ルックバックのレビュー・感想・評価
全489件中、461~480件目を表示
誰かの背中を見るためには自分は前を向くしかない
京都アニメーションの事件はもちろんのこと、理不尽な事件、近年脅威の規模が増している数々の自然災害。
被害者やその関係者の方々の胸中はいかばかりか。いくら想像しても当事者の心痛は共有できないし、いつも無力感に苛まれる。
生き残った者がしなければならないことは、いつまでも立ち止まっていることではなく、もしそこに彼や彼女がいたとしたらきっと笑顔で喜んでくれたり、褒めたりしてくれそうなことを続けていくこと。
とても大切なことをこれ以上なくシンプルに伝えてくれる素敵な作品でした。
※入場特典として配られた緑色の漫画冊子が原作なのでしょうか?
小学校の教室と疾走する少女のダサい腕の振りがリアル!
素晴らしい作品だった。間延びしていないというところを鑑みても、58分という上映時間は適切だったと思う。
まず職業柄いじっておかないといけないのは、小学校の教室のリアルさである。4年生の頃だけ習字の枚数が少なかったのは気になったが、学習机の質感、ロッカーにしまわれたランドセルの無造作感、掲示物の押さえるべきところをしっかり押さえている感。原作未読の自分からすると、この時点で『真摯で丁寧だ』という期待値を跳ね上げて臨めた。
冒頭酔いそうだったけど、没入感を持たせるには最高の滑り出し。
原作未読なのでタイトルのルックバックの意味の多層性に驚いた。主人公はそれでも後ろを振り返らず前に進む過程の丁寧さ。
映画内漫画(原作では漫画内漫画)の切り替えも面白い。アニメーションでしかできない表現が連発される。
青春映画には必須の疾走するシーンが何度かあるんだけど、特に雪道を走るシーンで手の動きがリアルなんだよな〜。とにかく手の振りがダサい。でも、これが漫画にかけてきた女の子の走り方とも言えるし、少し空手をかじった女の子の走り方とも言える。きれいに走らないからこそ全力さが伝わってくる。
特にこの映画の好きなところは、音の静と動の緩急。劇伴をしっかり鳴らすところと無音にするところのコントラスト。漫画をめくる音しか聴こえない時、満員の観客の息を呑んで見守る様子が伺えた。これぞ没入感。
もはやキャラクターの顔面も河合優実に見えてきた。声優さえ水準以上の出来でこなしてしまう彼女は、日本映画界の宝だ。
58分の名作
河合優実さんが声優に初挑戦ってこと以外に予備知識がなく、4コマ漫画が原作の映画だと勘違い。
短い映画だし、軽い気持ちで観に行った。
しかし冒頭、机に向かって漫画を描いている顔を鏡で見せる場面で、これは良作だと確信。
原作知らなくても端折られた感がなく、作画も音楽も作りが丁寧。
ifもしものように、あの時ああしてなければという思いはあるけれど、京本の「部屋から出てよかった」は確実に本心なだけに、藤野ちゃんの後悔と、あの1コマ目の切れ端がなんとも切ない。
終わった後に、予告編を観てもまた込み上げてくる。
すごいもの観ちゃった。
よくも悪くもそのまま
原作漫画が素晴らしいので、映画としてどうなるか?
音響のいい施設で聴く意味や吹替えの音声、60分という尺に合わせた動きなど、探しましたが個人的には原作読めばいいのでは?という感想しか浮かばず。
しかし悪いわけではなく、本当にそのまま動画にしているので不満はないです。
ひたむきに描く青春
ポスターに河合優実とか吉田美月喜の名前を見て楽しみにしていた作品。
60分ながら、特別興行1700円(普段はシニアだからイオンだと1100円)どうせならとULTIRAでの上映回で鑑賞。
藤野先生と京本のひたむきに漫画を描く青春。
河合優実と吉田美月喜という2人の若い才能に生命を吹き込まれ、アニメーションでしか成し得ない表現と美しい風景で観る者を魅了する。
河合優実と分かって聞いていてもはじめの方は分からない。高校生になってやっと河合優実。小学生の時は小学生の声になってたんだ。彼女なら、まる子ちゃんでもドラえもんでもルパンでも(たとえが古くてごめんなさい)演じられそう。
吉田美月喜の山形弁で呼びかける「藤野先生」の声もよかった。
振り返って見た(ルックバック)ドアにかかっていた半纏の背中には思わず泣いてしまった。
いつも自分の背中を追いかけてくれた京本。
追いかけてくれる彼女がいなくなって、藤野は描くことができなくなった。
彼女の部屋を訪れ、ふと振り返った先には、彼女が追いかけていた自分の背中があった。
藤野は前に向かって歩みはじめる。
もう一度観に行こう。
濃縮された実に気持ちの良い時間
押山清高監督作品。監督だけでなく脚本・キャラデも兼任し、まさに彼一色のような作品でした。
とにかくその熱量がすごい。
瑞々しいキャラクターとその作画の美しさ。色彩やカットも隙がなく美しい。
そして、その二人の少女の物語を彩るharuka nakamuraの音楽、ものすごいフィットしてました。これは素晴らしかったです。
全編を通して、夏休みのようなワクワク感に溢れているんですね。
尺は短い、でもとても濃縮された実に気持ちの良い時間でした。
素晴らしかったです。
鬼才が作った作品を天才たちが奥行きを広げる
藤本タツキが産み出した『ルックバック』を押本清高が奥行きをつけ、河合優実、吉田美月喜が藤野、京本に息吹を吹き込む。
原作は10回以上読んでいて、一体どんな作品に仕上がってくるのか、期待と不安でいっぱいだったが、藤野の第一声を聞いてすぐに安心した。さすが、河合優実。事前情報がなかったら、「完璧に藤野を演じる声優は誰だ?」ってなるよね。
秋田弁ネイティブ引きこもりの京本も原作のイメージそのまま。わざとらしさがない朴訥とした喋り方で藤野への憧れの気持ちを絞り出す。
ここのシーンは、初見であればコメディー的な感想を持つと思うが、先行きを知ってしまっている自分にとっては、涙が溢れてしまう。
京本にべた褒めされて、藤野が思わず歓喜のジャンプをする。
原作では見開き2ページを使っていて、ページをめくらずに、気の済むまで藤野に感情移入する静止時間帯。
ここのシーンをアップのスローモーションで演出するのではなく、映画的な表現で藤野の気持ちを表す。
京本が視界から消え、誰1人いないあぜ道を嬉しさにまかせて、全力で走る藤野。引きのアングルで自宅まで走り続ける藤野が映し出される。一刻も早くマンガを再開させたい藤野のはやる気持ちがスクリーンから伝わってくる。
『まんが道』的な展開から直角に折れ曲がり、よもやの出来事が待っているこの作品。
何度読んでも、胸が締めつけられる。それを、こんな素晴らしいアニメーションで鑑賞できるとは。
出張が早く終わったので、2回続けて鑑賞。2回目の回は、作品を愛する観客で埋め尽くされていて最高の環境だった。
重要なシーンでは誰も物音を立てずに息を呑んでスクリーンに集中している。エンドロールが終わると、感謝の拍手。
感動を共有して、余韻にひたる。何と贅沢な時間。
追記
3回目のルックバック鑑賞。あらゆるシーンで、背景がおそろしいくらい緻密に描き込まれていることに気がつく。
京本も無事に美大を卒業していれば、アニメーションの背景担当になったのかも。
なぜ描き続けるのか?
マンガやアニメには現実逃避だけではなく、辛い現実を癒す力がある。藤野が自ら作った4コマの世界が生命を持ち、希望という形になって戻ってくる。
haruka nakamuraの音楽を聴きながら幕が下りる。明日への活力がみなぎってくる。
もっとたくさんの人に観てほしい
原作を読んで知っていたので終始泣きながら見ていました。物語もそうですが、アニメーションも声も音楽も素晴らしかったです。藤野と京本が互いに名を呼び合う瞬間が好きでした。耳に残りますね。癒やされるような優しい歌声の主題歌もよかったです。
鑑賞後、劇場内が静まりかえっていたのが印象的。目が痛いです。しばらくはこの余韻を引きずって生きます。
無知ですみませんが、特別興行なのはなんででしょうか。様々な理由で劇場に足を運び辛い人や若い学生さんたちなど、もっと色んな人に見てほしいので。
儚くも愛おしい2人の物語
作品そのものの前評判が高かったことはもちろん、先日観た「あんのこと」で熱演を披露した河合優実が声優初挑戦ということもあって注目していた本作を、公開初日に観に行って来ました。上映時間58分と中編に属する作品でしたが、その展開やセリフ廻しは濃密かつ鮮烈で、無駄な部分が一切なく、長編を観た時のような心地よい疲労感を覚えることが出来ました。
ストーリーは”起承転結”がはっきりとしており、序盤から”転”の部分に起こるだろう悲劇を予感させるもので、まだ何も起こっていないうちから涙がこぼれそうになりながら観ていました(因みに原作は未読でした)。そんな感動を誘ったのは、藤野と京本という主人公2人の同級生の、親友でありライバルであり憧れの相手でありパートナーでもある関係性が、極めて不安定で儚げながらも、光り輝いていて実に美しく感じられたから。藤野の傲慢で野心満々で京本に対する支配欲すら感じさせる部分も、若気の至りという意味で誰もが経験し得るものであり、さらに京本の純粋過ぎる性格は、愛おしさしか感じませんでした。
そんな京本に襲い掛かった悲劇は、2019年に発生した京アニ事件を想起させるものでした。ネットで調べてみると、原作発表時にはその点で賛否もあったようですが、私としては、悲劇に接した人に思いを馳せ、それを作品世界に投影することは芸術の役割であり、前向きに評価すべきことかなと思ったところでした。
いずれにしても、擦り切れたオッサンの心すらもグラグラと揺すぶる本作のパワーは、実に見事なものでした。
藤野役の河合優実は、「あんのこと」の時もそうでしたが、ジェットコースター並みに起伏のある感情表現がホントに巧く、声優初挑戦とは思えないほどでした。京本役の吉田美月喜も声優初挑戦だったそうですが、「カムイのうた」の時とは一転、人付き合いが苦手で不登校になってしまった京本が藤野と出会って徐々に成長していく様子の愛おしさを、微妙な強弱で表しており、こちらも非常に良かったです。
そんな訳で、本作の評価は★4.5とします。
止めらるか、私たちを
2021年の藤本タツキの短編を映画化
チェンソーマンで暴れまくった後の短編で、こんなマンガも描けるのか、と当時震撼したことを覚えている。観る前に不安はなかったが、素晴らしい出来栄えに感嘆。
例えば藤野ちゃんが雨の中踊るシーンは、原作からの補完が完璧だった。あとこれはマンガ論になるのだろうけど、現実にあった理不尽で防ぎようもない事件と向き合うことを描くことをメジャーでやることのリスクを敢えてとった編集の手腕にも拍手。邪悪によって遮られること。そのことによって意味のないことになるかも知れない。けれど情熱は止められない。
ルックバックのミーニングには様々な想いが込められている。それはアニメーションという表現になって、なお多分にあって背景にも注目してほしい。特にエンドロールは観ているだけでも感動してしまいました。
58分と短いけれど色々詰まっていました。オマケにパイロット版のマンガがつきます
すごかった
すごかった、観てよかった。
話は原作通りで、漫画家などクリエイターになりたい・なろうと思ったことがない私には、ピンとこない部分はありつつつも。
結局は亡き友の分も描く・描くしかないという覚悟と、友の死も糧にしていく漫画家というものの業を描いていたのは理解でき、染みるところはありました。
しかし、アニメーションになったのを見てよかったと思ったのは、原作の再現性ではなく、圧倒的なフィルムとしての力。
京本が藤野への感情を爆発させた瞬間の涙目な笑顔。
藤野が京本に認められたあと、湧き出る悦びで雨の中をスキップする姿。
その演技、画力技法、動きで気持ちが伝わるシーン。
過度にならない音楽や効果音により感情の伝播。
いろんなアニメ、漫画、映画からのオマージュを取り入れたカット割り。
アニメーションとしての快感が詰まっていた。
そこに尽きます。
何度も観なおしたくなりました。
いい年して泣かされてしまったので
いい年して泣かされてしまったので私の負けです。
誤解しないでくださいね。映画版「ルックバック」はそんなに泣かせに振った演出してないんですよ? それでも胸に響くものは大きかった。
原作の持つ強度に加え、この映画版では藤野と京本がまるで生きているかのような写実的な芝居を見せてくれます。特に声優さん(俳優さん)には良い意味で期待を裏切られました。カットも一枚一枚が「絵」になっていて、プリントアウトして壁に飾りたいくらい質が高かった。原作の要素を丁寧に拾い上げてアニメーション的に拡張するという課題を、押山清高監督は極めて高いレベルでクリアーしてくれたと思います。「ルックバック」という作品が「京都アニメーション事件」を踏まえてクリエイティブの意義を見つめ直すというテーマ性を持っている事は皆さんご存知だと思いますが、この映画版は藤野と京本の青春物語という側面が強まっていると感じました。
劇伴のharuka nakamuraも素晴らしい。予告編では少々エモーショナル過ぎると感じていたのですが、作品のストーリー性にぴったりと嵌まっていました。才能の輝きに満ちた、捨てる瞬間なしの58分でした。
京本・・・😭
ストーリーはいいけどもったいない
話題のルックバックを観たが、ストーリーは◎。
ただし、ネタバレになるので割愛するが、あるシーンはちょっと
ストーリーとしては無理筋では。
京本がなぜひきこもったかももう少し踏み込んでも良かったのでは。
時間も見頃だし、観て良かった。
藤野役の声の出演河合優実はピッタリの配役だった。
ただ、もったいないアニメ。
原作に変な肉付けもなく純粋な映画化は良き
藤本タツキ信者で短編集もチェンソーマンも全て揃えているレベルだけどなぜこの作品を映画化?と思っていました。期待半分で初日劇場に足を運んで鑑賞したところ、1時間未満のショートフィルムかと思う尺だけど原作のタツキイズムがぎっしり詰まっていてほんわかとしてそして残酷で感動できる素晴らしい作品に仕上がっていました。満点評価でない理由はもっとこの世界を見たかったからで、ファンも満足の良い映画化だと思いました。
数量限定の入場者特典はまんまというかとても良いモノですのでお早めに!
まんが道
仕事終わりに映画でもと思い探してみると、上映1時間ポッキリの新作があるではないか⁉
特別料金¥1,700固定だが、雨の中渋谷まで電車でGO💨
原作者は藤本タツキ
「チェーンソーマン」は配信で観ていたぞ、と
声優は河合優実、ただいま旬の女優サン
舞台はどうやら東北らしい(藤本タツキは秋田出身だから)
相手役の声優は東北弁だ
悪くはない
関西(大阪)人が関西(大阪)弁にうるさいように、もちろん東北人も東北弁には一家言ある
しかし、東北人は関西(大阪)人みたいに露骨には非難しない
影で言う(最低‥)
冗談ですよ〜(・∀・)
アニメのパンフはすぐ売れきれるので、とりあえず買っておこう
¥1,500した…
オワリ
全489件中、461~480件目を表示