劇場公開日 2024年7月5日

「人を選ぶ内容」先生の白い嘘 ごはんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0人を選ぶ内容

2024年7月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

予告すら見ることなく、原作があることすら知らず、タイトルの「白い嘘」ってなんだろなーってくらいで鑑賞。

性的なもの含め暴力描写がなかなかなので、結構人を選ぶ作品。

「女性教師と男子高校生」
性に対してトラウマや問題を抱える女性教師と男子高校生の男性とは?女性とは?そこにある優劣のような話はなかなか聞き応えがあり、そう言う考え方や捉え方もあるか…と考えさせられる内容だった。
教師と生徒という上下がありつつ、物理的な力の差という意味ではそれが逆転する上下関係の中、微妙なバランスのやり取りがとてもソワソワもするし、緊張感?もありなんだかとても良かった。

「風間くん演じる早藤」
今では朝の顔であり専らディズニー関連の紹介ばっかりやっている印象故にギャップが凄まじかった。
彼は彼で生きづらさを抱えている感じで、ただのサイコパスみたいな扱いはちょっと違うのかもって感じもした。
でも急に何するかわからない怖さみたいなのは素晴らしい演技だったし、やっぱサイコパス的なやつなのかなぁとも思ったり…

「美奈子の幸せとは…」
彼女が早藤と結婚、一緒にいる意味ってのが1番理解し難かった気がする。
究極のダメ男好きみたいな感じなのかな?
自分がいなきゃあの人はダメ的な感じだったし。
とりあえずホテルで倒れてる美鈴見つけた時は謝ったりとかより何より先に救急車呼んで欲しかったね。
自殺未遂の夫見つけた時もとりあえず救急車呼んで欲しいし、その直後破水したとは言えさっきまで首吊ってた夫にスマホ渡してタクシー呼んではなかなかハードでは…

「男性と女性、そして幸せとは…」
男女での優劣のような話しから、気がつけば幸せってなんだろなー的な感じになってた気がする。まぁ幸せなんて勝手に各々決めたらいいじゃないと思うけど…
男女平等になってもやはり完全に平等にはならないよね。そりゃそうよね。
なんなら同じ性別であっても全てが平等でもないし。
題材的には今やるにはチャレンジな内容な気もしたけど、今だからそこなのかなとも思った。

ここがラストかと思ったらまだ続くんだって感じが何度かあった印象で、少しずつ答えを出して進んでいく感じの進行だった。
その反面で結局のところなんなんだ?って感じもあったかも。
扱う内容がセンシティブな内容ということもありなかなかメッセージを受け取るのも難しかったかも。
なんとなくわかったような…わからないような…
なんというか生きていくことが何より大事って事でいいのかなぁ。

インティマシーコーディネーターの件を他のレビューであとから知った。
男女で力の差があるとかそういうパワーバランスについても触れる作品をつくる上で監督が女優の希望を拒否してしまうというのは…
そこにも圧力のようなものを感じてしまうし、ましてこの作品を撮る人がその判断で良いのかとは思わされた。

ごはん