ルックバックのレビュー・感想・評価
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喜怒哀楽、心をいっぱい揺さぶられました。
アマプラから新作のお知らせで上がってきて調べてみたら、アニメを観てファンになった『チェンソーマン』の作者藤本タツキ先生原作で、1時間に満たない作品だったので夕食までの時間潰しに観てみようと軽い気持ちで観始めました。
小学校卒業文集の「将来の夢」に「漫画家」と書いたことを思い出しました。
あの頃は得意分野で自分以上の才能と出会ったらなんかイラついてたなぁ~、でも認めてもらったらとんでもなくうれしかったなぁ~、それが会話の中の何気ない一言だったとしても。
すげぇ気持ちわかる…とドンドン引き込まれていきました。
声優初挑戦という主人公2人の演技の素晴らしさに心揺さぶられます。
その反動で、事件が起こった後のBGMだけでセリフ無しの2人の思い出がスライドショーみたいに流れるシーンが余計に際立ち、涙が溢れて溢れて止まりませんでした。
とにかく2人のキャラがそれぞれ引き立ち、愛おしくてたまらなくなります。
最初から最後までシチュエーションや時間軸、背景が変わっても全編を通して描かれる執筆中のずっと変わらないひたむきさが伝わる右肩下がりの後ろ姿、タイトルと相まって印象に残ります。
作画、音楽、演技、短い時間内に全てがうまくシンクロして、軽く観るつもりがだいぶ心を持っていかれ、いいモノみせてもらったという気持ちになれる満足感の高い作品です。
胸が締め付けられるような切ないラスト。 少女の頃からの二人を見てい...
胸が締め付けられるような切ないラスト。
少女の頃からの二人を見ているだけに悲しさと感動が入り混じる。
「もっと絵が上手くなりたい」と言った京本の心境を深読みするとその健気な気持ちに胸打たれる。
60分と短い作品だが上手くまとめられており映画を観たという充実感は高い。
手描きタッチのアニメーションも印象的で、何より音楽が効果的で素晴らしかった。
最後静止画だけの回想シーンを観てファンタジーだったらよかったのにな、と思いを馳せてしまった。
痛みと癒し、空想とリアル。
絵を描く事の好きな二人の少女の物語。
プライドが高く自信家の少女、藤野さんが主人公。
彼女の感情の動きの映像化が饒舌で、なんと素敵なことか!
彼女を変えた引きこもり少女、京本さん。
ただひたすらに引きこもって絵を描いていた彼女だけれど、藤野さんのファンとして、藤野さんの漫画を支えたいという不器用ながらも一途な心情。
ただただキレイなだけの友情じゃなくて、
クリエイターとしての微妙で複雑な心情まで描かれている。
最後に見つけた四コマ漫画、ほっこりしつつも目から汗が…
キャラクターの絵や、田んぼの景色に、雪国の雪の描写はリアルで美しかった。
痛みと癒し、空想とリアル、心に刺さった作品でした。
映画館で見たのですが、簡単に語りたくなかったので、そのまま寝かして...
映画館で見たのですが、簡単に語りたくなかったので、そのまま寝かして、寝かしすぎてました。このたび、アマプラで再見したので書きます。
一緒に見た奥さんは、いまいち話の後半が理解できなかったようで私なりの解釈を解説しました。(こういう事で合っているかな。)
京本の葬式の夜、藤野が京本の家を訪れ、小学生の頃に書いた4コマ漫画を破った。「出てこないで」というコマがドアの隙間にすいこまれていった所から、藤野の妄想(京本生存ルート)が始まる。それは漫画家の性で、どんどん面白いストーリーになってしまうが、そこで京本の描いた漫画が返事のように風で返される(現実世界で、京本が背景だけではなく、漫画の練習もしていた物が窓から剥がれた)。「藤野先生、背中を見て」つまりルックバック(振り返れ)。それはまるで、私たちの過ごした時間を無かったことにしないで、というメッセージのようで、藤野は再び立ち上がり、作品を作ることを始める・・・という事だと思います。
私が、この映画から感じた事は3つありました。もちろん京都アニメーションの事件を念頭においてですが、1つは「暴力には屈しない。私たちは作品を作り続ける」という強い宣言。2つは「あなたたちの事、あなたたちの作品は忘れない」という犠牲者への優しい言葉。3つは、これは本当にそうか分かりませんが、事件を怒りのままにではなく、冷静に分解して、作品に昇華してみせてやるというクリエイター魂でした。
以上は原作の力でしょうが、アニメーションの技術的にも素晴らしい映画でした。最初の1シーン(夜空が回るシーン)からして、単なる回転に視点移動もあり、これは疎かには見れないな、と感じさせるものでした。特に背景が素晴らしく、東北の美しい風景が、美しすぎるほどに描かれています。背景にも注目(ルックバック)という事なんでしょうね。音楽(特にLight song)も素晴らしい。京本の秋田弁も耳に心地良かった。途中から身じろぎ一つできなくなる程引き込まれる演出技法も、様々な技法を駆使した実験的手法も。。。
全然褒めたりないけど、キリがないので、この辺で。
今年ナンバー1映画です。
感情、表情の細部まで表現されてる...!凄い!
アニメでこんなに泣いたのは久しぶりです。
細かいモーションや表情から登場人物の感情がリアルに伝わってきて、心を動かされました。
2人の何気ない会話の中で京本さんが「もっと絵が上手くなりたい」と話していたことを
思いますシーンがめちゃくちゃ泣けました。
芸大にいきたかった理由がそこにあったんだって、
京本さんの想いに気付いた瞬間の描画が素晴らしかったです。
こういうことは現実にもあって、表現しづらい部分や忘れてしまいがちな感情をこのアニメではリアルに表現していて、これはアニメを超えて芸術のような感じすらしました。
京本さんが通り魔に襲われているシーン、犯人は「パーフェクトブルー」に出てきたストーカーを連想させられました。またトラウマになりそうな位怖かったですw
とにかく素晴らしかったー!!
なんか悲しくて現実を変えられないという現実に非力さや儚さを感じて凄く泣いてしまいました。
チェンソーマンも大好きだから、タツキさんのこれからの作品が楽しみだし、応援したいです...!
並みの並み、刺さらず…
評判が良かったのでアマプラにて鑑賞。
映画(総合芸術)としての評価は並の並み。
特にドラマチックでも無い生きていれば誰でも経験有りそうなストーリー(原作者の実体験??)に、アニメーションでなければ表現出来ないエモーションも特に感じず、実写TVドラマだったら埋もれてしまったでしょうね。
主人公より引きこもりちゃんの方が家庭で心配されてるはず、喪服再訪シーンでも家族が出て来ず、そこ描かないのはとても違和感有り。
「先生」も、他人との接し方が不器用な引きこもりちゃんから感情的に呼ぶ・名付けるのではなく、マウント気質な主人公から"先生と呼びな!"の方がしっくり来そうな…
しかし、昨今の邦画作品、リアルな少年少女を描けるクリエイターが居ないように感じます、子供同士の会話・行動が"大人目線での少年少女"を感じてしまうんですよねぇ…
子供の頃の夢中だった感情を思い出す作品
藤野と京本の表情や声から、感情表現がとても伝わってくる映画でした。子供のキラキラした純粋さや、好きなことに熱中する事の素晴らしさが描かれています。
特に藤野が雨の中の帰り道、感情が溢れ出してスキップするシーンが素晴らしかったです。
子供はいつだって自分を褒めて、認めて欲しいと思っています。藤野にとって漫画を褒められる事は、自己の存在意義になっていたのでしょう。一度は諦めたそれを、自分が認めたライバルだった京本に褒めてもらえた事は、天にも昇る気持ちだったと思います。
自分にも絵を褒められた経験があり、その時の嬉しかった感情が蘇るようでした。
ハッピーエンドとは言えない最後でした。ですがそれは、作者の"漫画を書く"という事に対しての無力感から、行き着かざるを得ないラストシーンだったのではないかと思います。
しかし、ラストシーンの讃美歌が、京本の死と藤野の背中に祈りを捧げるような優しい曲でした。それにより、苦しくても哀しくても、前を向く良いラストとなったと思います。
間違いなんてない
あっ、おもしろい!
静かな悲しみ‥
「不覚にも涙腺緩みほろほろと頬を伝った涙モニタへ」 また詠んでみました。
鑑賞前こそ独特の絵柄に馴染めず、あまり期待せずの再生スタートでした。かなり最近の作品だったこと、アマプラでの配信当日だったこと、サクッと観るにはドンピシャな尺だったことが鑑賞の決め手になりました。(最近の映画長い!長すぎるよスレッガーさん!)1時間ににも満たない作品って珍しい映画体験です。
結論。不覚にも涙をほろほろと落としてしまいました。不器用な藤野と、朴訥すぎる京本の友情とお別れに泣けました。
クライマックスで一瞬、タイムリープ物に落としてのハッピーエンドになるのかと思いきや、お話上の現実は、そう甘くはありませんでした。
出来れば脚を折った藤野のVサイン救急車搬送での一件落着が本当の世界線であってほしいと願いました。
(背中にグサっ!とピッケル刺さっていたとしても・笑)
そういや本作は漫画描く人のあるある体験の連続でした。自分より絵の上手い人に猛烈に嫉妬や羨望抱いたり。インク瓶倒して原稿ダメにしちゃうとか。日常の一コマからアイデアをいただいているうちに、ふと空想に脳を委ねてそっちの世界に行っちゃうとか。半年間のR-18指定連載を描いていた程度の身の上ですが。
不思議な時間軸パートが現実であってほしいと願って観ていた終盤でした。
真っ暗な京本の部屋で回想される二人の幸せだったころの絵に涙が溢れてきました。
「私といた時間を振り返って」とでも言いたげな藤本のサイン入り袢纏、けれど「前を見て歩んで」とも言いたげな真っ白な四コマ原稿用紙。
京本の遺志を継ぐかのように、前を見てまた歩み始めた藤野の徹夜で物語が締められて本当によかったです。エンドロールの余韻まで最高でした。
この物語、実写でも観てみたいです。キャスティングの京本はのん希望です。のんしかいません。藤野は剛力彩芽なんていかがでしょうか?(いかがでしょうかって問われてもなぁ…ですよね)年齢的にちょっと厳しいんですが。JDくらいが適役の女優さんって、まるっきり知らないよ!坂道シリーズの方がいいんだろうなぁ。だから知らないんだって!だったら破蛇つつくなって!
短編の原作を1時間未満の尺にして描いてくださった押山清高氏に敬意を表して、今回は自分史上最もサクッとコンパクトにまとめた感想文にしてみました。余計なこと書かなきゃもっと短くまとめられたんですが。
原作も読んでみたいです。143ページということですので。
4コマのオチ
マンガと映画のいいとこ取りの素晴らしい作品。
短いながらもストーリィはお互いの青春と友情、サクセスストーリィを詰め込んだ見応え。
見どころは本当にたくさんあるので困る。
お互いがお互いの背中を見て走る
キョウモトの絵の上手さに描くことを諦めたフジノに見せるのは再びマンガへとひきも引き戻すキョウモトの背中。
引きこもりだったキョウモトを外の世界へと引っ張るのはフジノの背中。
ラスト、マンガに後悔し絶望したときに見たのはあの日のキョウモトの背中。
そこには「藤野歩」
再びマンガと向き合うフジノ
事件のテロップが入るあたり京アニの事件の鎮魂も思わせる。
キョウモトに対して描いた4コマのオチは死
フジノに対して描いた4コマのオチも死
冒頭のフジノが描いた4コマも小学4年であのネタはすごいと思ったよ。面白い。
単行本の表紙とかほぼチェンソーマンでサービスも多い。
嬉しい時には雨の中でステップを踏むのである。
その背中を見て
「ルックバック」言葉の通りその背中を見てという事になる。主人公の女の子は、小さい頃から自分の描いてる漫画が上手い上手いと周りに褒められてきて、自分自身もなんだかそれを真に受けて生きてきた。
それでもある日同じクラスの生徒で、同じく漫画を描く作品を見た時に自分の作品がどれだけ滑稽に映っていたのかを自分自身が驚愕する事になる。
この作品ですごいと感じたのは、その自分の力のなさに一度は、漫画を描くを諦めた事。
それは、自分の限界がここまでなんだとボーダーを引いて下がろとした。
でも、同じく漫画を描いてる家に踏み入れた時に自分は、【頑張っても才能のあるやつなんかに勝ってないよね?】という自分の考え方を後ろから殴りつけられる程にその子は、頑張っている事を知った。
そこでその主人公は、諦めるのではなく、さらに漫画を描き始める事になる。普通ならそこでまたも諦めそうな気もするのにそれでも続けていくのは、自分がやりたい事がこれだ!といえるくらいに自信があったからなんだろうと思う。
【自分が好きな事】と【自分が得意な事】は、似ているようで違う。それは、努力を続けるのに価値があるのかとも言えるかもしれない。得意ならそれ以上に頑張らなくてもなんとなくこなせてしまう気がするから。
でも、頑張っている人にしか見えない光景があるはずだと僕自身は、信じている。
頑張ることが正しいと言うことを言いたいのではないけど、頑張らないとダメな自分に向き合えないと考えているから。
この作品は、色んな観点から見てもものすごく示唆に飛んだ作品で見る度に自分の考え方を変えてくれるような気がする作品でした。
とても面白い作品で短いながらも濃縮な1時間でした。
全745件中、121~140件目を表示