劇場公開日 2024年7月5日

「何やってるんですか、三吉さん!最優先は救急車でしょ!」先生の白い嘘 グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)

1.5何やってるんですか、三吉さん!最優先は救急車でしょ!

2024年7月6日
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鑑賞方法:映画館

この作品をぶち壊してしまった最大の要因は風間俊介さん演じるゲス野郎。
原作が元々そうなのか、脚本がいただけないのか。もちろん今のご時世であってもこのタイプの男は絶滅してないし、どこかにはいると思います。
でも、この映画のテーマである男女間の性の格差(体力差による暴力的支配、男性側の抜き難い優生意識などあらゆる差別を含む)という重く普遍的な問題を語る際の対象サンプルとしてはあまりにもお粗末なステレオタイプなため、不運な個別事例としてはありうるけれど、普遍性を語る素材としては相応しくない。
だから鑑賞してる間、我が身にも起こり得ることかもしれない、という切迫した共感性が(たぶん男女を問わず)生まれない。

(不幸にも似たようなタイプの男と出会い、性的な快楽が理性を上回ってしまった経験のある方がいらしたらごめんなさい。それでも一般的によくある事例だとは思えないのです)
我々の生きるこの世界が、それほど立派に成熟しているとは思っていないけれども、この手のクソな男を勝手気ままにのさばらせておくほどダメな社会でもないと思ってます。

このクソ男が、仮に仕事上の営業成績が良かったのだとしても、すべての人間関係において信頼される筈がないから(婚約者だってそうと見抜いていたわけだし)親友と呼ぶほどの女友達をひとりで引越しの手伝いに来させるようなシチュエーションにはならない。

これほどゲスな男でなくても、体力差から女性が恐怖を覚えるような機会や経験は少なからずあると思いますが、〝快楽と引き換えに関係性が継続して繰り返す〟こととはまったく別の次元の話。

起きてしまったら、それは許し難い犯罪だし、それによって受ける女性の心身ともの深い傷をどうやって癒すのか。いや、そもそもその前にどうやって未然に防ぐのか。

そのような普遍的なテーマを期待していた私にとっては、不快感ばかり残る映画でした。

歪な関係性の中の〝快楽〟について描かれていましたが、映画的な快楽は無かった…です。

グレシャムの法則
humさんのコメント
2024年8月8日

風間さんにいやーなイメージが残るほどのキャラでしたね。よく受けたと驚きました。
価値の求め方はさまざまですが、もし状況を変えたい密かに悩む誰かにはチャンスになるのかも???

hum
kazzさんのコメント
2024年7月23日

コメントありがとうございます。
インティマシーコーディネーターが作品の評価に関係はしないと思います。
…が、そういう職種が生まれた理由や、それを求めた俳優の思いを、プロジェクトリーダーである監督が理解していないのは、職場として問題だと思いますね。
これは作品自体とは別に、映画ファンは社会問題の一つとして問題死すべきかな…と。

kazz
ゆきさんのコメント
2024年7月19日

こちらにも失礼します。
私も"普遍的なテーマ"を扱う作品と期待していたのですが、不快感しか残らなく残念でした。
開始早々、あれ?あれ?の連続で、でもこんなはずないよねと、ある意味で一生懸命に見たのですが、結局。。
"4月になれば〜"同様に誰にも感情移入出来ませんでした。
原作が訴えたかった事、原作の持つ魅力を表現しきれたとは言えなかったのではないでしょうか。

コメントありがとうございました。

ゆき
ノブ様さんのコメント
2024年7月7日

こんにちは😃
グレシャムさんは反対派だろうか、何だろうが、参考の大事な評価者ですから!(笑)
え?何故?って興味津々で見ました。
確かに、そう意味の評価だと分かり面白かったです。
風間俊介は本当イカレ野郎でした。
また奥さんもある意味スゲーって。
こういう女性がいるから成立するんだなーって。(笑)

ノブ様