ルックバックのレビュー・感想・評価
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よくも悪くもそのまま
原作漫画が素晴らしいので、映画としてどうなるか?
音響のいい施設で聴く意味や吹替えの音声、60分という尺に合わせた動きなど、探しましたが個人的には原作読めばいいのでは?という感想しか浮かばず。
しかし悪いわけではなく、本当にそのまま動画にしているので不満はないです。
ひたむきに描く青春
ポスターに河合優実とか吉田美月喜の名前を見て楽しみにしていた作品。
60分ながら、特別興行1700円(普段はシニアだからイオンだと1100円)どうせならとULTIRAでの上映回で鑑賞。
藤野先生と京本のひたむきに漫画を描く青春。
河合優実と吉田美月喜という2人の若い才能に生命を吹き込まれ、アニメーションでしか成し得ない表現と美しい風景で観る者を魅了する。
河合優実と分かって聞いていてもはじめの方は分からない。高校生になってやっと河合優実。小学生の時は小学生の声になってたんだ。彼女なら、まる子ちゃんでもドラえもんでもルパンでも(たとえが古くてごめんなさい)演じられそう。
吉田美月喜の山形弁で呼びかける「藤野先生」の声もよかった。
振り返って見た(ルックバック)ドアにかかっていた半纏の背中には思わず泣いてしまった。
いつも自分の背中を追いかけてくれた京本。
追いかけてくれる彼女がいなくなって、藤野は描くことができなくなった。
彼女の部屋を訪れ、ふと振り返った先には、彼女が追いかけていた自分の背中があった。
藤野は前に向かって歩みはじめる。
もう一度観に行こう。
濃縮された実に気持ちの良い時間
押山清高監督作品。監督だけでなく脚本・キャラデも兼任し、まさに彼一色のような作品でした。
とにかくその熱量がすごい。
瑞々しいキャラクターとその作画の美しさ。色彩やカットも隙がなく美しい。
そして、その二人の少女の物語を彩るharuka nakamuraの音楽、ものすごいフィットしてました。これは素晴らしかったです。
全編を通して、夏休みのようなワクワク感に溢れているんですね。
尺は短い、でもとても濃縮された実に気持ちの良い時間でした。
素晴らしかったです。
鬼才が作った作品を天才たちが奥行きを広げる
藤本タツキが産み出した『ルックバック』を押本清高が奥行きをつけ、河合優実、吉田美月喜が藤野、京本に息吹を吹き込む。
原作は10回以上読んでいて、一体どんな作品に仕上がってくるのか、期待と不安でいっぱいだったが、藤野の第一声を聞いてすぐに安心した。さすが、河合優実。事前情報がなかったら、「完璧に藤野を演じる声優は誰だ?」ってなるよね。
秋田弁ネイティブ引きこもりの京本も原作のイメージそのまま。わざとらしさがない朴訥とした喋り方で藤野への憧れの気持ちを絞り出す。
ここのシーンは、初見であればコメディー的な感想を持つと思うが、先行きを知ってしまっている自分にとっては、涙が溢れてしまう。
京本にべた褒めされて、藤野が思わず歓喜のジャンプをする。
原作では見開き2ページを使っていて、ページをめくらずに、気の済むまで藤野に感情移入する静止時間帯。
ここのシーンをアップのスローモーションで演出するのではなく、映画的な表現で藤野の気持ちを表す。
京本が視界から消え、誰1人いないあぜ道を嬉しさにまかせて、全力で走る藤野。引きのアングルで自宅まで走り続ける藤野が映し出される。一刻も早くマンガを再開させたい藤野のはやる気持ちがスクリーンから伝わってくる。
『まんが道』的な展開から直角に折れ曲がり、よもやの出来事が待っているこの作品。
何度読んでも、胸が締めつけられる。それを、こんな素晴らしいアニメーションで鑑賞できるとは。
出張が早く終わったので、2回続けて鑑賞。2回目の回は、作品を愛する観客で埋め尽くされていて最高の環境だった。
重要なシーンでは誰も物音を立てずに息を呑んでスクリーンに集中している。エンドロールが終わると、感謝の拍手。
感動を共有して、余韻にひたる。何と贅沢な時間。
追記
3回目のルックバック鑑賞。あらゆるシーンで、背景がおそろしいくらい緻密に描き込まれていることに気がつく。
京本も無事に美大を卒業していれば、アニメーションの背景担当になったのかも。
なぜ描き続けるのか?
マンガやアニメには現実逃避だけではなく、辛い現実を癒す力がある。藤野が自ら作った4コマの世界が生命を持ち、希望という形になって戻ってくる。
haruka nakamuraの音楽を聴きながら幕が下りる。明日への活力がみなぎってくる。
もっとたくさんの人に観てほしい
原作を読んで知っていたので終始泣きながら見ていました。物語もそうですが、アニメーションも声も音楽も素晴らしかったです。藤野と京本が互いに名を呼び合う瞬間が好きでした。耳に残りますね。癒やされるような優しい歌声の主題歌もよかったです。
鑑賞後、劇場内が静まりかえっていたのが印象的。目が痛いです。しばらくはこの余韻を引きずって生きます。
無知ですみませんが、特別興行なのはなんででしょうか。様々な理由で劇場に足を運び辛い人や若い学生さんたちなど、もっと色んな人に見てほしいので。
儚くも愛おしい2人の物語
作品そのものの前評判が高かったことはもちろん、先日観た「あんのこと」で熱演を披露した河合優実が声優初挑戦ということもあって注目していた本作を、公開初日に観に行って来ました。上映時間58分と中編に属する作品でしたが、その展開やセリフ廻しは濃密かつ鮮烈で、無駄な部分が一切なく、長編を観た時のような心地よい疲労感を覚えることが出来ました。
ストーリーは”起承転結”がはっきりとしており、序盤から”転”の部分に起こるだろう悲劇を予感させるもので、まだ何も起こっていないうちから涙がこぼれそうになりながら観ていました(因みに原作は未読でした)。そんな感動を誘ったのは、藤野と京本という主人公2人の同級生の、親友でありライバルであり憧れの相手でありパートナーでもある関係性が、極めて不安定で儚げながらも、光り輝いていて実に美しく感じられたから。藤野の傲慢で野心満々で京本に対する支配欲すら感じさせる部分も、若気の至りという意味で誰もが経験し得るものであり、さらに京本の純粋過ぎる性格は、愛おしさしか感じませんでした。
そんな京本に襲い掛かった悲劇は、2019年に発生した京アニ事件を想起させるものでした。ネットで調べてみると、原作発表時にはその点で賛否もあったようですが、私としては、悲劇に接した人に思いを馳せ、それを作品世界に投影することは芸術の役割であり、前向きに評価すべきことかなと思ったところでした。
いずれにしても、擦り切れたオッサンの心すらもグラグラと揺すぶる本作のパワーは、実に見事なものでした。
藤野役の河合優実は、「あんのこと」の時もそうでしたが、ジェットコースター並みに起伏のある感情表現がホントに巧く、声優初挑戦とは思えないほどでした。京本役の吉田美月喜も声優初挑戦だったそうですが、「カムイのうた」の時とは一転、人付き合いが苦手で不登校になってしまった京本が藤野と出会って徐々に成長していく様子の愛おしさを、微妙な強弱で表しており、こちらも非常に良かったです。
そんな訳で、本作の評価は★4.5とします。
止めらるか、私たちを
2021年の藤本タツキの短編を映画化
チェンソーマンで暴れまくった後の短編で、こんなマンガも描けるのか、と当時震撼したことを覚えている。観る前に不安はなかったが、素晴らしい出来栄えに感嘆。
例えば藤野ちゃんが雨の中踊るシーンは、原作からの補完が完璧だった。あとこれはマンガ論になるのだろうけど、現実にあった理不尽で防ぎようもない事件と向き合うことを描くことをメジャーでやることのリスクを敢えてとった編集の手腕にも拍手。邪悪によって遮られること。そのことによって意味のないことになるかも知れない。けれど情熱は止められない。
ルックバックのミーニングには様々な想いが込められている。それはアニメーションという表現になって、なお多分にあって背景にも注目してほしい。特にエンドロールは観ているだけでも感動してしまいました。
58分と短いけれど色々詰まっていました。オマケにパイロット版のマンガがつきます
すごかった
すごかった、観てよかった。
話は原作通りで、漫画家などクリエイターになりたい・なろうと思ったことがない私には、ピンとこない部分はありつつつも。
結局は亡き友の分も描く・描くしかないという覚悟と、友の死も糧にしていく漫画家というものの業を描いていたのは理解でき、染みるところはありました。
しかし、アニメーションになったのを見てよかったと思ったのは、原作の再現性ではなく、圧倒的なフィルムとしての力。
京本が藤野への感情を爆発させた瞬間の涙目な笑顔。
藤野が京本に認められたあと、湧き出る悦びで雨の中をスキップする姿。
その演技、画力技法、動きで気持ちが伝わるシーン。
過度にならない音楽や効果音により感情の伝播。
いろんなアニメ、漫画、映画からのオマージュを取り入れたカット割り。
アニメーションとしての快感が詰まっていた。
そこに尽きます。
何度も観なおしたくなりました。
いい年して泣かされてしまったので
いい年して泣かされてしまったので私の負けです。
誤解しないでくださいね。映画版「ルックバック」はそんなに泣かせに振った演出してないんですよ? それでも胸に響くものは大きかった。
原作の持つ強度に加え、この映画版では藤野と京本がまるで生きているかのような写実的な芝居を見せてくれます。特に声優さん(俳優さん)には良い意味で期待を裏切られました。カットも一枚一枚が「絵」になっていて、プリントアウトして壁に飾りたいくらい質が高かった。原作の要素を丁寧に拾い上げてアニメーション的に拡張するという課題を、押山清高監督は極めて高いレベルでクリアーしてくれたと思います。「ルックバック」という作品が「京都アニメーション事件」を踏まえてクリエイティブの意義を問い直す事をテーマにしている事は皆さんご存知だと思いますが、この映画版は藤野と京本の青春物語という側面が強まっている、かも。
劇伴のharuka nakamuraも素晴らしい。予告編では少々エモーショナル過ぎると感じていたのですが、作品のストーリー性にぴったりです。才能の輝きに満ちた、捨てる瞬間なしの58分でした。
京本・・・😭
ストーリーはいいけどもったいない
話題のルックバックを観たが、ストーリーは◎。
ただし、ネタバレになるので割愛するが、あるシーンはちょっと
ストーリーとしては無理筋では。
京本がなぜひきこもったかももう少し踏み込んでも良かったのでは。
時間も見頃だし、観て良かった。
藤野役の声の出演河合優実はピッタリの配役だった。
ただ、もったいないアニメ。
原作に変な肉付けもなく純粋な映画化は良き
藤本タツキ信者で短編集もチェンソーマンも全て揃えているレベルだけどなぜこの作品を映画化?と思っていました。期待半分で初日劇場に足を運んで鑑賞したところ、1時間未満のショートフィルムかと思う尺だけど原作のタツキイズムがぎっしり詰まっていてほんわかとしてそして残酷で感動できる素晴らしい作品に仕上がっていました。満点評価でない理由はもっとこの世界を見たかったからで、ファンも満足の良い映画化だと思いました。
数量限定の入場者特典はまんまというかとても良いモノですのでお早めに!
まんが道
仕事終わりに映画でもと思い探してみると、上映1時間ポッキリの新作があるではないか⁉
特別料金¥1,700固定だが、雨の中渋谷まで電車でGO💨
原作者は藤本タツキ
「チェーンソーマン」は配信で観ていたぞ、と
声優は河合優実、ただいま旬の女優サン
舞台はどうやら東北らしい(藤本タツキは秋田出身だから)
相手役の声優は東北弁だ
悪くはない
関西(大阪)人が関西(大阪)弁にうるさいように、もちろん東北人も東北弁には一家言ある
しかし、東北人は関西(大阪)人みたいに露骨には非難しない
影で言う(最低‥)
冗談ですよ〜(・∀・)
アニメのパンフはすぐ売れきれるので、とりあえず買っておこう
¥1,500した…
オワリ
感動。圧倒。ありがとう。
朝イチ9時から鑑賞。
圧倒の1時間弱だった。
漫画版のルックバックは既に読んでいたが、上映後感動のあまり少し立てずにいた。
主人公2人の演技も素晴らしいのはもちろん、美しい美術、音楽、これからも頑張る人たちへのエールとも思える内容、全てがよかった。
チケットが1700円だからと迷っている人がいるなら見に行くべきだと思う。
絵つなぎの創意工夫で魅せられました
内容はもちろんのこと、めちゃくちゃ工夫された絵つなぎとかカット割が素晴らしくて、予想以上に引き込まれました。
見る前は短いかもなぁなんて不安もあったんですが、濃密で凝縮された内容に大満足です。最初から最後まで無駄もないし不足もないような、実に完璧な作品のように思ってしまいました。絵もいいし、非常に洗練されたアニメーションでした。
なりたかったのは、背中で語れる「ヒーロー」なんだ!
『チェンソーマン』や『ファイアパンチ』といったヒーローものを手がけてきた藤本タツキが、今作を生み出した必然性を感じた。
主人公・藤野は、相棒役・京本にとっての憧れの的であろうと必死だった。
京本の前では絶対に弱音を吐かないし、どんなにチヤホヤされても舞い上がることなんてしない。少し貫禄を見せるぐらいが丁度いい。
また、日頃から努力を怠らず、自分たちが進むべき道を「言葉」ではなく「行動」で示す。常に一歩先を行き、手本となり、導いてあげる。
そして、もし相手が困っていたら必ず助けに行き、得意な必殺技をキメる……。
そんな藤野もまたヒーローモノのマンガ(シャークキック)を執筆していて、彼女はクライマックスで自身の作品を読んで涙する。それは、京本からのメッセージのお陰で、自分の行動原理の根っこに「ヒーローになりたい」という想いがあることを再発見したから。そして京本が自分のことをヒーローとして認め、ヒーローを描き続けてきた人生は決して間違っていなかったと、全肯定してくれたからではないだろうか。
あと、チェンソーマン読者が思わずニヤリとするような描写が作中に散りばめられている。現在制作中の映画『チェンソーマン レゼ編』公開が俄然楽しみになった。
ハイクオリティな作画と伏線回収が凄まじい
まず60分でここまでの物語を描き満足感を出せるのは凄い。
作画も圧倒的な背動、作画TUなど詰め込まれていた。
短い尺ながらの伏線のあり方やフィクション感を出しつつもそうでもないという説得感がある。
藤野先生の感情も上手く表現出来ていて分かりやすくいい作品でした。
とにかく作画が素晴らしい
現代最高峰の手描きアニメかも、という位素晴らしかったです。
原作の線がそのまま動いているようなそれでいてとても自然で細やかな動き。原作のキャラクターに命を吹き込むという、アニメ化する上で当たり前に誰もが目指すようなことを非常に高いレベルで達成していると感じました。
主演の2人の演技も素晴らしかったです。
思わずパンフレットを買いましたが、クレジットに原動画:井上俊之、協力:スタジオポノック/コントレール(魔女の宅急便の監督予定だった片渕須直の会社)と有るので「藤本タツキのキャラクターを元ジブリスタッフが動かしてる」という見方も出来るかも?
背中を見て
ルックバックの原作ファンはみんなぶっちゃけこの映画化不安だったでしょ。でも期待以上というか、間違いなく「ルックバック」で私は嬉しかった。
個人的に好きなのは教室で初めて京本の四コマを見て「自分は特別側の人間では無い、大多数側の1人」ということを知る有り得ない人数の教室のシーンと、藤野が来て咄嗟に京本が走り出すシーン。アニメーションの良さを存分に生かしていてすごくよかった。
四コマをコミカルにおこしていて見やすかった。漫画ではスっと進んだ部分も掘り下げられていて初めて見るシーンもちょこっとあった。そういう意味では初見の人もストーリーに着いていきやすいのかもしれない?
原作を初めて見た時の新鮮な気持ちと衝撃をもう一度感じることが出来た気分。朝苦手だけど公開初日の1番最初の回に来れてよかった。原作含め最高の作品だよ。
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