ルックバックのレビュー・感想・評価
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あの日々、あの時間、あの一瞬を。
この映画の時間は常に右から左へ流れていく。藤野と京本が出会い、彼女が畦道を駆け抜けていったあの時から、一本の木が二人を分かつその時まで。
なぜ漫画を描き続けるのか。それは、二人で過ごしたあの日々があったからに他ならない。刻一刻と流れていく時間を止めることなんて出来はしないが、それでも、あの一瞬一瞬がなくなることにはならない。
漫画がそのままアニメに
映画化の意味
しがない漫画家です。
自分の作品がスランプすぎて漫画が嫌いになりそうな中、「読切が映画化って…」と謎の嫉妬心を抱えて鑑賞。ミジンコにもプライドがあるようです。
美しくもタツキ先生っぽさの残る線で動き出す二人に開始早々わくわくが止まらない。
まだ序盤なのにharuka nakamuraさんの美しすぎる劇伴も相まってしっかり号泣。
漫画家って色々あるけど、ほんと色々あるけど、でも描くの好きなんだろ。描くしかないんだろ。って背中に飛び蹴りされた勢いでエンドロールが終わった瞬間走って家帰って描きまくりました。
うん、やっぱり描くのが好きだ。
恥ずかしいくらい初心の部分だけど、ここの立ち位置にふと戻れる瞬間ってそうない。
絵を描く人には観てほしい。思うように描けずにずっと苦しんでいるなら尚更、1時間後きっと今までより良い線が描けるはず。
絵を描かない人もまた何を感じるんだろう。
原作者のタツキ先生だけでなく、タツキ先生と同じくらい線を描き続けてきたアニメーターの皆さんの想いもこもっている作品だと思います。
そういう意味でも映画化の価値がありあまる作品です。
漫画がテーマの映像作品の正解。人生で最高の映画。
自分の人生に置き換えて考えてしまう、秀作。
原作を膨らませる傑作
6月末日、敬愛してやまない医療漫画の
実写ドラマでめちゃくちゃ落胆していての鑑賞。
生き返りました。ありがとうございます。
「デッドデッド~」でも同様に感じた
原作漫画が膨らんでいくイメージ。
こんなにも「動く」ことに喜びを
感じるなんて・・・。
そして、原作漫画の行間(コマ間か?)を
埋めていくシーン(演出)の数々。
ただ原作をアニメ化するという
わけではなく、原作を十分解釈、理解して
いるであろう制作陣が作り出したからこそ
作品により深みが増したのだと思います。
秀逸だと思ったのは雨の中の
藤野ちゃんの帰宅シーン。
これはアニメ的演出・・・というか
映像的演出ですばらしい。
そして
「ルックバック」の意味。
制作陣の手の加え方が絶妙で
だからこそクライマックスが
より際立ってきます。
また、アニメの絵もいいのです。
漫画のタッチが残っているかのような。
そして動きも。すばらしいアニメーション。
エンドロールは声優陣ではなく、
制作スタッフが先に出てくるところも
拍手です!
演出上、ちょっと付け加えられている
こと、変更されていることがありますが
僕は「わかりやすく」なっている
すばらしいアレンジだと思いました。
でも、原作ファンの中では
「説明しすぎ」「ベタすぎ」
とおっしゃる方もいらっしゃる
かもしれませんが、
僕はこの作品が好きです。
素晴らしいと思います。
どうかどうか
沢山の方に観ていただきたい作品です。
原作を2倍以上楽しめて10倍泣きました。
もう一回みたいな。。
いろんな感情を殴ってくる作品
原作がネットで公開されるといろんな意味で騒然としたマンガ。
創作してるときの苦しさ、楽しさ、嫉妬と憧れ、自己顕示欲が同時に湧いて情緒が荒ぶる気持ち。
数年立ってもまだ記憶に刷り込まれた京アニ事件を連想させる内容。
そんな作品を映像化とは?
ケチと言われるかも知れないけど、映画を1本でも観るためにサービスデーとポイントをなるべく活用。
それが58分なのに一律1700円とは随分と豪気、よほど作品に自信があるのか? と観させてもらったら本当に素晴らしかった。
特に好きなのは、藤野が雨の中をズブ濡れになりながらスキップするシーン。
マンガでも大ゴマで喜びを表してる大事なシーンだけど、それがもっと膨らんで感情が画面から溢れてくる。
妙な間延びも無ければ、観てる感情を置いていく急かした感じが最後までない。
BGMは最小限だし、無音のシーンも多いのに、それが逆に無音が気持ちをざわめかせる。
原作物を映像化するとはこういうこと。
本当に素晴らしい物を観させてもらった。
ここからは映画の感想ではなく、自分の中の原作物に対するモヤモヤを整理した物なので読まなくていいです。
この作品を観る数日前に『BLACK JACK』がドラマ化され賛否両論。
その数ヶ月前には『セクシー田中さん』のドラマが大問題になり、今もいい落とし所は着いていないが、この作品を観て自分が原作物の何が見たく、何が不満かモヤモヤが解った気がする。
原作(マンガ)を食材に例えられがちだけど、ドラマ関係もアニメ関係どちらも食材を美味しく調理しようとするのに何が違うか?
個人的に感じる事だけど、ドラマの場合は手を加える事で美味しくしてあげようと脚本や監督のメッセージが余計な調味料として作品の素材を台無しにする。
同じ作品を読んでも感じるポイントや思うことが違うのは仕方ないけど、性別や性格を変えるのは違うし、いくら面白くてもだから受け入れられるかは別の話だ。
この作品やアニメの場合は、食材のポテンシャルを引き出そう、膨らませよう、まだまだ面白く出来るという思いが見える。
どちらも自分が手を加える事で美味しくしてやろうというのは変わらないのにこの差。
この作品は何かしら賞を取ると思うし、取らなきゃ嘘だ。
これを観た世の自分が凄いと勘違いしてる映像関係者。
そいつ等が、忠実に作品をなぞり、自分の余計な感情は乗せず、最大まで面白さを引き出された『ルックバック』でプライドや驕った矜持を殴られればいい。
人は一人で出来てるんじゃない
なんだろう?
1時間の映画なのに、何故か長編映画を観たくらいの時間感覚があった
それはきっと、映画内から醸し出される想像が膨大だったからかも
人はどこかで知らず知らず干渉し合い影響を受け合っている
人は一人で出来ているんじゃなく、沢山の人たちとの関係や繋がりという複雑さをもって出来ている
それは例え世界線や時間軸が違ったとしても、影響し合うものかもしれない。気づかないだけで繋がっているのかもしれない
主人公二人が辿る道は、どちらも正真正銘の真実なのだろう
自身が誰に影響や干渉を受け、どんな物事を取り込んで【自分自身】が形作られているのか、またその逆はどうなのかなど、観た後にじわじわと感じさせてくれる素敵な映画でした
60分の映画とは思えない内容の充実さ満足度
理不尽極まりない展開も前に進む
良いところ
藤本先生の勢いのある荒さと艶やかな色気のある線をいい感じ整えた絵になってた
メインの2人がいい演技してた
悪いところ
ない、強いて言えば短いところだが、無駄がないとも言える
割引ないんだよな
ただのエッセイ漫画ではなくループした時間軸のあるファンタジーな成分はあるが、すごく現実感を残した心に残るものがあった。
タイトルの通り、背中を見てみせることで2人が成長していくのが伝わってくる。背中にサインしたことで藤野が前に進み、前に進んだ藤野によって京本が前に進む。そして追いかけることから隣りに立ちたいと袂を分つけど、お互いがお互いの背中を追いかけていた事をすべてが手遅れになった後に気づいて、前に進めなくなった藤野の足を進めるようにしたのも京本の背中だった。このクルクルと回りながら前に進む姿がもどかしくも力強い。順風満帆ではないけど躓きながらも進んでる前に理不尽な不運を運ぶあたりは作者の画風というよりもセンスだな。原作読んでなかったら三日くらいひきづってたろうな。
伝えたいことと自分を認めること
58分
藤本タツキさんも存じ上げない、チェンソーマンも観たことない、なんの予備知識もなく、Instagramのストーリーズでこの作品を投稿されている方がいて気になって鑑賞した。
絵の美しさ、細かさ、日本の四季の移ろいの表現、俳優陣の声、そしてストーリー。58分間、満たされまくった。(映画館に行くとトイレが近くなって1時間半の作品だと後半30分"トイレニイキタイ"で脳内が支配されて集中できないので1時間ぐらいの映画が没入できて最高!!と実感!笑)
私が小学生、中学生のときって、確かに漫画を描いてる子って「オタク」「変わってる」扱いされていたな。でも、いつの時代もやっぱりあの時期って「みんなと一緒」じゃないと仲間はずれにされちゃう。それでも藤野は友だちに漫画描くのやめなよ、と言われても辞めなかった。外野にどう言われようと自分のやりたいことを続けられた藤野は凄い。
感じたこと書きたいことはたくさんあるけど、文才もないのでもうやめておこう。
とにかくたくさん泣いてしまった。悲しい結末ではあるけど、決してネガティブなものではない。
様々な角度から、色んな人の背中を押すのではないかな。
藤野が喜んで帰るスキップからの全速力シーン!
違和感の正体
今年一番の傑作、泣きたい人におすすめ
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