ルックバックのレビュー・感想・評価
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感動。圧倒。ありがとう。
朝イチ9時から鑑賞。
圧倒の1時間弱だった。
漫画版のルックバックは既に読んでいたが、上映後感動のあまり少し立てずにいた。
主人公2人の演技も素晴らしいのはもちろん、美しい美術、音楽、これからも頑張る人たちへのエールとも思える内容、全てがよかった。
チケットが1700円だからと迷っている人がいるなら見に行くべきだと思う。
絵つなぎの創意工夫で魅せられました
内容はもちろんのこと、めちゃくちゃ工夫された絵つなぎとかカット割が素晴らしくて、予想以上に引き込まれました。
見る前は短いかもなぁなんて不安もあったんですが、濃密で凝縮された内容に大満足です。最初から最後まで無駄もないし不足もないような、実に完璧な作品のように思ってしまいました。絵もいいし、非常に洗練されたアニメーションでした。
なりたかったのは、背中で語れる「ヒーロー」なんだ!
『チェンソーマン』や『ファイアパンチ』といったヒーローものを手がけてきた藤本タツキが、今作を生み出した必然性を感じた。
主人公・藤野は、相棒役・京本にとっての憧れの的であろうと必死だった。
京本の前では絶対に弱音を吐かないし、どんなにチヤホヤされても舞い上がることなんてしない。少し貫禄を見せるぐらいが丁度いい。
また、日頃から努力を怠らず、自分たちが進むべき道を「言葉」ではなく「行動」で示す。常に一歩先を行き、手本となり、導いてあげる。
そして、もし相手が困っていたら必ず助けに行き、得意な必殺技をキメる……。
そんな藤野もまたヒーローモノのマンガ(シャークキック)を執筆していて、彼女はクライマックスで自身の作品を読んで涙する。それは、京本からのメッセージのお陰で、自分の行動原理の根っこに「ヒーローになりたい」という想いがあることを再発見したから。そして京本が自分のことをヒーローとして認め、ヒーローを描き続けてきた人生は決して間違っていなかったと、全肯定してくれたからではないだろうか。
あと、チェンソーマン読者が思わずニヤリとするような描写が作中に散りばめられている。現在制作中の映画『チェンソーマン レゼ編』公開が俄然楽しみになった。
ハイクオリティな作画と伏線回収が凄まじい
まず60分でここまでの物語を描き満足感を出せるのは凄い。
作画も圧倒的な背動、作画TUなど詰め込まれていた。
短い尺ながらの伏線のあり方やフィクション感を出しつつもそうでもないという説得感がある。
藤野先生の感情も上手く表現出来ていて分かりやすくいい作品でした。
とにかく作画が素晴らしい
現代最高峰の手描きアニメかも、という位素晴らしかったです。
原作の線がそのまま動いているようなそれでいてとても自然で細やかな動き。原作のキャラクターに命を吹き込むという、アニメ化する上で当たり前に誰もが目指すようなことを非常に高いレベルで達成していると感じました。
主演の2人の演技も素晴らしかったです。
思わずパンフレットを買いましたが、クレジットに原動画:井上俊之、協力:スタジオポノック/コントレール(魔女の宅急便の監督予定だった片渕須直の会社)と有るので「藤本タツキのキャラクターを元ジブリスタッフが動かしてる」という見方も出来るかも?
背中を見て
ルックバックの原作ファンはみんなぶっちゃけこの映画化不安だったでしょ。でも期待以上というか、間違いなく「ルックバック」で私は嬉しかった。
個人的に好きなのは教室で初めて京本の四コマを見て「自分は特別側の人間では無い、大多数側の1人」ということを知る有り得ない人数の教室のシーンと、藤野が来て咄嗟に京本が走り出すシーン。アニメーションの良さを存分に生かしていてすごくよかった。
四コマをコミカルにおこしていて見やすかった。漫画ではスっと進んだ部分も掘り下げられていて初めて見るシーンもちょこっとあった。そういう意味では初見の人もストーリーに着いていきやすいのかもしれない?
原作を初めて見た時の新鮮な気持ちと衝撃をもう一度感じることが出来た気分。朝苦手だけど公開初日の1番最初の回に来れてよかった。原作含め最高の作品だよ。
背中
ルックバックを漫画で読んだ時に受けた感銘とは別に、救いを感じた。二人にとってたった一つの救いが漫画だったし、漫画が二人を繋げてくれた。
漫画に限らず、作品にはそれぞれの視点からしか得られない感覚があって、それは上手い下手とか高い低いとか数値化では計れない絶対的な領域があると思う。
あんなに絵の上手な子に尊敬してもらえる。これほど嬉しいことはない。「なんで漫画描いてるの?」作るのってめんどくさいし大変だけど、たった一つの救いのためなら喰らって描く。
すごく良かった!あの時の余韻を延長させてくれた!
そして、フィクションは現実を生きる力になる
原作のファンです。
あのシーンはどうなるのかな?
このシーンはどんなかなぁ?と、不安と期待が入り混じった気持ちで鑑賞しましたが、
今この瞬間を大切に思える、とても素敵な映画でした。
“映画”好きな原作者も満足されたのではないでしょうか?
とにかく二人の一瞬一瞬が尊くて、かなり序盤から泣いてしまいました。
先の展開を知っているからだけではなく、ワンシーンワンシーンがとても丁寧に作られているから、なんでもない時間を愛おしく感じられました。
どんな小さな関わりでも、人と人は影響し合って生きている。
直接的であれ、間接的であれ、人との関わりのなかから「もっと上手くなりたい」「もっと喜んでもらいたい」というものづくりの原動力が生まれる。
そして、フィクションだから出来ることがある。
フィクションにしか出来ないことがある!!
河合優実さんにも期待していましたが、期待を超える素晴らしさでした。
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