「ようこそ、"nerd" の世界へ!?」Ike Boys イケボーイズ Paula Smithyさんの映画レビュー(感想・評価)
ようこそ、"nerd" の世界へ!?
意地悪で nerd を小馬鹿にする同じクラスのハンターからショーンはこのように聞かれます。
How do you say "eat a dick" in Japanese?
Shawn:チ〇ポ 食べたいください?
※これは誤字ではありません。このように聞こえましたマル
ところで80年代に "アメ リカにおける家族の 「伝統的」構造" は、終わったという人がいるなら... ショーンがヴィクに次のように映画の冒頭で父親の事を少しシニカルに批判します。
He doesn't understand anything. He
can't even tell the difference between
Japan and China.
I haven't seen my dad in a month.
全体の38%を占める大卒者を含め、一般的アメリカ人では日本と中華(差別用語ではありません)が地球儀でどこにあるかなんて、サラサラ知らないのは当然の人たちが、まして、その違いの区別がつかないことが、当たり前ならば、特にアメリカの笑えないジョークの連続でカナダ人の風習や発音を冷笑的におちょくった映画『Yoga Hosers(2016)』が反面教師とするなら、そのことを日本人のあたしからするとカナダ人特有の発音「Canadian Raising」をアイロニー的に示した...
"Sorry 'boot that"
※(“out and about” をカナダの人は、“oot and aboot” と発音する場合が多いとアメリカ人は言う。ただし、 oat and a boat とも)
とJKコンビのアホ娘たちが客に言う時に大げさに使っているのに彼らの発音の違いですら知り由もない稚拙なエイプとしては、アメリカ人もカナダ人も区別がつきやしない... 日本人がカナダ人に対して「あらっ、やだ!? あなた英語も話すし~ぃ、アメリカ人じゃ~ぁなかったの?」なんて口が滑ろうものなら... アメリカ人と同じように先住民族の文化や言語を破壊するための政策が行われたカナダでは希少価値の頭のいいイーゴゥのバランスが取れている方なら「おバカな尻尾のないイ〇ローがまた変なこと言ってら~ぁ」 なんて済ませるかもね?
(※カナダでは、2021年に先住民の同化政策の寄宿学校跡地から3才と思われる子供を含めた未成年215人の遺体が発見されている。政府から依頼された宗教団体(カトリック系)によって19世紀から1990年代まで運営されていた寄宿学校が139校ほどあったとされ、全容を解決するにはまだまだ時間がかかるらしい。)
そんなことよりも
"I haven't seen my dad in a month." の方が映画としたら大事です。
話は変わって、
本作を観る前は映画の題名『Iké Boys』の "Iké" がどういう意味か?分からなかった。調べてみると e の上にある点の
「アキュート・アクセント( ´ )」は『Pokémon』と同じ "e" を発音するためで、その事はショーンとヴィクとの会話より知ることに...(ただし、その事は別の映画サイトでも但し書きにありました。)
Vik:Are you sure that's the right movie?
Shawn:Well, yeah. The title says "Iké."
Vik:Icky?
Shawn:Yeah, yeah, "ee-kay." The
imperative for "Go."
Vik:I thought "Iké Man" meant like,
hot guy.
この映画にはもう一つのサブトピックとしての
VISION QUEST
がある。それは1999年に放送された Sci-Fi シリーズより...
※スタートレック・ヴォイジャーの副長であり、ネイティブアメリカンを祖先に持つチャコティが:5S19E『眩惑のカオス・スペース』で異星人との交信に使われている。少し解釈や意味が違うけど
この映画は等身大で優しい映画なんですマス
2000年を迎える前にY2K問題で散々騒いだのはいい思い出として、日本の80年代と90年代を代表するポップカルチャーとオクラホマで起こる出来事のシンクロニシティをバックグラウンドとして、誰もが一度は通過しないといけない10代の儀礼的親子関係や恋愛や友情、そして「自分は一体全体、誰で何なんだ?」なんてことを探す旅へのシンパシーに対して、表現は悪いかもしれないけど甘くて淡いノスタルジックへのラブレターとなる映画なのかもしれない。その事は、監督のエリック・マキーバーがインタビュアーから自伝的要素の占める割合を聞かれた時にこのように答えている。(映画サイト Cinema Scholars の2021.10.2のインタビュー記事より)
A great deal of it. I mean, the lead character, Shawn, is
mostly based off of me. The character of Vik is loosely
inspired by my best friend. Miki is an amalgam of
various close Japanese female friends that I’ve met
since going to Tokyo. And then there’s just a lot of little
things in there. I mean the character of Shawn’s father,
he’s kind of a mixture of several childhood friends. And
there’s a lot of little subtle things in there, like the school
that we shot, that’s the school I grew up at.
ソフビの販促のためのギミック...着ぐるみ文化
本編で実写とシンクロさせる2Dアニメは、フランスと台湾のチームが製作をし、ラストのシーンは日本人も参加している。その事は、テレビで60年代から90年代にかけて安価なアメリカのアニメーションと日本やアジア諸国との絵づらやフィルム・スコアの微妙な違いを知っている監督ならではのことで敬意の表れであり、また神秘主義的で儀式の意味合いの強いネイティブ・アメリカンの "VISION QUEST" を描くあたり、キリスト教至上主義のコケージョンとしては稀なのかもしれない。
とにもかくにもファンタジー色のファクターを含む映画を拝見するとトラウマのようにキングが気に食わないモノ(映画や脚本)に対して放った言葉を思い出さずにはいられない。
‘The Shining’ Is “Like A Big, Beautiful
Cadillac With No Engine Inside It”
返歌のように
自己満の強い原作者であり時代の寵児である小説家よりも超感覚的知覚:ESP(イー・エス・ピー)に興味があったから『シャイニング』の製作をしたきっかけだと語るキューブリックがフランスの映画評論家シメントとの対談でこんなことを
I believe fantasy stories at their best serve the same
function for us that fairy tales and mythology formerly
did. The current popularity of fantasy, particularly in
films, suggests that popular culture, at least, isn't
getting what it wants from realism. The nineteenth
century was the golden age of realistic fiction. The
twentieth century may be the golden age of fantasy.
今の映画産業を見ていると20世紀のみならず、その事は21世紀になっても引き継がれていると思えるかも?
そして... 恋愛やファンタジーって核分裂と同じなのよね? 1968年の映画『Charly』では主人公のチャーリーがあることを尋ねた時に下記のセリフよりアリスの返事が "YES" だと思っていたあたし...
でもその陰には悲しいセオリーとして
Alice:Didn't Einstein say...
that everything was in motion,
that nothing ever stands still?
ところで個人的なことで恐縮するけれど映画が始まって、間もなく登場するショーンの空手の先生:ニュート・グラフストロム役の役者さんが「どっかで見たことがあるけど誰だっけ~ぇ?」なんて考えていると... 『タイタニック』で嫌な野郎?失礼、紳士役を演じていたビリー・ゼインさんでした。釈さんは、今話題のゴジラでお馴染みの東宝映画『ゴジラ×メカゴジラ 』の演技が監督にはうけたそうです。
みきちゃんが探していた答え...
"The thing I was looking for was
right there inside me all along."
...は、"me" を "you" に換えれば『オズの魔法使い』風な名言となりんすってか?