劇場公開日 2024年6月28日

「没頭できるものと友と出会える幸せ」ルックバック ヤナコさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5没頭できるものと友と出会える幸せ

2024年7月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

原作発表時に一度読みました。少し感動。
それからの映画化。正直観に行く予定はありませんでしたが、友人から声をかけられて行くことに。
それ故、前情報などを入れず、極めてフラットに見ました。

涙は出なかったですが、心揺さぶられました。

何だろう? 漫画(原作)の足りない部分を完全に補完しているからかと。
特に音楽が特に良い感じ。そして声優さんも素晴しいお仕事でした。
ドラマ放送終了後の最近「不適切にもほどがある」をみたので、藤野役が河合優実さんだと知っていても、全然彼女の顔が思い浮かばないほどの名演技でした。
監督さんが原作リスペクトであることがしっかり伝わってくると感じました。

原作が既に絶対的な熱量を持っているのでしょうね。老若男女で劇場内9割ほどの混雑が、この作品の人気を物語っているなぁと思いました。

たぶん、俺がこの物語の二人のように没頭できる何かに出会えなかったのが、涙が流れなかった原因かと思います。

 そして50歳オーバーには漫画や映画、ドラマ、アニメなどで「キャラクターの死」に対して耐性がついてしまって、驚くことはあってもあまり心動かされることが少なくなってしまうのですが、京本の死とそれにまつわる演出には久し振りにぐっと胸が詰まらせられました。

 自分の今現在までの人生は、自分自身で幸せだと思ってはいるのですが、先にも書いたとおり「没頭できるもの」とは出会えていない、もしかしたら、これから出会えるのかもしれないのだけれど、「同じ夢を、同じ熱量で追い続ける友」とは流石にもう巡り会うことはないので、若者の熱い情熱は素晴しく羨ましいと思いました。

友人に誘われて、この作品をスクリーンで見られて良かったと思いました。

8/2 二度目の鑑賞。感動は全く色褪せない。原作の物語とキャラクターがしっかりとしているので、小説でも十分感動が出来るのだろうなと。更に画がついて漫画としてのクオリティーが素晴しいところへ映画関係者のチームワークとリスペクトががっしりと組み合っているのだと感じます。

劇場約6割くらいの入り。まだまだ熱量は続いていますね。

思ったのですが、この作品漫画を書くために四六時中二人は一緒に作業をして、LINEのやりとりなどは出てこないのですが、今はそういう付き合い方(距離感)を嫌がる若い世代が多いような気がするのですが、20代前後の方達はその辺りどう感じているのか気になりました。

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ヤナコ