「動物的強弱と昨今の心情の在り方が交差した先へ」先生の白い嘘 サスペンス西島さんの映画レビュー(感想・評価)
動物的強弱と昨今の心情の在り方が交差した先へ
2024年劇場鑑賞55本目 優秀作 70点
世間の評価としては香ばしい感じですが、個人的には意欲作であり、伝えたいことも理解ができると思いました
主人公の自分の気持ちとは別に働く女性としての理性や動物的本能が反比例していく、自分が女なのだと気づき失望する様を脳内再生の言葉と、それを口から出せずに受動的に流される女っぷりが見事であった
また、主人公が公務員であり先生なのが、まさしく反面教師じゃないけど、教壇に立ちながらも心が虚無で、そこに自分が立っているけど、そこにはその姿を見ているもう一人の自分がいるかのようで、惨めな動物になった一人の大人を露わにしている自分を見て良いも悪いも何かを感じてと言わんばかりの佇まいである
女って、、、って失望しながらも自分もそう堕ちていく抗えなさが、個人の気持ち以上の大きな"欲"が作品通した喪失感で、これは狂演していた男側もそう
これは性に対しての認識や強弱だけでなく、何気なく発する言葉一つとっても、気にも留めない男の言葉選びや台詞も女性にとっても癇に障ったり失礼だと思う表現も多くされており、男女を描く序章として早くに掴まれた
物語の大部分である中盤から終盤の性描写やその時かわす言葉の暴力や乱暴、気持ちと欲が入り混じり抗えない心情は見事であるが、それは本作を引き寄せる目印に過ぎず、1番はその後の三好の強さとおかしさだったり、風間の弱さと惨めさ、奈緒の欲を認めそれを覆い被さる強い気持ちの告白だと思う
原作含め描きや演じや理解が難しいと思うが、良く出来ていると思いますよ
是非
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