ルックバックのレビュー・感想・評価
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丁寧に丁寧に作られた高熱を持った映画
自分は特別な存在だと信じていたあの頃。
自分には才能など無いと気がついたあの日。
それを手に入れたくて手に入れたくて必死だった時間。
築き上げた物の中で、才能だけでは生きていけないことを知った昨日。
それでも生きていかなければいけない今日。
1時間という短い時間の中で振り返ってみた人生は、あまりに鮮烈で痛い。
漫画に忠実に、丁寧に丁寧に作られた作品。
その静かな映像と音楽の中に、線香花火の蕾のような、高い熱を持った芯を見る1時間だった。
背中を見て。そして前へ進もう
私より絵が上手い子なんかいない。引きこもりのあの子には負けたくない。
よし!もっと上手くなろう。
でもやっばりあの子の絵はすごい。
失った創作への意欲。
でも実はあの子は私に憧れてたんだ。袢纏に書いたサイン。
再び始まる創作活動。
いつの間にかあの子は私の部屋で一緒に絵を描いている。
このシーンとても好きです。
藤野と京本。ひたむきに漫画を書く二人の物語。
そうだ、京本はずっと私の背中を追いかけて来てくれていたんだ。
さあ、もう一度歩き出そう。
不幸な出来事で夢絶たれた、同じ志を持っていた人たちへの鎮魂歌でもあったのでしょうか。
ルックバック。
素晴らしかったです。
僕のつたない文章ではこの作品の良さををどう伝えたらいいかわかりませんので、ここまでにします。
ルックバックの世界を表現した河合優実・吉田美月喜のふたり見事でした。
みんなに見てもらいたい映画です。
一時間に満たない作品ですが、想いが込められた素晴らしい作品でした。
いい映画を見ました
あの事件のオマージュにより
原作者は天才
感動のあまりウルッときてしまった。
山形県の小学校の学校新聞で四コマ漫画を任される「藤野歩」(河合優美)は、同級生たちの賞賛を浴びることを無上の喜びとしている。ただ、斜に構えているところもあって、徹夜で考えたネタも5分でまとめたと友達には吹聴している。
担任から不登校の「京本」の漫画を新聞に載せていいかと訊かれ、内心不愉快だが、どうせ自分に勝てるはずがないと考えて承知する。だが、掲載された京本の作品の画力の高さに、衝撃を受ける。
同級生に自分より漫画がうまい者がいるのは許せないといきり立つ。それからはスケッチブックや技法書を買い込み、勉強もせず、友達遊びや家族の団欒も断ち、文字通り寝食を忘れてデッサンに打ち込む。だが、姉からは、父さんや母さんは口には出さないがお前を心配している、私と一緒に空手道場に通わないかと誘われる。友達からは、私たちもうすぐ中学生だよ、このままじゃオタクだと思われちゃうよと諭される。
いくら練習しても京本のレヴェルに追いつけず、ある日やーめたと漫画を諦める。友達遊びを再開して、姉と一緒に空手を習い始める。
小学校の卒業日、担任から京本に卒業証書を届けてくれと頼まれて、嫌々引き受ける(さすがに卒業証書授与は本人に学校に来させるか、担任が家庭訪問して行うのが普通だけど)。
玄関が開いていたので上がりこみ、廊下に山のように積み上げられたスケッチブックを目にして、京本も修練を重ねて画力をあげたのだと理解する。
その場で京本の不登校をからかうような四コマ漫画を描きあげるが、その紙を落としてしまう。漫画は奇跡のように子供部屋のドアの下に吸い込まれる。慌てた藤野は逃げ出すが、裸足で追いかけてきた京本(吉田美月喜)に、もしかして藤野先生ですか、ずっと前から尊敬してましたと声をかけられる。サインくださいと頼まれて、京本の半纏の背中にマジックで大きく「藤野歩」とサインする。なぜ漫画をやめてしまったんですかと訊かれて、実はコンクールに応募しようと思っている、だから四コマ漫画からは卒業したんだと出まかせを口にする。
有頂天になり、雪解け水の残る農道をスキップしながら帰宅。帰るなり、漫画を再開する。
中学校に進学した藤野と京本は、互いの家を行き来しながら、コンクールに向けた作品を1年がかりで完成させる。「藤野キョウ」のペンネームで『週刊少年ジャンプ』に応募して、見事佳作に入選する。
高校でも共作を続け、集英社の編集者から『ジャンプ』に連載してみないかと誘われる。だが、京本は美大に進んで絵の勉強をしたいと言い出し――といったストーリー。
きっと漫画をはじめクリエイティヴな分野で活躍している人は、多かれ少なかれ似たような青春を過ごしてきたんだろう。同じ目標を追い求める2人だからこそ、友情を超える絆が生まれた。京本が美大に進みたいと言ったのは、藤野と決別したいという意味ではなく、技量を上げてあらためて共作したいという気持ちだったに違いない。京本のように、優れた才能を持ちながら、志半ばにして夢断たれた人間が、この世にはいったいどれほどいることだろうか。
藤本タツキさんは『チェンソーマン』でしか知らなかったが、まぎれもなく天才だと思う。
アニメも良かった
文句なし100点
まいったな泣 最高の作品
全ての漫画に携わる人へ捧ぐ?
人気の漫画家さんは早くから才能を示していたと聞いた事がある そして夭折や亡くなったという話を聞くたびに漫画家ってブラックなお仕事なのかな?と調べたことも
パプワくんの作者はこけしを枕にして15分仮眠するとか、億稼いでも全然羨ましくないと言われたと仰っていた
でも作業風景はペーパーレスで少しは進化してるのですね
絵は江口寿史風に見えた
実はお互い才能を認めていた、ストーリーセンス溢れる強気な藤野と画力の引っ込み思案京本コンビ胸熱でした 若いからそりゃ途中から進みたい道も違ってくるよ 最後のパラレルワールド漫画で受答えにもぐっときてしまいました あれはきっと例の事件を示唆しているのですよね 全ての漫画家、アニメーターに捧げている作品だと感じました それにしても話題作なのか平日昼間の上映でも人が結構入っていた、人気振りに驚いた
あの日々、あの時間、あの一瞬を。
この映画の時間は常に右から左へ流れていく。藤野と京本が出会い、彼女が畦道を駆け抜けていったあの時から、一本の木が二人を分かつその時まで。
なぜ漫画を描き続けるのか。それは、二人で過ごしたあの日々があったからに他ならない。刻一刻と流れていく時間を止めることなんて出来はしないが、それでも、あの一瞬一瞬がなくなることにはならない。
漫画がそのままアニメに
映画化の意味
しがない漫画家です。
自分の作品がスランプすぎて漫画が嫌いになりそうな中、「読切が映画化って…」と謎の嫉妬心を抱えて鑑賞。ミジンコにもプライドがあるようです。
美しくもタツキ先生っぽさの残る線で動き出す二人に開始早々わくわくが止まらない。
まだ序盤なのにharuka nakamuraさんの美しすぎる劇伴も相まってしっかり号泣。
漫画家って色々あるけど、ほんと色々あるけど、でも描くの好きなんだろ。描くしかないんだろ。って背中に飛び蹴りされた勢いでエンドロールが終わった瞬間走って家帰って描きまくりました。
うん、やっぱり描くのが好きだ。
恥ずかしいくらい初心の部分だけど、ここの立ち位置にふと戻れる瞬間ってそうない。
絵を描く人には観てほしい。思うように描けずにずっと苦しんでいるなら尚更、1時間後きっと今までより良い線が描けるはず。
絵を描かない人もまた何を感じるんだろう。
原作者のタツキ先生だけでなく、タツキ先生と同じくらい線を描き続けてきたアニメーターの皆さんの想いもこもっている作品だと思います。
そういう意味でも映画化の価値がありあまる作品です。
漫画がテーマの映像作品の正解。人生で最高の映画。
自分の人生に置き換えて考えてしまう、秀作。
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