「「不覚にも涙腺緩みほろほろと頬を伝った涙モニタへ」 また詠んでみました。」ルックバック 野球十兵衛、さんの映画レビュー(感想・評価)
「不覚にも涙腺緩みほろほろと頬を伝った涙モニタへ」 また詠んでみました。
鑑賞前こそ独特の絵柄に馴染めず、あまり期待せずの再生スタートでした。かなり最近の作品だったこと、アマプラでの配信当日だったこと、サクッと観るにはドンピシャな尺だったことが鑑賞の決め手になりました。(最近の映画長い!長すぎるよスレッガーさん!)1時間ににも満たない作品って珍しい映画体験です。
結論。不覚にも涙をほろほろと落としてしまいました。不器用な藤野と、朴訥すぎる京本の友情とお別れに泣けました。
クライマックスで一瞬、タイムリープ物に落としてのハッピーエンドになるのかと思いきや、お話上の現実は、そう甘くはありませんでした。
出来れば脚を折った藤野のVサイン救急車搬送での一件落着が本当の世界線であってほしいと願いました。
(背中にグサっ!とピッケル刺さっていたとしても・笑)
そういや本作は漫画描く人のあるある体験の連続でした。自分より絵の上手い人に猛烈に嫉妬や羨望抱いたり。インク瓶倒して原稿ダメにしちゃうとか。日常の一コマからアイデアをいただいているうちに、ふと空想に脳を委ねてそっちの世界に行っちゃうとか。半年間のR-18指定連載を描いていた程度の身の上ですが。
不思議な時間軸パートが現実であってほしいと願って観ていた終盤でした。
真っ暗な京本の部屋で回想される二人の幸せだったころの絵に涙が溢れてきました。
「私といた時間を振り返って」とでも言いたげな藤本のサイン入り袢纏、けれど「前を見て歩んで」とも言いたげな真っ白な四コマ原稿用紙。
京本の遺志を継ぐかのように、前を見てまた歩み始めた藤野の徹夜で物語が締められて本当によかったです。エンドロールの余韻まで最高でした。
この物語、実写でも観てみたいです。キャスティングの京本はのん希望です。のんしかいません。藤野は剛力彩芽なんていかがでしょうか?(いかがでしょうかって問われてもなぁ…ですよね)年齢的にちょっと厳しいんですが。JDくらいが適役の女優さんって、まるっきり知らないよ!坂道シリーズの方がいいんだろうなぁ。だから知らないんだって!だったら破蛇つつくなって!
短編の原作を1時間未満の尺にして描いてくださった押山清高氏に敬意を表して、今回は自分史上最もサクッとコンパクトにまとめた感想文にしてみました。余計なこと書かなきゃもっと短くまとめられたんですが。
原作も読んでみたいです。143ページということですので。