「楽しくてえっちなレズビアンムービー」ドライブアウェイ・ドールズ だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
楽しくてえっちなレズビアンムービー
レズビアンものといえば、いい映画はあれど、トラジディしか思いつかないので、こういうバカっぽくてハッピーな映画が作られるのは必然やで。私は面白かったです。
シーンの合間に挿入される60年代?70年代?みたいなサイケデリックな極彩色映像の意味がわからんかった。しかもその極彩色にマイリー・サイラスが!なんでなん?笑ったけど。
後で調べると、マイリー・サイラスがマット・デイモンの陰茎の型をとったということらしいです。なるほど、確かに2回目のマイリーのシーンで、彼女が跨ってたのはマットだったかもです。
ペドロ・パスカルがワインのネジネジするやつ(名前ど忘れ)を首の左右に刺されて速攻でやられ、生首になった。
ビーニー・フェルドスタイン、カラーパープルのミスター役の人、マット・デイモンと豪華な脇役。
奔放なジェイミーと堅物なマリアンが車を運ぶ(ドライブアウェイ)仕事をするが、その車には秘密が…
生首と5本のディルドが物々しく隠されていて、なんか誰かに追われてるという話。つーか話の筋はどうでもいいかな。
1999年にフィラデルフィアからフロリダのタラハシーまで車で旅するだけ。レズビアンバーに寄って誰かと楽しんだり、女子サッカーチームとえっちなパーティやったり、ジェイミーとマリアンがやったり、という話。
1999年に設定した意図は不明。なんでなんやろ。
5本のディルドはある5人の陰茎を形どったものらしく、そのうちの一本がマット・デイモン演じる上院議員らしい。バイブルベルトの保守的な政治家なのに自分の陰茎を模したディルドを商品化されたら困るから、それを確保しようとしてジェイミーたちを追わせてるらしい。
5本の形状は結構個性的で面白かった。長すぎ、太すぎ、いい曲がり具合など。2人はいい曲がり具合である上院議員のを使用してお気に召した様子。せっかく複製作ったのに、お店に忘れてってどうすんのww
ブルーバイユーと、ユービロングトゥーミーしか曲名わからんかったけど音楽も良かった(が、やっぱ1999年感は全くなかったw)。
この映画って、男性中心の異性愛規範を皮肉ってるんよなー。だからシスジェンダー男性の評価が低いんだろうなー。普段は客体に貶めて男の勝手で消費する対象である女が、男根を逆に客体にしてる。しかもそこに恋愛感情はない。女が好きだから!
ディルドはちょうど良い形の物体なだけで、男の体にくっついてる必要ない、人格不要、快感を生む棒が欲しいだけだから。
女は穴扱いされてきましたからね、男もただの棒にされてるねん。皮肉が効いてていいわぁ。
また、セックスはするが役者の体を性的には写さず、彼女らの体を性的に消費させないようにしてる。おっぱい見れると思ってるシス男性を白けさせる為だと思う。てめーらの勃起の燃料になってたまるかってね。
ラストにdrive away dollsというタイトルが表示されるが、dollsの「oll」が張り紙で、風に張り紙がとばされると下からdykesという文字が出てくる。あれ?逆か?dykesの上に紙が飛んできてdollsになったんか?
あれ絶対意味あるよなと、しらべると、dykesはレズビアンを表すスラングで、中傷的な意味を含んでいるが、自己主張とタフさを表すためにレズビアンたちが自称に使ってるっぽいことが、wiki英語版に書いてありました。また、マリアンが読んでたヘンリージェイムズの小説のタイトルに、drive-away dykesというのがあるみたいです。邦題わからんかったけど。
マリアンが読んでたのは「ヨーロッパ人」です。
ジェイミーとマリアンは、この後1999年に同性婚が合法だったマサチューセッツ州に行く、つまり結婚するの?強引にハッピーエンドにしたみたいです。
イーサン・コーエンはコーエン兄弟の弟で、単独監督らしい。脚本がイーサンの妻トリシア・クックになっていて、次回作もトリシアと組んでるらしいです。2人は夫婦だけど各々別々のパートナーがいるという面白い関係だそう。興味深いわぁ。