室町無頼のレビュー・感想・評価
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未来につながる希望
背景は決して明るいものではないし、たくさんの人たちが死んでいく。
なんだけど、大泉洋さんのキャラなのか重苦しくはない。
旧ジャニーズの子(ひとくくりにしてごめんなさい)が、たくましく成長する姿…もちろんメイクのチカラはあると思うけれど、なかなか良かったと思います。
民のために使ってこそ、税…と、一揆の中で死んでいく人の言葉
一方で、困ったら民から取り上げればいいという言葉
今の日本の為政者たちや経済界の人たちは、取り上げればいいと思っているとしか感じられない今の時代に、少しライトではあるけれど大泉洋というキャラを通じて石を投げてくれたのかなと思えた作品でした。
たった1行の男をこのスケールで描くのは凄い!
日本で初めてクーデターを起こした男
ざっくり言うなら嫌いではない。
むしろ、物語としては好きな部類だ。
だが…没入感を妨げるものも多いのが残念だ。
音関連が軒並み悪く…BGMは西部劇のようだ。テイストとしてあってはいいと思うけど、どうにも軽い。どのBGMにも煽られる事はなく、流れる度にズッコケてた。それと…俺の耳のせいなのか、台詞が全編アフレコなのかと思う程、臨場感がない。
特にアドリブなんだろうなと思える台詞は耳障りでしょうがない。人が変わっても同じような事しか言わないし、音に奥行きもない。なんつうか、映像で役がついた事もなければ舞台に立った事もないエキストラに適当に喋らせてる感じが拭えない。
主要キャストにしたって、人物の10cm前から聞こえてくるような妙な違和感。
棒術の子が時折口にする関西訛りも意味が分からなくて…どっかのご落胤って設定なのかと思うも、それが活かされるような出来事はなかったようにも思う。
でも、この俳優さんのスペックは高いと思われる。
とても綺麗な目をしてたし、5年後の彼にはしっかりと成長の軌跡が見えた。
撮影部も、序盤のクレーンアップのカットとか揺れまくるし…アレはドローンとかなのかなぁ。意図は伝わるものの表現しきれてないであろう現状を憂う。
編集もカット割も、なんかこう、芯を食ってない感じがずっとする。「ここ」じゃなくて「ここかな?」っていう迷いがある感じで、良く言うならば時代劇のカット割の特殊さが浮き彫りになったと言えるし、悪く言うなら、人物の心情に寄り添ってないとか、アングルのテーマが不明瞭とも言える。
あざとい演出も多かったなぁ…。
なんちゅうか…ずっと70点な感じ。
エキストラにしたって、素人のサッカーみたいな感じで、ボールに群がるような状態で同じ視点の連中しかいなかったりと、演出部の甘さが随所に残る。
とは言え、飢餓状態を表現する為に極端に痩せてる人々を集めてるのには好感がもてた。
俺的には、ずっと惜しいのだ。
物語の背骨は凄くしっかりしてる。
クーデターを起こすに至る前振りもしっかり脚本には書かれてて、そこに絡めて旧友同士のシガラミとか立場故の衝突とか。自分の右腕を育てる過程も悪くない。その弟子を通じて集まる仲間とかは、ちと強引過ぎるが尺を考えるとアレ以上のウエイトを与える訳にもいかない。ただ…残念ながら魅力に乏しい。
キャストに回せる予算も圧迫されたんだろうなぁと同情に近い事を思ってしまう。
棒術の子に絡むアクションは手が込んでて面白かった。カメラがローリングするような事は一回で良かったと思うけど、門前の1カットのアクションとか見事だったなぁ。
覚醒と言うのだろうか、市井の民がずっと抱えてた鬱憤を爆発させたような勢いがあって思わず「行け!行け!」と彼の背中を押してしまう。
クーデター当日はそこそこ面白くて、膨大な人数で何日にも渡ってやったんだろうなと感嘆するし、皆が浮かれて歌ってる途中に、犠牲者のカットを挿入する編集にも悲哀というか、裏側というか、虚しさを表現していて好きだった。
大泉氏も、凄く練習したんだろうなぁと思う。
序盤の関所の殺陣はやたらに距離が近く、まるで半分程の刀を振ってるようで違和感あったけど、総体的には素晴らしかったと思う。
オープンセットも燃やすし、大量のエキストラを投入もするし、メイクは凝ってるし…何より室町時代っていう、あんま扱わない時代の話でもあって、意欲作でもあったろうと思う。
なんだけど!
惜しむらくは、脇の甘さが随所に露呈してしまっている状況を嘆かずにいられない。
敢闘賞に思えてしまった事が残念でならない。
も少し各所に割り振れる予算と時間があったなら、間違いなく化てたと思える。
そう思えてしまった事が残念で悔しい。
余談だが、本作の柄本さんには疑問が残る。
なんであんな芝居したんだろう?
初見は「下手くそだなぁ、どこの爺さんだ」と思ったんだけど、ひょっとして柄本さんってずっと思ってて、彼のラストカットで柄本さんだと確信したくらいだった。
ただ、あの芝居だからこそ周りと浮く事はなかったと思うので、そういう理由なのかなぁと、なんとなく思う。なんか投げやりにも思えるんだけど、新たな一面と思えば挑戦的なアプローチでもあったのかなぁと考える。…監督とソリが合わなかっただけかもしんないけどね。
最近、松本若菜さんをよく見かけるけど、本作も良かったなぁー。
あ、それと北村さんの台詞が衝撃的だった。
「民なぞほっといても増える。儂らが困窮したら税を増やせばいいだけの事」とかなんとか。
今の政治家達も同じような事思ってんじゃないのかと、本作と現代が絶妙にリンクしてるような気にもなってた。
そういう意味でも、現在だからこその意欲作でもあったと強く思う。
現代人には時代劇はムリメ?
自棄っぱち!
◉哀しみと怒り
「世界を変えるは、人の力」と言う文語調のフレーズが売り文句。しかし、観ているうちに世界を歴史に置き換えて、歴史を変えるは地に沁み込んだ「哀と怒」だろうと言うシーンが多すぎて、事実と分かりつつ切なくなった。
足枷手枷に捉われず自由に生きたい無頼漢が、支配階級に挑む。巧みに生きる術を知って、才蔵に説いていた男が、損得を投げ捨てて是非もなし! それで、民衆を煽りに煽って一揆を起こしてしまう。身を捨てなきゃ、何も果たせない。
◉踊れ踊れ
命のやり取りから、焼き尽くす派手な炎と踊りへ変わり、終焉はまた命のやり取り。よく、周囲の人間を自棄っぱちに誘う名人がいて、あぁもういいや、どうせ軽い命ならなるようになっちまえ!
古い史料の一行から拾われた蓮田兵衛も、その最たる者だったのだろうと思いました。正義には代償が要ると分かりながら、刃を振るってしまう。
道賢は居たし、才蔵もそのほかの誰もが物語のためではなく、きっと居たと思うけれど、近世より中世は更に分からないことが多いから、物語は愉しく膨らんでくれるのです。
◉太く生きる
大泉洋は多彩だとは思います。でもエモーショナルな作品で涙を見せるより、ゾンビの脳漿をライフルで吹き飛ばす「アイアムアヒーロー」とか、今回みたいな血の量タップリ系の作品が絶対に似合うと思いました。優しいものは胸のずっと奥底にしまって、ふてぶてしくて、でもジョーカーを引いてしまう、その感じが良かったと思いました。
浪人じゃなくてあくまでも「牢人」
2025年映画館鑑賞10作品目
2月1日(土)イオンシネマ石巻
ハッピーファースト1100円
原作は『ヒートアイランド』の垣根涼介
監督と脚本は『ビジランテ』『ギャングーズ』『AI崩壊』『聖地X』『あんのこと』の入江悠
粗筋
1461年室町幕府中期
大飢饉と疫病が蔓延し死体の山
民の苦しみはどこ吹く風
将軍はじめ幕府重鎮は栄華を極めた
絶大の権力に立ち向かうのは牢人蓮田兵衛
落ちぶれた武家の子才蔵を見い出し「仙人」に預け厳しい訓練の末に見事に化けさせる
さあ時が来た
同志を集めいざ一揆
迎え撃つ幕府側警備担当骨皮道賢は兵衛のかつての盟友
「室町」で検索すると意外なことにこの作品しかヒットしない
室町時代といえば一休さんだがたしかにそうかもしれない
江戸でもなく戦国でもなく平安でもなく鎌倉でもなく室町
応仁の乱の数年前
見事なニッチ産業
着眼点が非凡
因みにこの頃まだ一休宗純は健在だが全く登場しない
全体的に民衆が汚い
時代劇で描く江戸時代とえらい違いだ
風呂に入る習慣はなかったのだろう
俳優以外の仕事ではおちゃらけが多い大泉洋
コメディー色が強かった彼も最近ではお涙頂戴物の多く違和感を感じていた
なんか違う
そうじゃない
モヤモヤしていたけどスッキリと霧が晴れた
これだよこれ
これこそ大泉洋の当たり役
チリチリの三枚目顔だけどそれでいてなんかシュッとしている
そこが佐藤二朗やムロツヨシと違う点
今回の大泉洋は最高にかっこいい
今までは大泉洋の当たり役といえば『ゲゲゲの鬼太郎』の鼠男だったけど
才蔵の修行シーンが良い
カンフー映画を彷彿させる
形勢不利からの逆転で一矢報いる
才蔵役がなにわ男子の人とは気づかなかった
アイドルにはかなり疎い
故に一部ネット民のようなジャニタレに対する拒絶反応は全くないし寧ろそういう人たちを蔑視している
『ワカコ酒』で「ぷしゅー」とか言ってる場合じゃないと嘆いていた自分だがこれこそ本来の姿に近い武田梨奈
得意の空手を活かしたアクション映画に出てほしい
骨皮相手に啖呵を切る芳王子役の松本若菜がカッコいい
ただなぜ臍を出していたのかよくわからない
インティマシーコーディネーターお呼びじゃない程度の妥協の産物かもしれないが若菜本人からすれば食べたいものも我慢して仕上げた感あり
デカい奴がいたけどプロレスラーではなかった
勿体無い体格だが痛いのは嫌なんだろう
お笑い芸人やっているよりこっちの方がいいかもしれない
BGMも良い
革命志半ばかもしれないがそれで良い
諏訪太朗がどこに出ていたのかわからなかった
もう一度観て探したい
作品としては思いのほか良かった
濡れ場があっても良かった気もするが松本若菜はともかくそんな大泉洋はバッチくて観たくないので結果オーライ
配役
牢人と洛中の村落をまとめあげ一揆を画策する剣の達人の蓮田兵衛に大泉洋
武家出身だが父は牢人で幼い頃にその父を亡くし兵衛と出会い師事する才蔵に長尾謙杜
威勢が良い高級遊女かつ兵衛の情婦の芳王子に松本若菜
牢人かつ居合の達人の赤間誠四郎に遠藤雄弥
牢人かつ槍使いの七尾ノ源三に前野朋哉
牢人かつ棍棒使いの馬切衛門太郎に阿見201
才蔵を鍛える棒術の達人「唐崎の老人」に柄本明
刀鍛冶屋の主の小吉に般若
弓の名手で喋ることができない超煕(ちょひ)に武田梨奈
吉坂郷の住人で馬借の伝助に水澤紳吾
伝助の娘で簪を貰う小萩に川床明日香
吉坂郷の住人で馬借の蔵人に芹澤興人
武装集団の頭目で洛中警備を担当する悪党の骨皮道賢に堤真一
小頭六人衆の斬ノ助に岩永丞威
小頭六人衆の孫八にドンペイ
小頭六人衆の彦次郎に稲荷卓央
小頭六人衆に梅原勇輝
隠密のお千に吉本実憂
室町幕府八代将軍の足利義政に中村蒼
室町幕府政所執事の伊勢貞親に矢島健一
室町幕府大名の名和好臣の北村一輝
名和の家来に柴田善行
金貸を営む比叡山の僧兵の法妙坊暁信に三宅弘城
郷の住人のお春に中村由梨絵
郷の老女に大橋明代
郷の住人に町田政則
郷の住人に浜愛菜
郷の住人に松浪瞳
馬借に稲継智己
牢人に松岡冬馬
善阿弥に浅田祐二
?に諏訪太朗
ナレーションに窪田孝
室町わからん、でも今も昔もお上のやることは。。。
1461年、応仁の乱前夜の京。大飢饉と疫病によって
路上には無数の死体が積み重なり、人身売買や奴隷労働も横行していた。
しかし時の権力者は無能で、享楽の日々を過ごすばかり。
そんな中、己の腕と才覚だけで混沌の世を生きる自由人・蓮田兵衛は
ひそかに倒幕と世直しを画策し、立ち上がる時を狙っていた。
一方、並外れた武術の才能を秘めながらも天涯孤独で夢も希望もない日々を
過ごしていた青年・才蔵は、兵衛に見出されて鍛えられ、彼の手下となる。
やがて兵衛のもとに集った無頼たちは、巨大な権力に向けて暴動を仕掛ける。
そんな彼らの前に、兵衛のかつての悪友・骨皮道賢率いる幕府軍が立ちはだかる。
・・・といったあらすじ。
この時代をテーマにした作品は見たことがなかったので興味津々だったけど、
最初は何これ???となった。
室町、わからねーーー、って。
そして、主人公の蓮田兵衛が拾った才蔵は、ジャッキーチェンの昔の映画のごとく、
とんでもない修行させられるし笑
でも、これが日本で初めて武士階級が起こした一揆だったんだな、と知り、驚いた。
全体的には笑いもあり、殺陣シーンは結構迫力あったし、最後の一揆での戦いは
すごかったけど、ストーリーがいまいちかなぁ。
蓮田兵衛を演じた大泉洋さん、はじめて殺陣をやっているところを見たけど、
結構よかったです。それ以上に、おふざけが少なく、かっこよかった。
無頼とは、定職に就かず、無法な行いをすること、またはそのような人。
ま、自由人だけど、それなりに正義を持っていたんだよな。
拾われた才蔵は、なにわ男子の長尾謙杜さんという方、だそうで。。。
全然わかりませんでした、ごめんなさい。
こちらはこちらで意味不明な修行シーンでしたが、最後の一揆での戦いは
すごかったですね
今も昔も、お上のやることって一体。。。
そして、それに苦しむ下人たち。
この構図は変わらんなぁ。。。
米価が二倍になるなんて!
時代背景はちがうけど 十一人の賊軍 と並ぶ大作
歴史の一隅を照らすそんなところが良いです。
原作未読(本が読めない(^-^; じっくり読んでいられなく
ほかの事を始めちゃう)性格なので映画館ばかりでみてます。
賊軍よりちょいとあくが弱めなところもあるけど
あの時代の憤りが感じられる良作でした。
惜しいのは さいぞうのセリフがもう少しうまければ・・・。
今の日本人はおとなしいんだなと改めて思います。
気持ちよかった〰️
想像してたよりおもしろかった
昔も今も変わらない…?
あいつらはほっといても税金納める、みたいなセリフがあって、あー今の政治家もこんな感じなのか?とかよぎっちゃいました。
昔も今も同じ?と思ったけど昔の人の方が怒りを形にしてたのかも。
大泉さんと堤さんは流石の貫禄でした。最後はちょっとホロっとしましたね…
時代劇愛満載
主要キャストと室町時代の一揆の話らしい、ぐらいの知識で鑑賞。
窪田さんのナレーションに痺れる。映画なのに敢えて入れたという作り方。そしてバックに聞こえてくるビッグバンドによる音楽。懐かしい!これはまるで必殺仕事人とか、大江戸捜査網のような。テレビ時代劇華やかな頃の雰囲気を感じて、なんだかニヤけてしまった。
スクリーン全体を通して表現される画力や、ストーリー展開のリズムがとても良く、予想を超えて面白かった。殺陣の見応えと、大勢が走り回り暴れまくるシーンの迫力と描き方が素晴らしい。普通のスクリーンで見たがIMAX上映もやっていて、どうして?と思ったが、この迫力を楽しめ、ということなんだなと納得。芝居は大泉洋と堤真一という2本柱による安定感。大泉、時代劇で浪人役ってあまりイメージないけど?と思ったが、さすが。何でも出来るんだと今更ながら感心。そして長尾謙杜、身体能力の高さで殺陣とアクションが決まるのと、普段のイメージとかけ離れた敢えてワイルドな役。セリフ回しはまだ素人っぽいが、ポテンシャルは高い。アイドルは化けるのだなと、今後どんな役者になるのか期待。
黒澤作品を思い出させるショットもあり、映画としての迫力も楽しめる、作品全体で昭和の時代劇愛を感じる仕上がりでした。
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