劇場公開日 2024年6月28日

「原作未読でも是非」ルックバック ごはんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0原作未読でも是非

2024年6月29日
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鑑賞方法:映画館

原作は未読で内容も知らないまま鑑賞。
これ1時間しかないのかって思う、ギュッと詰まった作品。
でも1時間しかないのが良いのかもな。

「実力差に心折られる」
主人公藤野は京本との画力の差を痛感しているわけだけど、1回目は腐ることなくナニクソな気持ちで絵を描きまくるけど、描きまくった結果、画力向上したとて相変わらず差があり、見事に心折れてしまう。
自分の経験上ナニクソな気持ちで励むのも、心折れるのもすごくよくわかる。
でも1回目で腐らなかったの本当すごいなと。テキトーに漫画飽きたとかでいくらでも言い訳もできたのにね。素晴らしい。

「もしあの時…」
とある事件をきっかけにメンタル追い込まれ、もしあの時と考える藤野だけど、想像のその世界線でも結局2人が出会っている展開はすごく良かった。
そして京本が藤野のことを先生と呼ぶくらいの対象であった事も。
想像、妄想の世界線だからそんなのご都合だろうけど、そうであって欲しいし、想像した本人が何よりどの選択しても京本と出会いたいという気持ちが溢れてて良かった。

「ルックバック」
原作知らないのでタイトルのどういう意味かと思ってたけど、なるほどな感じ。
キレイに物語を締めつつ、物語や見ていた映像などいろんなところに掛かってくる素晴らしいタイトルだった。

「とにかく描け」
画力上げるためのアドバイスとしてとにかく描け的な文が出てくるけど、それはホントそうだし、そして何より藤野はある意味宿命のようにもうとにかく描くしかないんだろう。
それが良いのか悪いのかはわからないけど。

上映前は60分しかないし、どんなもんだろと思っていたけど、ホント素晴らしい作品でした。特に何かクリエイティブな仕事、それを目指している人にはおすすめしたいかも。

ごはん