室町無頼のレビュー・感想・評価
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キャラは良いのだが
室町時代の一揆を扇動した男の人生。
原作はあるのだが、脚本を書くなら原作とは異なっても主人公の死に様についてはもっとカタルシスを語っても良かったんじゃないかと思えた。彼のキャラはよく出来てるが故に残念でした。
また一揆のシーンも人を大勢出演させる派手さのみで戦いの描き方も単調で迫力に欠けた感じがした。
あの音楽の意味をしりたい
室町時代についてはなかなか難しい時代だと思っているのですが、
映像化したことに敬意を表します。
想像を上回る絵面の暗さというか黒っぽさが、なんともだし、時々目をそむけたくなる画面もありました。ひどい時代だった。
なので終盤の松明の洪水シーンは胸のすく思いだったし、全体的に悪くない作品だったと思うんですが…
音楽だけが解せなかったです。
なぜあの音楽が採用になったのか、理由をしりたいです。
昭和にテレビで見た時代劇を思い起こさせる音楽、でもあれはほとんど江戸時代ものですよね。
もっと、あの暗澹たる室町の空気を感じさせてくれる音楽を聞きたかったです。
大泉洋も、堤真一も、北村一輝も、全出演者みな良かったと思えただけに、残念。
カエルも、最後まで頑張ったねぇ(しみじみ)。
ラストにちらっと出てきた子供(名前聞き取れなかった)はもしかしてどちらかの子なのかな、と少し希望の余韻に浸りました。
大泉洋が格好いい(O_O)!
コメディじゃない大泉洋かー
みんな格好いいって言うけど、本当に?
殺陣できるの?
と半信半疑で観に行ったが、本当に格好良かった!
飄々としていて人たらしで剣の達人って、
ピッタリの役だな
応仁の乱のすこし前、
日本史上初の武士階級が指揮した一揆
これが乱世の幕開けか…
今の日本もそのうち一揆起こしそうだけど…
この映画は撮影に8年かかっているとか
長すぎてかなり驚いたけど
そっか、コロナか…
8年かかっても最後までやってくれて良かった
あと殺陣もかなり特訓したみたいで
先生が大泉洋の殺陣を見て泣いていたとか笑
それを考えると、並々ならぬ努力をされたのだと思う
カエル(才蔵)の成長っぷりもなかなか良かった
あの修行シーンは痛そうで見てられなかったけど…
六尺棒で暴れまくるのが格好いい
(存じ上げなかったけど、アイドル?なのかな)
あと、北村一輝は悪役やらせると本当にいい
この大名は映画オリジナルキャラだけど、実在する人物だとか
めちゃくちゃ分かりやすい悪党だね
一揆で大騒ぎしている中、ベロベロに酔っ払って登場…笑
そしてゲロ…(*`◇)<吐吐吐
空気読めてないのもいい味だしてる
(原作は分からないけど)
史実では蓮田兵衛は一揆鎮圧後に処刑となっているが、
あえて骨皮道賢と対決させたんだろうな
YouTubeで酷評している人がいたけど、
あそこまできたら処刑じゃなくて対決かなって感じ
私は好きな作品だったから、配信されてもまた絶対観る!
なぜだ!
なぜこんな音楽なんだ!
ストーリーはめちゃくちゃ好みなのに、音楽が台無しにしてるじゃないか(´;ω;`)
カエルくんの終盤の無双とか気持ちよすぎたし、松明片手についに洛中のど真ん中までたどり着くシーンはすごすぎました。
その後のゴチャゴチャ感は置いといて。
音楽抜きにしたら良かった点のほうが多いです。こんな大規模なものを作る事ができるのは尊敬しかありません。
でも少し気になった点を
・音楽 ぼくが時代劇初心者だからかもしれませんが冒頭時点で「oh…」となりました
・警護役の女性斥候。終盤、弓矢使いの朝鮮人とバトってましたが、なんかさいごの河原のシーンで生きてましたね。そこは倒されなきゃ
・カエル無双シーンの間に、骨皮の目の前にいたはずなのに消えた蓮田。
・いいとこ取りで酒酔いゲロの守を殺す蓮田
・抜くなって言った槍抜いちゃうのね
でも抜くしかないから仕方ないか。
端からこの河原のシーンいらんかったのでは
ちょうど授業で室町時代のことを勉強してて、当時の地獄をイメージしやすくなる、とても良い映画でした。
端と端をしっかり結べてくれればいい小豆袋になったのになぁと思います。
ついでに音楽というスパイスを然るべき小豆にかけておけば…
陰陽師0のときも北村さんは敵でした。今回も憎たらしい役をしてて、ほんとに幅広い役者さんだなぁと感銘を受けました!
プロットが一つだけで平板
面白くなかった訳ではない。大泉洋氏演ずる蓮田兵衛は魅力たっぷり。迫力も凄かった。
しかし、プロットが一揆だけ、成長譚は名もなき棒使い君というのが惜しい。作品として平板な感じがした。
確かに原作があるので大幅な改変になるとは思うから難しいのは分かる。
しかし、同じ時代に折角、あの戦国時代を始めたと言われる「北条早雲(伊勢新九郎)」が生きて雌伏している、それも敵側(伊勢氏)にいるのに、出てくることもない。本家筋の伊勢貞親が出てるのに…実に勿体無い。
北条早雲を出してきて、敵方ながら蓮田兵衛との繋がりを通じて蓮田の意志を継ぐとかなら、もっと物語は広がったと思うのに。
敵役が小者の骨皮道賢だものなぁ。あの棒使いの所は削っても良かったし、色々と残念な作品だなと思った。
宣伝は上手いし、演出や画面自体は良いんですけどね…。
北条早雲のくだりは、ゆうきまさみ氏の漫画「新九郎奔る」をご覧になればご理解頂けると思います。ほぼ同じ時代(新九郎〜の方が少し後)なので、「惜しいなー、折角のコンテンツを」と思っちゃうんですよね。
ミスキャスト。
時代劇は好きだが大泉洋はあまり好きではない(どの役をやっても同じに見えるので)。どうせ数ヶ月待てばWOWOWでやるだろうし、と思っていたがタイミングが合ったので行ってみた。まあまあ面白かったし、(CGも駆使しているのだろうが)殺陣は思いの外良かった。が、時代劇としては軽い。そして、何よりキャスティングが疑問。どう考えても大泉洋と堤真一の役は入れ替えるべきだろう。狭い部屋で前の方に座ったらスクリーンが大きいので観るのに疲れた。
好みとはまた違うのですが、それでも大変面白く観ました
(完全ネタバレなので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
結論から言うと、今作の映画『室町無頼』を面白く観ました。
ただ、個人的には不満がなかったわけではありません。
その理由は、飢饉や疫病に苦しむ民衆に理解を示さず何ら対策を行わないまま暴利をむさぼる権力者(室町幕府やその大名)の描き方が、単純な悪として描かれ過ぎだと思われた点です。
もちろん現在と違い人権や民主主義の概念の無い室町時代において、現在の権力構造よりかはるかに当時の権力形態は単純で民衆に対する考えの希薄さはあっただろうとは思われます。
しかしながら、今作の原作者である垣根涼介さんもインタビューで答えているように、原作の小説「室町無頼」で描かれた室町時代は、今の社会に酷似しているからこそ選ばれたストーリーだと伝えられ、であるならばなおのこと室町時代なりに現在に通じる権力者側の複雑な構造も調べて踏まえて描く必要があったと思われるのです。
でなければ、単純化された権力の描き方では完全に逆に権力者に侮られ、ズレた批判は全く権力者の中心を切り裂くことは不可能になるからです。
今作の権力者側の名和好臣(北村一輝さん)などの描かれ方は、風刺漫画的には面白さがありましたが、単にそれは市井の憂さ晴らしに留まり、実際の社会の具体的な改変には本質つながらないと思われます。
そして、今作に限らず(事実に謙虚に向かい合った傑作『あんのこと』などを除けば)入江悠 監督の弱点として根底に流れている権力観(反権力思想)だとは僭越思われました。
(必要以上に今作の単純化された権力の描き方を持ち上げる周辺関係者の人たちも含めて‥)
しかしながら、今作の映画『室町無頼』は、特に才蔵を演じた長尾謙杜さんの素晴らしい演技とアクションによって、個人的に感じた不満を遥かに凌駕する面白さと民衆側の説得力が加わったと思われます。
また、主人公・蓮田兵衛を演じた大泉洋さん、骨皮道賢を演じた堤真一さんなど、相変わらずの説得力ある出演者が勢ぞろいしていて、特に最終盤の大人数によるアクションと映像は映画的にも圧巻の場面も数多くあったと思われます。
個人的には、入江悠 監督はもっと権力側の複雑な構造にどっぷりつかって調べ上げる必要があるのではないか(研鑽を怠り単純な空想的な権力描写(反権力思想)に安住していると感じる日本映画界のある年代から上の左翼界隈から、脱する必要があるのではないか)と、僭越今後の課題を感じながらも、今作の映画『室町無頼』を、結果的にはそれでも大変面白く観ました。
民衆が蜂起してもええじゃないか
室町時代は、歴史上あまりスポットがあたらないと思うが、その時代に実際にあった一揆をテーマにした時代劇。大泉洋、堤真一が良かった。二人とも相変わらず演技が良い。長尾君も良いのだが、叫んでいる時や怒鳴っている時のセリフが聞き取れにくい😩。もっと発生練習して欲しいね。長尾君の修行の師匠役の柄本明が、渋かった。(←酔拳に出てくるジャッキー・チェンの師匠役のユエン・シャオティエンみたいだった)ラスト近くで証文を燃やす為に民衆が蜂起して乱舞するシーンは、今村昌平監督の1981年の「ええじゃないか」の乱舞シーンを思い出した。
室町時代へタイムスリップ
大泉洋さんは刀持たしたら日本一って感じがしましたね!冷製沈着で新しく入ってきた人にも言葉数少なめに教育してくれる。優しい時として厳しい中はいい関係だなと思いました。この映画は今までになかった。豪華版のストーリーに仕上がってて楽しかった。また、この室町時代を見れば良さがわかると思う。まあいろんな時代劇見た中で最高ですよ。本当に人間って昔も今も一緒なんだな。仲間は1つになると大きなことができるんだなって思います。私も頑張りたいです。
かなり無理がある
原作が良かっただけ、映画としては駄作。大泉さんの殺陣は5流、大体刀を使う時点で「普通は槍だろ」日本映画って特に時代劇はなんであんなに新しい衣服ばかり使うんだろ?汚れ感が無いから常にセットがダサく見える。主人公?の若者が一人で何人も倒すなんて笑っちゃうし、修行シーンは原作の方が一億倍迫力ある、原作を読んで映画館に行きたい方、大泉さんが好きな方以外にはお勧めできません。
"今"を映し出す時代劇
通常スクリーンで鑑賞。
原作は未読。
室町時代末期。疫病が蔓延し、飢饉も重なったことで死者が続出している京の都。その様は今に通じているように思う。
コロナ禍を経て社会は変容した。物価高で様々な品の価格が高騰し、政治は混迷を極めまくり未来に希望を持ちにくい。
映画は時代を映す。「民のために使わないで、なんのための税だ!」。拍手をしたくなった。全くその通りだと思った。
民が蜂起し権力に立ち向かう。心が奮い立つような高揚を覚えた。兵衛たちが一矢報いた瞬間、留飲が下がりまくった。
当時の民衆は、自分たちの手で今を変えなければならないと行動した。その姿は爽快だし、勇気をもらえた気がした。
[余談]
長尾謙杜のアクションに瞠目。ここまでやっているとは正直予想外で、人外な動きを可能にしている彼の身体能力の高さに惚れ惚れとした。琵琶湖畔での釘打ち修行からメキメキと腕を上げていく様は、長尾謙杜の俳優としての成長ドキュメンタリーを観ているような感覚に陥らせ、気づけば心の中で声援を送っていた。集大成となるクライマックスの長回しアクションに興奮を禁じ得ない。彼の素早い動きに追随するカメラワークが躍動感を演出し、六尺棒を振り回し敵をバッタバッタと薙ぎ倒す長尾謙杜を勇壮に映し出していて見事であった。今までの時代劇には無い斬新な映像とアクションに血沸き肉踊った。
悪役不在
史実や時代考証よりエンタメに振り切ったアクション時代劇。
目的は借金の証文を焼くだけで一揆と言うより、ええじゃないか?
室町幕府の将軍が悪役のはずだけど代表が守護大名の北村一輝。
悪いというか馬鹿で柳生一族の陰謀、成田三樹夫 烏丸少将文麿を予想したらゲロ吐いて死ぬ…。
室町時代にも浪人はいただろうけど、あんなにいるのか?
室町幕府に天皇、寺社のやり取りやヒリヒリする殺陣、命のやり取りと言うよりRPGや無双。
音楽が何かフューチャリングされたウェスタンみたいで違和感が抜けないまま。
武田梨奈もセリフ無しならもっと見せ方がある様な。
入江悠監督は好きな監督だけど大作には向かないのかも。
読み切り漫画のような楽しさ
あまり時代劇見ないけど、映画論youtuberさんが長尾くんの殺陣をやたら褒めてたのと、大泉洋だしとりあえず楽しいかな、と思って見てみた。うん、いい意味で?時代劇っぽくなくて、楽しめた。
なんだろう、室町という時代背景が比較的新鮮に感じたのか、不思議なBGM選択が気軽な気持ちで見せてくれたのか。疫病患者が無惨に取り扱われる中で一揆が成功するという胸スカ展開も良かった。
なんか、大泉さんの今のワイヤーアクション今めっちゃ吊られてましたよね?をなぜ撮り直さなかったのか、とか長尾くんアクションは良かったけどやはりセリフがまだ素人っぽくて浮いてるな、とか気になるところはあれど。絶対強者が二人いる安心感、「無駄にピンチに陥るけど闘い中に急に覚醒して切り抜ける」という私のあまり好きではない王道展開ではなかったのが良かった。七重の塔からのまさかの逃げ方とかもちょっと笑えた。
あと堤真一がちょっと悪そうな顔しつつも悪すぎない、という役柄もとても合ってて素敵だった!
あとは史実とどれだけ合ってるの?というのをリサーチせねばならない。。のがやや億劫。
タイトルなし(ネタバレ)
「犬王」「逃げ上手の若君」とプチ室町ブームが来てる…とは言え、ほぼ無名の人物を中心に、時代設定は応仁の乱前夜、とは実に挑戦的。結果としてはBGM含め、カンフー映画やウェスタン要素も取り込み、いい意味で時代劇離れした映画になっていたと思う。大泉洋が敢えて常日頃と外れた役どころを演じているのが、却って作中でも「鵺のような男」と評される無頼の兵法家の人物像に深みを与えている。主人公のアクションが棒術主体なのも、時折1人称視点になるカメラワーク含め、新味がある。後半の展開は圧巻で、そこで「終劇!」と表示されていいようなクライマックスシーンが4回くらい繰り返され、正直クドいのだが、それもまたいいか、と思わされる熱気がある。個人的には、物凄く濃い中年男性同士のブロマンスを後にして、師匠から指名を託され少年が旅立つ…という3番目のENDシーン(?)が一番心に残った。次点は2番目の反骨心溢れるタイトル回収(笑)。
音響
アクションとか美術もこだわりが細部
に行き届いて良かったが、脚本の脇が
甘くみえた。
特に音響。音の大きさ、タイミング、選曲
監督のセンスが滲み出てくる物。
色々な映画を意識し過ぎだのが否めない。
シーンと合ってなくて勿体ない。
遊女役の松本若菜さんは綺麗。才蔵役の長尾謙杜さんは良かった。ハードな役作りに感謝。
大泉洋さんも二枚目に見えた。
最後は少しスッキリして欲しくもありました。
日本で初めてクーデターを起こした男
ざっくり言うなら嫌いではない。
むしろ、物語としては好きな部類だ。
だが…没入感を妨げるものも多いのが残念だ。
音関連が軒並み悪く…BGMは西部劇のようだ。テイストとしてあってはいいと思うけど、どうにも軽い。どのBGMにも煽られる事はなく、流れる度にズッコケてた。それと…俺の耳のせいなのか、台詞が全編アフレコなのかと思う程、臨場感がない。
特にアドリブなんだろうなと思える台詞は耳障りでしょうがない。人が変わっても同じような事しか言わないし、音に奥行きもない。なんつうか、映像で役がついた事もなければ舞台に立った事もないエキストラに適当に喋らせてる感じが拭えない。
主要キャストにしたって、人物の10cm前から聞こえてくるような妙な違和感。
棒術の子が時折口にする関西訛りも意味が分からなくて…どっかのご落胤って設定なのかと思うも、それが活かされるような出来事はなかったようにも思う。
でも、この俳優さんのスペックは高いと思われる。
とても綺麗な目をしてたし、5年後の彼にはしっかりと成長の軌跡が見えた。
撮影部も、序盤のクレーンアップのカットとか揺れまくるし…アレはドローンとかなのかなぁ。意図は伝わるものの表現しきれてないであろう現状を憂う。
編集もカット割も、なんかこう、芯を食ってない感じがずっとする。「ここ」じゃなくて「ここかな?」っていう迷いがある感じで、良く言うならば時代劇のカット割の特殊さが浮き彫りになったと言えるし、悪く言うなら、人物の心情に寄り添ってないとか、アングルのテーマが不明瞭とも言える。
あざとい演出も多かったなぁ…。
なんちゅうか…ずっと70点な感じ。
エキストラにしたって、素人のサッカーみたいな感じで、ボールに群がるような状態で同じ視点の連中しかいなかったりと、演出部の甘さが随所に残る。
とは言え、飢餓状態を表現する為に極端に痩せてる人々を集めてるのには好感がもてた。
俺的には、ずっと惜しいのだ。
物語の背骨は凄くしっかりしてる。
クーデターを起こすに至る前振りもしっかり脚本には書かれてて、そこに絡めて旧友同士のシガラミとか立場故の衝突とか。自分の右腕を育てる過程も悪くない。その弟子を通じて集まる仲間とかは、ちと強引過ぎるが尺を考えるとアレ以上のウエイトを与える訳にもいかない。ただ…残念ながら魅力に乏しい。
キャストに回せる予算も圧迫されたんだろうなぁと同情に近い事を思ってしまう。
棒術の子に絡むアクションは手が込んでて面白かった。カメラがローリングするような事は一回で良かったと思うけど、門前の1カットのアクションとか見事だったなぁ。
覚醒と言うのだろうか、市井の民がずっと抱えてた鬱憤を爆発させたような勢いがあって思わず「行け!行け!」と彼の背中を押してしまう。
クーデター当日はそこそこ面白くて、膨大な人数で何日にも渡ってやったんだろうなと感嘆するし、皆が浮かれて歌ってる途中に、犠牲者のカットを挿入する編集にも悲哀というか、裏側というか、虚しさを表現していて好きだった。
大泉氏も、凄く練習したんだろうなぁと思う。
序盤の関所の殺陣はやたらに距離が近く、まるで半分程の刀を振ってるようで違和感あったけど、総体的には素晴らしかったと思う。
オープンセットも燃やすし、大量のエキストラを投入もするし、メイクは凝ってるし…何より室町時代っていう、あんま扱わない時代の話でもあって、意欲作でもあったろうと思う。
なんだけど!
惜しむらくは、脇の甘さが随所に露呈してしまっている状況を嘆かずにいられない。
敢闘賞に思えてしまった事が残念でならない。
も少し各所に割り振れる予算と時間があったなら、間違いなく化てたと思える。
そう思えてしまった事が残念で悔しい。
余談だが、本作の柄本さんには疑問が残る。
なんであんな芝居したんだろう?
初見は「下手くそだなぁ、どこの爺さんだ」と思ったんだけど、ひょっとして柄本さんってずっと思ってて、彼のラストカットで柄本さんだと確信したくらいだった。
ただ、あの芝居だからこそ周りと浮く事はなかったと思うので、そういう理由なのかなぁと、なんとなく思う。なんか投げやりにも思えるんだけど、新たな一面と思えば挑戦的なアプローチでもあったのかなぁと考える。…監督とソリが合わなかっただけかもしんないけどね。
最近、松本若菜さんをよく見かけるけど、本作も良かったなぁー。
あ、それと北村さんの台詞が衝撃的だった。
「民なぞほっといても増える。儂らが困窮したら税を増やせばいいだけの事」とかなんとか。
今の政治家達も同じような事思ってんじゃないのかと、本作と現代が絶妙にリンクしてるような気にもなってた。
そういう意味でも、現在だからこその意欲作でもあったと強く思う。
自棄っぱち!
◉哀しみと怒り
「世界を変えるは、人の力」と言う文語調のフレーズが売り文句。しかし、観ているうちに世界を歴史に置き換えて、歴史を変えるは地に沁み込んだ「哀と怒」だろうと言うシーンが多すぎて、事実と分かりつつ切なくなった。
足枷手枷に捉われず自由に生きたい無頼漢が、支配階級に挑む。巧みに生きる術を知って、才蔵に説いていた男が、損得を投げ捨てて是非もなし! それで、民衆を煽りに煽って一揆を起こしてしまう。身を捨てなきゃ、何も果たせない。
◉踊れ踊れ
命のやり取りから、焼き尽くす派手な炎と踊りへ変わり、終焉はまた命のやり取り。よく、周囲の人間を自棄っぱちに誘う名人がいて、あぁもういいや、どうせ軽い命ならなるようになっちまえ!
古い史料の一行から拾われた蓮田兵衛も、その最たる者だったのだろうと思いました。正義には代償が要ると分かりながら、刃を振るってしまう。
道賢は居たし、才蔵もそのほかの誰もが物語のためではなく、きっと居たと思うけれど、近世より中世は更に分からないことが多いから、物語は愉しく膨らんでくれるのです。
◉太く生きる
大泉洋は多彩だとは思います。でもエモーショナルな作品で涙を見せるより、ゾンビの脳漿をライフルで吹き飛ばす「アイアムアヒーロー」とか、今回みたいな血の量タップリ系の作品が絶対に似合うと思いました。優しいものは胸のずっと奥底にしまって、ふてぶてしくて、でもジョーカーを引いてしまう、その感じが良かったと思いました。
米価が二倍になるなんて!
時代背景はちがうけど 十一人の賊軍 と並ぶ大作
歴史の一隅を照らすそんなところが良いです。
原作未読(本が読めない(^-^; じっくり読んでいられなく
ほかの事を始めちゃう)性格なので映画館ばかりでみてます。
賊軍よりちょいとあくが弱めなところもあるけど
あの時代の憤りが感じられる良作でした。
惜しいのは さいぞうのセリフがもう少しうまければ・・・。
今の日本人はおとなしいんだなと改めて思います。
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