが多かった。そして何を訴えるのかがあまり伝わってこなかった。もっと嫌な気分になって男女の性差について考えさせられるのかと思っていたのに。
じゃあ、つまらなかったのか?と言うとそれも違う。なんだかんだで飽きずに最後まで観てしまったから。奈緒と風間俊介の演技がよかったり、(不満は残るものの)濡れ場が意外とうまく作られていたりするからかも。そう考えると、観た後に感想を語り合うのもそんなに難しくないかもしれない。製作者の意図とは別のところで印象に残る映画だった。
なんかテーマが…
劇場の何かの予告でみてテーマに興味を持ち鑑賞。しかし公開直前にICの件でばかりテレビやネットで取り上げられてて余計な情報って感じ。
原作を読んでないので偉そうなことは言えませんが、テーマが性の格差で女性はいつも損をするみたいなことを奈緒が言ってるわりにそういうエピソードが少ない。猪狩君がアルバイト先の奥さんに強引に求められてトラウマになったわりにすぐに女性担任教師にせまる。
てことでテーマが消化不良気味でした。男女のシーンになるとどうしてもICが入るとどうなるのか、と雑念がわいて意味を深く考えられなくなってしまった。
もっと純粋にテーマを追求してほしかった。でもラストはほっこりして救いがありましたね。
動物的強弱と昨今の心情の在り方が交差した先へ
2024年劇場鑑賞55本目 優秀作 70点
世間の評価としては香ばしい感じですが、個人的には意欲作であり、伝えたいことも理解ができると思いました
主人公の自分の気持ちとは別に働く女性としての理性や動物的本能が反比例していく、自分が女なのだと気づき失望する様を脳内再生の言葉と、それを口から出せずに受動的に流される女っぷりが見事であった
また、主人公が公務員であり先生なのが、まさしく反面教師じゃないけど、教壇に立ちながらも心が虚無で、そこに自分が立っているけど、そこにはその姿を見ているもう一人の自分がいるかのようで、惨めな動物になった一人の大人を露わにしている自分を見て良いも悪いも何かを感じてと言わんばかりの佇まいである
女って、、、って失望しながらも自分もそう堕ちていく抗えなさが、個人の気持ち以上の大きな"欲"が作品通した喪失感で、これは狂演していた男側もそう
これは性に対しての認識や強弱だけでなく、何気なく発する言葉一つとっても、気にも留めない男の言葉選びや台詞も女性にとっても癇に障ったり失礼だと思う表現も多くされており、男女を描く序章として早くに掴まれた
物語の大部分である中盤から終盤の性描写やその時かわす言葉の暴力や乱暴、気持ちと欲が入り混じり抗えない心情は見事であるが、それは本作を引き寄せる目印に過ぎず、1番はその後の三好の強さとおかしさだったり、風間の弱さと惨めさ、奈緒の欲を認めそれを覆い被さる強い気持ちの告白だと思う
原作含め描きや演じや理解が難しいと思うが、良く出来ていると思いますよ
是非
星はいつも三つです。
三木康一郎監督『先生の白い嘘』
とても楽しみにしていたのですが、冒頭、主人公の女性教師の授業の場面で早くもズッコケました。残念です。
主人公は国語の教師で授業で漱石の『こころ』を朗読するのですが、普段本を読みつけていないとはっきりわかる声の抑揚とフレージング。国語教師でなければならない理由があったのでしょうか。数学教師じゃダメだったのでしょうか。どうしても国語教師でなければならないのなら、本当に読書好きの女優を使えばいいのに。
またもっとあとのほうになるとこの教師、蘇鉄や棕櫚も知らないとわかります。もう頭痛かったです。
教室の男女生徒のなかに妙にオトナな女生徒がいたところもなんだかなあでした。なにか重要な役割を果たすかと思いましたが、それもなく。
話も理解できない展開でした。
主人公の女性は何人にもわたって親友の婚約者からひどい性被害を受け続けています。
登場人物それぞれの『心の叫び』みたいなセリフがところどころで披瀝されるのですが、どれも観念的でよくわからんのです。
主人公のされた仕打ちが表現されていますが、暴力的直線的な描き方で、そこから登場人物たちの『心の叫び』が導き出されるとはどうしても思えません。
見ていてさっぱりわからん映画でした。
不幸なお伽話
【悲報】なお当作品で女性俳優の裸体披露はない模様
2024年映画館鑑賞65作品目
7月14日(日)MOVIX仙台
通常料金2000円
高校教師の原美鈴は親友渕野美奈子の婚約者早藤雅巳と不本意にも不倫をしていた
強引に処女を奪われ脅迫され関係は続いていた
そんなある日にバイト先の花屋の主婦とラブホテルを出てきたところを目撃された受け持ちの生徒新妻祐希と進路相談室で話し合ううちに2人は親密になっていく
過激な性描写より早藤にボコボコに殴られ顔面が腫れ上がる美鈴の無惨な姿がR15に跳ね上げたのか
おそらくKARAのギュリも同じように殴られたに違いない
可哀想でならない
性描写で言うとパンツが切れかかるシーン好き
全体的に不愉快極まりない内容
男女論もうんざりだが
でもU-NEXTで配信されるかDVDレンタルされたらまた観ようと思う
何度も何度も観て味わいたい作品
噛めば噛むほど味が出るスルメイカのような映画
最後はハッピーエンドかな
殺されなくて本当に良かった
性描写に関しては乳首の露出こそなかったものの奈緒と三吉はナイスファイト
三吉はわりと胸が大きくめちゃくちゃ揉まれていた
あとインティマシー・コーディネーターは日本の場合必ずしも必要はないと感じている
ハリウッドはエージェントが仕事をとってくるが日本ほどサポートはない
日本の場合は事務所が所属タレントを守りマネージャーがいろいろとサポートしてくれる
インティマシー的役割はマネージャーがやればいいのだ
タレントのイメージが損なわれる役柄ならCM契約など事務所としても大打撃だし
奈緒の事務所はアービング
アービングがやれば良い
だいたいインティーマシーなんとかはとってつけたような役職
園子温監督のような問題を防ぐことはできまい
所詮は胡散臭いミートゥー運動の産物
給料は誰から貰っているのか
どれだけの権限があるのか怪しいもんだ
映画会社側のやってますよ感がハンパない
インティマシーなんとかが映画制作に参加していれば単純なヤフコメ民やX民が「ヨシヨシよくやってるな」と上から目線で感心するだけのこと
自主制作ならともかく雇われの映画監督が絶対的な権力を持っているというのも事実誤認もいいところ
原作未読
原作は『先生、私の隣に座っていただけませんか?』の劇中漫画を描いた鳥飼茜
監督は『のぞきめ』『旅猫リポート』『“隠れビッチ”やってました。』『弱虫ペダル』『恋わずらいのエリー』の三木康一郎
脚本は『ひるなかの流星』『劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命』『劇場版 きのう何食べた?』の安達奈緒子
配役
高校教師の原美鈴に奈緒
美奈子の婚約者の早藤雅巳に風間俊介
美鈴のクラスの生徒の新妻祐希に猪狩蒼弥
美鈴の親友の渕野美奈子に三吉彩花
男子生徒を誘惑する新妻のクラスメイトの三郷佳奈に田辺桃子
新妻を揶揄うクラスメイトの和田島直人に井上想良
美鈴の担当看護師に小林涼子
新妻をラブホテルに連れて行き関係を迫る主婦の青田有美子に森レイ子
美鈴の同僚の先生に吉田宗洋
美鈴の主治医で心療内科医の清田恵里に板谷由夏
新妻の祖父で植木職人の池松和男にベンガル
三吉彩花
「隠れビッチ」から力作連打の三木康一郎監督、期待し応援する。
女優奈緒の今後のブレイクを予感させる作品
ここの厳しいコメントを読んでいたので、作品は期待しないで観に行きました。
しかし思ったより良くできた作品だと思いました。
主体性の無い女性が次第に自己を見出し自立して行くと言う視点で観ると、それなりの作品になっていると思う。
確かに暴力的なシーンでは目を覆いたくなる人もいると思うが、それはリアル感を出すためには仕方の無い演出と思う。
それも奈緒の演技によるところが大きい。アンニュイな女性から終盤の主体性の塊への変貌の演技は凛々しくもあり素晴らしかった。これほどの存在感が表現できる女優に成長したのだと思った。今後の奈緒の活躍に期待したい。
風間君の演技は頑張っていたとは思うが、後半の急速な展開の脚本では誰が演じても難しかったと思う。
これ程奈緒を見事に描いたのはおそらく監督は奈緒への思いが人一倍強かったのだろう。
「間に誰かを入れたくなかった」の気持ちは分からないでも無いが、やはり時代感覚が鈍っていると言われても仕方ない。
迫真の演技はさすが。ギャップの中でも理解する努力をすること。
ショッキングな展開の連続ではあるが、観て良かったと思える作品だった。
俳優陣、特に奈緒はさすがの演技である。
体当たりはそうだが、震えるさま、抑揚がとても伝わり、感情移入ができ、応援したくなる。
三吉彩花も最初は役柄上好感がもてないも、後半にむけての芯の強さには、ここまで隠していたとみて、恐れ入る。私が知らないだけで、こういう思いの女性は多いのでは。
風間俊介は、オーバーすぎるところはあるものの、ジャニーズの問題から、独立しこのような作品に出ている心意気が感じられる演技ではあった。
女の友情のカミングアウトのシーンではふと涙が出てきた。このシーンでうるっとくるとは。
肝心のテーマでは性差問題に直視している作品として。
男性目線では、いくら頭ではわかっていたとしても、体と体験ができない以上、心からは理解はできないものである。そのギャップが奈緒のセリフの節々の私自身の理解の難しさにもつながっていたのかとも思う。
結末がどうあれ、埋められない物がある中で、どう生きるか、相手側を想像して、行動することが大事であると感じる。
きちんと作られていた作品でした
公開前にいろいろありましたが、見ないと何にも言えないと思ってるので見てきました。
感想は人によるだろうというのは前提として、きちんと作られた映画だと私は思いました。エロだとも男性目線だとも思わなかったです。
監督は「美鈴の気持ちがわからないところがあった」とインタビューで言っていたけれど、だからこそそこは女性である脚本の安達さんと奈緒さんの解釈、演技にゆだねてる印象。キャストも脚本も監督も制作陣もふんばってると思います。
ただやはり映画では尺が足りないですね。例えば母親役が片岡礼子さんであることを考えると、早藤親子のシーンも撮っていたけど、編集で削らなければならなかったのではないかと。こういうことがほかにもあって役の奥行きは出し切れなかった。
それでも主要人物、特に美鈴、早藤、美奈子、それぞれのゆがみや嫌悪、一筋縄ではいかない関係性、自分でも理解しきれない感情は感じられたし、いろいろ制限ある中、がんばってつくったんだろうなと思います。
インティマシーコーディネーター問題については、私も記事でつけなかったと知って驚いた側です。俳優が希望したのにつけなかったのはまずかったと思います。
ただ、映画を見たあとで正直「間に人を入れたくなかった」と言った監督の気持ちも想像できてしまいました。
記事によると、企画から公開まで10年かかっているそうです。その間に10人以上の女優に断られた。当時奈緒さんは美鈴役には若すぎて検討にも入ってなかった。それが年月たつうちに奈緒さんが対象年齢に達し、「受けてくれたことに感謝している」と。
今でこそ一般人にも認知が進んでいるけれど、企画段階ではインティマシーコーディネーターなんて概念は日本はもちろん海外でもなかったはずです。Wikipedia情報で恐縮ですが、米国でさえガイドラインができたのが2017年、HBOが初めて導入したのが2018年だそうです。
それ以前からこの映画は企画され、出来を見るに多分監督と脚本家は深く議論し、作者とも丁寧にコミュニケーションを取って練り上げてきたんじゃないですかね。女優含め方々に話を持ち込み、断られ、苦労してやっと制作にこぎ着けたんだろうなと思います。
その過程でインティマシーコーディネーターという役割が出てきた。日本に今でさえ2人しかいない状況、撮影が始まる段階では、インティマシーコーディネーターが何をしてくれるのか、挟むことで俳優とのコミュニケーションはどうなるのか、脚本や撮影はどうなるのか、そもそもインティマシーコーディネーターとどうコミュニケーションをとるのか、専門家ってどういうことか、制作陣は具体的にイメージできなかったんじゃないかと想像します。
そんな状況で、長年丁寧に取り組んできた作品に、その過程を知らない第三者が入ることに不安を感じ、今回についてはむしろ俳優と丁寧なやりとりをして取り組んだほうがいいんじゃないかと判断したとしたら、、、想像に難くありません。知ってるのと実際に制作に入れるのでは違いますから。監督が挙げてたスケジュール問題ももちろんあったと思います。
あと監督が主に責められているけれど、それならその責めは事務所も負うべきではないかと思いました。事務所は所属俳優を守る立場だし、突っぱねればいい。失礼ながら三木監督にそこまで力あるとも思えません。
本作は進む理解と実際の環境整備の狭間にできた作品かなと。今後はインティマシーコーディネーターが活躍する環境になるととてもいいと当然ながら思います。
なお、もしもこの映画につける前提で考えるなら、ケアは風間俊介さんにもつけてほしいです。暴力を振るわれる女性の役をやる奈緒さんはもちろんだけど、「全く理解できない」と思いながら加虐する役をこの精度で演じた風間さんの精神的負担は相当なものではと思いました。
キャストの違和感と原作との同調性
この作品のファーストインプレッションは原作のコミックスから入ったからか「キャストの違和感が拭えず、ストーリーに「完全没頭」することができなかった。」ということ。
しかし、主人公「美鈴」役の奈緒さん、その親友「美奈子」役の三吉彩花さんは、ハマり役と言っていいほどの好演で、二人のシーンは正に実写と絵(コミックス)が同調し、劇中に引き込まれていった。
一方残念だったのは、男性陣の早藤くんと新妻くん…
そのキャラクター像に、どうしても違和感があり、早藤にはもっと暴力と心の弱さを体現できる演者が相応しかった。新妻くんはもう少し繊細で、いわゆる「高校生」「思春期」特有の「カラダは大人、ココロは子供」という、微妙な「スタイル」「表情」、そして「複雑な心」を表現できる俳優を当てて欲しかった。
それでも、限られた時間の中でのストーリー展開はよくまとまっていて、劇中ダレることなく観ることができた。
エンドロールまで観た直後は「原作をもう一度読み返したい」と率直に思った…そして読み返した後、またこの作品と直視したら、何かしらの「化学反応」がうまれ、気持ちの変化を感じられるんじゃないかという「期待」が今、自分の中に溢れている。
理性が壊れた人間の醜さと愚かさ
同名漫画を実写映画化した作品で男女間の性格差問題をテーマした作品。理性が壊れた人間の醜さと愚かさが痛々しく、この漫画を実写化したスタッフに拍手を送りたい。そしてなんと言っても主演を演じた奈緒の体を張った演技が素晴らしかった。
2024-117
すべて白い嘘
吐きそうになった
あまり肌に合わなかったですね
映像を通して伝えたいことは理解できます。
また、演者さんがすごく頑張っていることは評価したいです。
ただ、映画として観てよかったかといわれると今一つ高く評価できません。
主要登場人物全員が闇を抱えていながら、全員極端な境遇にいるのですが、それぞれの掘り下げがあまりできていないため、それぞれにキャラクターとしてリアリティを感じません。
一部キャラクターは説明台詞が多かったり、モノローグで心情を吐露したりするのですが、行動がそれに見合っているようにも見えず、また別のキャラクターは「闇を抱えています」アピールはあるものの、それ以上の描写がないため、単なるサイコパス以上に見えない状態。
お話としてもあまりまとまりを感じず、重すぎるテーマだけは伝わるものの引き込まれることなく、厳しい映画体験でした。
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