「物語の展開に説得力が感じられず、登場人物に共感することもできなかった。」先生の白い嘘 tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
物語の展開に説得力が感じられず、登場人物に共感することもできなかった。
いくら肉体的な欲求が満たされ、快楽が得られるからといっても、自分をレイプした男と性的な関係を続けられるものだろうか?
主人公は、自分のことを、弱くて無力な女性だから仕方ないと納得させているが、「うつ」になるほど悩んでいるのならば、もう二度と男と会わなければいいのではないか?
まるでレイプを助長するかのような、暴力男にとって都合のよいストーリーには、違和感を覚えざるを得なかった。
さらに、彼女が、本当に親友のことを思うのであれば、どれだけ嫌われても、親友の婚約者がゲス野郎であるということを知らせ、何としても別れさせようとするのではないか?
そうしないところを見ると、主人公は、親友のことを陥れて、不幸にしようとしているとしか思えない。
その親友にしても、いくら「私しか彼を救うことができない」と思い込んでいるのだとしても、婚約者の正体を知りながら、そんな奴と結婚し、そいつの子供を産もうとするものだろうか?
その暴力男が、主人公から「許す」と言われて、彼女をボコボコに殴りつけた挙げ句に、自殺しようとしたり、警察に自首したりした時の心境の変化もよく理解できない。
残忍で自己中心的なサイコパスが、被害者から許されただけで、そんなに素直に悔い改めるものだろうか?
主人公を救うことになる男子生徒と、主人公との関係性も微妙である。
いくら同じような辛い経験をした者同士で、互いに心を通わせたからといっても、高校教師の主人公が、教え子の生徒とキスをするという展開には、釈然としないものを感じざるを得ない。
心の救済に、先生や生徒という立場は関係ないにしても、女性教師が男子生徒の性の悩みを解決するという流れには、よくあるポルノビデオのような安っぽさを感じてしまった。
性別に関係なく、レイプの被害者には大きな心の傷が残るという事実や、「たとえ負けても、泣き寝入りせずに戦うことが大切だ」といったメッセージは心に響くものの、説得力のない展開と、共感することのできない登場人物のせいで、物語の中には、最後まで入り込むことができなかった。
ところで、タイトルの「白い嘘」とは、何のことだったのだろうか?
ありがとうございます。
「黒い嘘」と「白い嘘」の解釈、とても参考になりました。
主人公が「悪意のない、優しい嘘」をつくとしたら、相手は教え子の男子生徒でしょうが、果たしてそうだったのか、やはり、話が分かりにくかったと思います。
おはようございます。
tomatoさんのレビューに大共感です。
私も物語に入り込めませんでした。
黒い嘘、、悪意のある嘘
白い嘘、、嘘も方便的な?
優しい嘘
と、解釈しましたが、仰るように、主要人物に共感も出来ずで、
タイトルのメッセージも受け取れませんでした(°▽°)
本当に、なぜあんな男に執着するのかが分かりませんでした。
「嫌よ嫌よも好きのうち」という、男の身勝手で都合のよい妄想を肯定しているようで、不快になりました。
仰る通り、最初の頃の原先生には、どんなに酷く弄ばれようが、私に彼は勃ってるのよと歪んだ優越感すら有った気がします。初めての男だから執着・・には賛同出来ません、犬に噛まれても犬に執着する?